二度目の邂逅 起 下校時に話しかけられる。
授業が終わり、俺は運命に怯えつつ部活に向かおうとしていた。
しかし、校内の放送で生活指導の先生たちから呼び出された。
運命から逃げる時に、廊下を走ったことと校内で危険なショートカットで教室に入ったことを注意された。
廊下を走ってはいけないことはわかったでたけど、二階の渡り廊下を飛び降りてショートカットしてはいけないって校則はない。
そのことを言い返せば、悪い手本になるからやめろと説教が伸びた。
この学校では、ルーレットで罰が決まる。朝早くに日が出る前に、薄暗い怖い場所にある石碑を綺麗にしろなどの掃除系から、反省文を書く系などがある。
俺はこれ以上部活に遅れたくないので、今の部活の時間に影響しない早くきて掃除する系の罰を狙った。
電子黒板に映し出されたパステルなルーレットをタップする。
しかし俺は、反省文にあたった。反省文は即罰系なので直ぐに書くことになった。反省文書いてたら、部活に行くのが遅れた。
今日は部活見学があったのに、これは遅刻で部長や他の部員に怒られる。
案の定怒られた部活についた俺は怒られた。
そして、学校の廊下では走らないことと危険なショートカットしないことを約束して許された。
さらに俺の走り目当てで見学しにきた子がいて、俺がいなくて心底がっかりした様子だったそうだ。
その子は他の運動部の見学に行ったとのこと。
陸上部を最初の部活見学に、その子は選んでいて、他の部員に勧められるがまま、制服姿のまま100mトラックをためしに走ったそうだ。
走りのフォームと速さが良くてそれが他の運動部の目にまとまり、その子の周りは勧誘の嵐になっていたとのこと。
そんな有能な後輩、俺も見たかった。
俺は校則違反を後悔した。
そして、日が完全に落ち、部活が終わった。
俺は、帰り道を歩いていると目を見張るものがいた。
オスライオンマスクを頭に被り歩いている学校の制服を着た男子生徒がいた。
マスクの方はリアルで立髪がふさふさしてた。
ライオンマスクには学校の名前がデカデカと書かれている。
「君、あのヘンテコな罰ルーレットの被害者か?」
俺は思わず同情して声をかけた。
「そうです。」
マスクでくぐもっているがテンションの低い爽やかな美声が聞こえてきた。
あのルーレットは稀に変な罰を出すことがある。
Aiが自動でルーレットの内容は決めてるから、文句の言いようはない。
「ルーレットを押すまでの生活指導の先生達の説教が長いんだよ」
「分かります。自分もルーレットを押すまでが長かったです」
「後、あのルーレットたまに変なのがあるから困るよな。君みたいに」
「そうですよ。なんでオスライオンのマスクを被って一週間学校生活送ることにになったんでしょうね。新学期早々大変です。」
マスクの中からくぐもったため息が聞こえる。
「何やってそんな選択肢出たの?。
俺は、ショートカットと廊下走ったのが原因だけど」
「自分の周りの部活勧誘があまりに激しくて、気迫出しました。周りを落ち着かせようとしたら、気迫弱い子に当たって気絶したからです。」
そういえば、反省文書いている途中に生徒指導の先生達が減ったと思っていたらそう言うことか。
気迫はこの世界の一部の人が使える防御技、きっとこの子は人見知りで使ってしまったんだろう。
「そうか、君は大変だったね。」
その後、学校の話や最新のスポーツの話などで話が合い長話ししている間に、俺は家のマンションに着いた。
なぜか、ライオンマスクもついてきていた。
「長話付き合わせて悪いね。もしかして君の家もこのマンション?」
「そうです。それと先輩、自分は永野 修一です。君ではなく修一と読んでください。」
エレベーターを待つエントランスで言われた。
「そうか、修一くん。俺も名乗るのが遅くなったな。俺は平田 俊仁。平田先輩と呼んでくれ」
エレベーターが開き、中に入る。
「分かりました平田先輩の部活勧誘を聞いて、陸上部に入りたくなりました。入部したら、よろしくお願いします」
ライオンマスクで表情はわからないが喜んでいる雰囲気は伝わった。
新学期早々、運命を見つけたり罰ゲームにあったり、部員から怒られたり散々な目にあったけど、こんないい後輩に恵まれるなんてついている。