ココホレワンワン③
目が覚めると、大きな素敵なクッションの上だった。
刺繍がびっしりのお高いやつだ。こんな高いやつによだれでも落として無かったか気になって、口を手で覆うと、自分の手だった。
良かった、“犬”になったなんてやっぱり悪い夢だったんだ。
ホッとして、改めて今いる場所の様子を見てみる。
今は真夜中なのか、部屋は暗い。半分開いたカーテンから差し込む月の光で少し分かる程度だ。
((すごく広い部屋・・・誰か・・・いる??))
バスケットコートは入りそうな広い部屋の奥に大きなベッドがあるように見える。姿は見えないが、寝息が聞こえる。立って様子を見ようと起き上が・・・・
((ぎゃーーーーーー裸だ!!!))
私は、クッションの上に裸で丸まって寝ていた!かろうじてブランケットがかけられているだけだった!
慌ててブランケットに包まって小さくなるが、やっぱり状況が分からない。
((なんで???なんで???ここどこ??なんで裸??なんで誰か寝てるの???))
知らない部屋で知らない人と裸で一緒なんて!?((怖すぎる!))
ブランケットに包まったまま、なんとかそーっと立ち上がり、
大きなクッションを盾にゆっくりゆっくり部屋の真ん中から、部屋の隅に移動した。
((落ち着こう、ここならあの人が起きてもすぐには見えないはず・・・))
考えても、考えても分からない。
寝ている人に説明してほしいけど、起こす勇気なんてない。
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1時間は経ったかな・・・・
なんか緊張してグルグル色々考えたけど、規則正しい寝息を聞いていたら、考えるのが馬鹿らしくなって・・・眠くなってきた。
そうして・・・私の異世界1日目を終えた。