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ココホレワンワン①

初めての投稿です。

ザックザックザック

穴掘りすりのは、程よく気持ちいい。

何も考えず、無心で出来る。



昨日、たった一人の家族だったおじいちゃんのお葬式が終わった。

心筋梗塞だった。発見がもっと早ければ、と言われたがおじいちゃんは、自宅で大好きな桜が満開のなか逝った。おじいちゃんに迎えが来たのだ。私が見つけたときは桜を見ながら寝てると思った。

ちょうど、一週間前に私は高校を卒業した。7歳の時、両親二人を同時に事故で亡くした私を育ててくれたおじいちゃんは、

「良かった、良かった。もうわしに思い残すことは無いの~っ」と顔に皺を沢山よせて笑って言った。「今度は孝行するから長生きしてねー」と言うと、

「ばあさんが、待っとるよ。あの世で先に花見の準備して待っとると言っとったけど、ずいぶんばあさん待たせとるからな〜、ハッハッハ、そろそろ迎えに来るよ。」

そんな話をした矢先だったから、自然とおばあちゃんのお迎え今日だったんだ、と医師から死亡を告知された時思った。


朝起きて、おじいちゃんが可愛がっていた犬を見に行く。コーギー9歳、名前コースケ。人でいうともう68歳。おじいちゃんと縁側で桜をみながら日向ぼっこする仲間だった。縁側から庭に、ク〇ックスもどきで出ると、足にすり寄ってきた。いつもは縁側で寝そべって、私が来ると少し顔をあげて、尻尾を振るだけだったのに。((コースケももうおじいちゃんがいないことはわかっているのかな))


ふいにコースケが耳をぴくっと立てて、桜の木の下近くへ行く。

「わんわん」前足で一生懸命穴を掘っている。

「何?コースケ、穴を掘りたいの?何か埋めてるの?」コースケの横にしゃがみ込む。

一生懸命掘る様子を見てると、昔話を思い出し、「ココホレ、ワンワン」思わずつぶやいた。


「ん!」ちょっと掘ってる先が光ったきがした。


ちょうどコースケの動きに疲れが見えたから、植木の脇に置いておいたスコップを使って私が掘る。

コースケはやれやれって感じで水を飲みに向かった。


ザックザックザック

穴掘りすりのは、程よく気持ちいい。

何も考えず、無心で出来る。


何も無くていい。こうして穴掘りしているだけでいい・・・・って思っていたのに。


まさかこの穴が、異世界に通じているなんて!!!!!!!!!!!





読んでいただき、ありがとうございます。

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