5 おはようございます。
さーて、何とか投稿することができました、第5話。ぜひお楽しみ下さい。
「う~ん…、あれ?ここ、どこだ?」
目が覚めて起き上がって早々、自分がどこにいるのかがわからない協也。しかしそれは別に寝ぼけているわけでもなければ、寝る前までに起きていた超常の出来事をきれいさっぱり忘れてしまっているというわけでもない。
「俺、なんで洞窟の中にいるんだ?たしか森の中で寝たはずなんだけど…。う~ん、ダメだ全然移動した覚えがない。」
そう、今協也は見知らぬ薄暗い洞窟の中にいた。ただでさえ自分が意識がない間に別の場所に移動するという珍事件が2回も起き、目覚めて早々冷や汗が止まらない協也だが、どうやらまだそれではトラブルの神様はご満足いただけないようだ。
…その証拠に協也がふと後ろを振り向けば―――
「ひっ!?な、な、なんで人の骨がこんなにたくさん転がってるのさ…。
もしかしてここ何かヤバい動物の巣、だったりするの…かなぁ?」
―――大量の骨が洞窟の奥のほうに敷き詰められていた。ご丁寧に服や、その他の持ち物は別の場所に分けられて。
そのことに、いろいろ悪い憶測が協也の頭の中で飛び交い、それに比例するように、頬の筋肉が引きつっていく。この世界に来てから表情筋が大活躍である。
あまりの恐怖に耐えきれず、とにかく後ろを見向きもせず出口に向かって全力で走り出す協也。
それから、出口が見えてきたことに安堵しはやくこの洞窟から出ようとするが、ちょうど出口のど真ん中にある"それ"を見て足を止める。
「な、なんだ…?これ。」
協也が足を止めた理由である〝それ"は人の何倍もある大きさを持つ巨大な生物の骨だった。動物の骨とかに全く詳しくない協也には何の骨かは全く分からなかったが、なんとなくこれがこの洞窟の主だろうという確信があった。そう思わせるほどの威圧感が骨であるにもかかわらず発せられていた。
まぁ、その感が当たりなのかは、それともただの思い過ごしかは、確かめるすべなどないのでどうしようもないので、とにかくこの洞窟のよう獣の巣には自分以外生きている存在がいないようなのでで、ひとまずほっとしたことで冷静になったのか自分の格好に気が付いた協也は
「……とりあえず、どっちにしろ今の状況を他人に見られるのはさすがにまずいだろうし一旦奥に戻らなきゃね。」
そう言い、頬を赤らめつつ、キョロキョロと周りを見渡した。何故そんな行動をとっているかというと、答えは簡単。彼は今、全裸なのである。それもそうだろう転生したての時はただの骨だったのだから、服なんて着てるはずがない。
「今の顔がどうなっているのかはわからないけど、もし前のままだとしたら修学旅行の惨劇がまた繰り返されることになっちゃうし早く着ないと。」
そう、彼の前世の顔はそんじょそこらの女性じゃあ歯が立たないほどの圧倒的な美貌を持っている。かつて修学旅行で男子全員で旅館の温泉に入ることになったとき協也の顔と体(特に下半身)のギャップに他の男子生徒の精神が削り取られ温泉が死屍累々の大量殺害現場のようになったのだ。転生したのだし流石に同じ顔だとは思えないが、万が一ということもある。
もしそうなってしまえば、大惨事は免れないので足早に骨の隣に置かれていた服へ急ぐのだった。
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どうも皆さん、こんにちは赤葉協也です。
俺は今森の中を歩いて、この辺に人がいないかもしくは人が住んでいそうな建造物などがあるか調べるため探索中です。
取り敢えず骨のとなりに纏められてた服を着て、ついでに一緒に積まれていた被害者たちの荷物も幾つか頂いて、そこから一週間何とか1人で生きてます。
さて、あれから色々確かめた結果、まず俺はこの世界の文字が読めるようだ。荷物の中に入っていた手帳か日記化かを見てみたところ普通に読むことができた。明らかに見たこともない地球以外の文字だったのでたぶんこの世界に文字なんだと思う。
なんで俺がこの世界の文字を読むことができるのか全く分からないから、なんだかすごく不気味なんだけど。
