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二度目の邂逅 承 部活に入部してくる。


エレベーター降りて、修一の家の前でSNSの連絡先を交換した。

修一は俺より一階下の部屋を借りていた。

翌日マンションのエントランスで待ち合わせして、朝練に修一を連れて行ったら、部活が騒がしくなったよ。

それはまあライオンのマスクをつけた生徒がきたら騒がしくなるわな。

そう思っていたが、修一が名前記入済みの入部届を渡してさらに騒がしくなった。

「平田先輩、この人ですよ。」

昨日陸上部を騒がせていた人が修一であることがわかった。

そして、修一が俺と一緒に短距離を走りたいと言った。

それを聞いて周りが「ルーキー永野vsエース平田」と盛り上がった。でも、俺は修一がライオンマスクのせいで息がしづらいのでフェアではないと心配した。

そこで、修一がこのマスクは息苦しくない、マスクを着けていない時と変わらないと言った。

だから、ウォーミングのストレッチとランニングが終わった後、俺が得意の400mトラックで競走することになった。

なんでも400mを走っている俺の姿に憧れたので、それで一緒に走りたいと言った。


「新入生だからって、俺は容赦しない。だから修一くん、遠慮なく本気で走れ!」

「はい!本気で行かせていただきます」

凛とした声がライオンマスクから聞こえる。

マスクで表情は見えないが、緊張しているようだ。


「位置について!用意!どん」

サポートロボットのスターターによる合図が耳に届いた瞬間、クラウチングスタートで前に出していた利き足の右脚に力を入れて、前に跳ねるようにスターティングブロックを蹴り、倒れ込むように走り出す。


風を切る感覚が気持ちいい。

走れ、速く。


そう思って走る。

そう思ってトラックを駆け抜けた。

400mを過ぎ、俺はスピード落とす。

修一はどうなったと思い振り返ると目の前にライオンマスクがあった。速いと驚いて動きが止まる。

「平田先輩よけ」

てという前に修一にぶつかった。

衝撃で後ろに倒れた。

怪我すると思い衝撃を覚悟した。

しかし、痛みはこなかった。

「先輩、止まれなくて申し訳ございません。」

俺が修一に抱きしめられるような形で寄りかかっていた。

慌てて俺は腕で突き放すような形で離れる。

「いいって、大丈夫。俺も後ろ気にせずに振り返ったことも悪かった。お互い大した怪我もなくてよかった!」


サポートロボットに撮ってもらっていたリプレイ動画をみた。

最初は俺の方が有利に前を取り、距離があったが、後半から、修一が追い上げてきて頭ひとつ分後ろに迫っていた。

そしてその状態でゴールしたことにより、さっきの事故が起きたわけだ。

短距離より長距離が得意な走り方をしていた。


そして、走りのフォームが綺麗だった。

そのフォームのおかげなら、俺についていけるスピード出るわな。


その後、俺目当ての後輩が後世に語り継がれるほどの高性能な部員になることをその時の俺ら陸上部はまだ知らない。

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