5新しい目覚め
教皇は棚から細長い箱を取り出し、『召還の杖』を入れて、奥にある宝物庫らしき所の棚にしまった。
そして少し離れた所にある、儀式用らしき服に着替え始めた。
……いけるか…?
俺は召還の杖の箱に触れて[収納]し、収納内で『箱』と『杖』を分離。
箱だけを[収納]から取り出して、棚にしまった。
出すのも、しまうのも、[収納]スキルで一瞬でした。
金目の物無いか手当たり次第に[鑑定]しまくる。
………クソッ!もう着替えが終わるっ!
焦る!
そんな中、ふと目に止まった袋を[鑑定]してみる。
[鑑定]
金貨の入った袋
宝石の入った袋
もうこれでいい!
…時間が無い。
急いで袋を収納し、着替えた教皇についていく。
礼拝所に向かう教皇。
二階の執務室の扉を開けると左右の両脇に、白いローブを着た男女が並んで、此方に注目している。
そんな通路の真ん中を教皇は笑みを浮かべ、俺はその後ろを歩いて行く。
皆、尊いモノを見るように、教皇と後ろの俺[勘違い]が『側を』通りすぎる時に一礼して行く。
通路から聖堂に入ると、身なりの整った貴婦人やうら若き少女も、彼女らの側を通る時、『尊いモノを見るような目で』頭を下げていく。
だんだん俺はえも云われぬ恍惚感?背徳感を感じてきた。
何故かって?
俺ずーっとフルチ◯なんだよ。
教皇に頭さげてるか
俺の息子覗かれてるか
もうなんか、よく分からない。
教会入る前から前隠してないし。
とにかく、マイサンは今日も絶好調!!
……危なかった!
教会から脱出して心の底からそう思う。
フル◯ンで礼拝に参加しようとする欲求になんとか打ち克ってきた。
もう少しで目覚めちゃうところだよ。
魔力が心配だ。
ステータスを確認しとく
【名前】ヨシオ トクナガ
【種族】人間族
【性別】 男
【年齢】16
[商人]
[盗賊]
[職業無し]
[職業無し]
[職業無し]
【レベル】1
【体力】30/30
【魔力】800/800
【知力】50/50
【素早さ】10/10
【能力】
固有スキル
言語理解
魔法理解
鑑定
異空間収納
完全空気
スキル
交渉
弁明
忍び足
【称号】
異世界人 引きこもり 魔法使い ヌーディスト
【魔法】なし
【加護】なし
【装備】なし
職業に「盗賊」がついた。
マジか、当然っちゃ当然だけど。
「忍び足」ってスキルは今の俺には有能なスキル。
素直に有難い。
魔力回復してる。
なんで?
発動に魔力かかるけど、発動したら魔力はかからないってこと?
はっきりしてる事は、[空気]発動中も魔力は回復するって事か。
【称号】ヌーディストって何だ?
癖になりそう……って思ったのが不味かったか?
まあ…なんだ…、どちらにしても手遅れって事だな。
とにかく城を出よう。