まぁ、読めないよりは断然いいから、とりあえず一端文字が読めることはスルーすることにしよう。
次にこの体は骨の姿と普通の人の姿に好きな時に切り替わることができるみたいだ。しかも最初に人の姿になったときに感じたあの燃えるような熱さも感じずに。じゃあ、あの時のは何なんだよ、って思ったけどまぁこっちも毎回あんな苦しい思いせずに済むなら済むで、それに越したことはないからいいけどさ。
といった具合に自分の今の体の状況が大体わかってきて、今は荷物の中にあったナイフを使って途中にある木に印をつけながら、洞窟の周りを探索しているところだよ。
歩き始めてから2時間くらいたったと思うんだけど何にもない。…時計が欲しい。時間が全然わからんないし、それっぽいものはあったけど壊れてて使えなかったし。まぁ、動いてても読めないから使えないけどね。
とにかくこの森には今のところ何もない。
「あー、もうっ!!どれだけ広いのさこの森!!歩いても歩いても木とかしかないじゃん!?」
ヤバいなぁ、なんだか段々イライラしてきた。でも仕方ないでしょ?この6日間歩き回って何にもないんだよ?あるのは木とウサギとデカいカナブンみたいな虫だけ。ウサギは食べれるからいくら出てきてくれてもまぁいいんだけどカナブンがなぁ。
あっそうそう、俺あのウサギよりも強いってことが分かった。森の探索を初めて数分もたたないうちにさっそく見つかって、今度はちゃんと骨じゃなくてちゃんと食べるところがあるのが分かったからかすぐ襲い掛かってきて、これやばいかもって思ったんだけど、意外とナイフで簡単に倒せた。
初めて見た時のあの緊張感はなんだったんだって思うくらいあっさりと。
一度倒してからは、別にウサギを見ても何も感じなくなってた。いやぁ、お騒がせしました。
まぁそれもそのはずでどうやらこの体、前世と比べてかなり運動神経がいいみたい。明らかにウサギとは思えない力で俺のことを食べようとしてくる角ウサギ(とりあえずそう呼ぶことにした)を片手で捕まえて地面に抑えつつ、もう片方の手で握っていたナイフで角ウサギの体を突き刺し、倒すことができた。
「なんでウサギが肉食なんだよ…。」
あと、虫の方もそんなに強くなくて、むしろ角ウサギよりも弱い。攻撃も精々噛みついてくる程度でそこまで痛くもないし、特に問題なく倒すことができた。
そんなわけで、かれこれ6日間同じものしか見ていない今の俺はそろそろ何か違うものが見たい。
―――そう思っていると。
「ん?あれは…。」
木が邪魔で見えにくいけど、奥に開けたところがあるみたいだった。それを理解した俺はそこに向かって全力で走った。こういう時この体の身体能力が役立つ。前世では出したことのないような速さで目的の場所にあっという間に到着することができた。
「…湖、だよね。」
俺の目の前にはとても大きな湖が広がっていた。絵や写真とかでしか見たことないような、太陽の光を反射し輝いている神秘的な湖だった。周りが草木で囲まれていてその中にポツンとあって、まるでこの森の中心であるかのような美しく、そしてかなりの存在感のある、とても大きな湖だった。
「…あっ、そうだ。いままで体洗ってなかったし、ここで洗って行こっかな。」
しばらく茫然と湖を見ていた俺は、自分がこの世界に来て一度も体を洗っていなかったことに気が付いた。よし、そうと決まればさっそく…
――男の娘脱衣中――
というわけで。
「ふぅ~。ずっと暑かったし丁度いい冷たさ…。途中で諦めて戻らないでよかった~。」
あぁ、ここは天国かな?どうもこの世界は今夏なのかずっと暑かったんだよね~。
(これだけ大きければ、最悪飲み水としても使えそうだし、たしか洞窟に置いてきた荷物の中に瓶があったと思うから次来るときはそれ持って汲みにこよう。うん、そうしよう。)
そう思い、俺は湖を出てから体を拭くものがないことに気がついて、仕方なく濡れた体のまま服を着て、拠点である洞窟へ戻った…。
いかがだったでしょうか?
今回はちょっと時間がないので、あとがきは挨拶だけにさせていただきます。
それでは皆さん、また明日~。




