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新しいバイト 始めました!  作者: ミドル
8/10

07 エルフの国 2

 よし、目的の場所へ着いた。何処とは言わないぞ? 絶対に批判されるであろう。

 そう、可愛いエルフちゃん達とあんなことや、こんなことができてしまう場所、パロッコだ。あ、言っちゃった。てへぺろ!

 俺は神だが、あくまでバイト。正式ではない。あ、でも魔裟斗の野郎に『新人はこれくらいでいい』とかなんとか。

 ま、気にすることなかれ。いざ、レッツゴー!


 ~カランカランッ~


「それじゃー、また来るぜっ!」

「次の御来店をお待ちしております。」

 お、誰か帰るみたいだな。俺が入った瞬間にだ。

 あれ、見たことがあるような、ないような。

「あ、お前、この前の奴だ!」

「え、俺? あ、お前はさっきの俺が顔を吹き飛ばした聖騎士団の兵士か。俺になんの用かな? また、俺にちょっかいを出す気か?」

 ま、ここは大人の対応をしていこうか。また、変なことに巻き込まれたくないからな。


「ちょっかいを出すために呼び止めたのではない。お前には、国家反逆罪で問われている。とりあえず、一緒に来てもらおう。まぁ、逃げることなんて出来ないがな。」

「え、それって聖騎士団の団長さんのご意向なんですかな? あの人は既に捕まっていたはずですが、、、」


「あの方はもう、聖騎士団の団長ではない。他の方が既に団長になったらしい。が、お前には関係のないことだ。さ、来てもらおう。」

 なんか、くさいな。恐らく、裏で何かあるのだろう。この国の大名の誰かか、その他の種族の思惑か。

 なのだとしたら、良い思惑ではないだろう。良いことならこんなことはせずに、普通に頼めばいい話だ。

 大人しく、ついて行って真相をつきとめるのがいいだろう。


「いいでしょう。ですが。何処に行くんですかな?」

「もう一度言うが、お前には関係ない。大人しく着いてくれば良いのだ。あと、お前には目隠しをつけてもらう。場所が分からないようにな。」

 目隠しか、くさくなる一方だ。


「それじゃ聖騎士さん、お勤め頑張ってください!」

「うん、頑張るよ!」


「いやぁ、絶対来そうな所で張っていたんだが、まさか本当に来るとはな。俺の感は凄いなぁ。」

 ん? 絶対違うだろ。勤務時間にあんな店で遊んでいただけだろう。あの時は、熱心な人だと思っていたのにな。ガッカリだよ。



 ~しばらく歩いているが、なかなか着かない。普通は馬車とかに乗ったりするんだろうが、予想外のことだったらしく、用意されていないらしい。

「おい、あとちょっとで着くからな。用心しろよ。」

 なんで用心するんだ? そんなにヤバい所に向かっているのか? ま、いざとなったら神界に戻ればいいので問題は無い。


「ようし、着いたぞ。もう目隠しを外していい。」

 !?、何だこの建物、とにかく凄い。何が凄いかというと、ボロ過ぎるのだよ。何故、俺をこんな所に連れてきたんだ?

「例の男を連れてきました。中に入れてください。」

「なにっ!? 本当か! ささっ、早く入れ!」

 ん、この声は、あいつの、、、 やっぱり俺を拷問するためなのか。でも、あの時この騎士が言っていたこと、嘘をついているようには見えなかった。

 おお、凄い凄い。ボロ屋が切り開かれて、大きい階段が出てきた。凄い仕掛けだ。現代の日本の技術でもかなり難しいぞ? 多分ね、、、


「ようし、お前はもう帰って良い。そしてそこのニシヤマとやら、中に入れ。」

「はっ!」

 ん? なんで俺の名前を知ってるんだよ、こいつ。気味悪いわ。

「どうした、早く入れ。」

「あのぉー、なんで俺の名前を、、、」

「そんなことは気にするでない。早くしろって!」

 そんなに急かすなって。急かさずとも行きますよーだ。

 中は思ったより狭いな。階段が大きかったから、それなりに大きい部屋があると思ったのだが。


「よく来てくださいましたね。心より歓迎しますぞ!」

 誰ですかな、この方は。かなり裕福そうな身なりだ。大名の1人なのか? なんかただならぬオーラが感じ取れる。只者ではなさそうだ。油断は出来ないな。

「団長さん、あ、元団長さん。もう戻られていいですよ。新しい場所にも早く慣れて、また1からの人生頑張ってください!」


「ありがとうございます! 私の罪を見逃してくれたのみならず、今よりも素晴らしい環境を提供してくれて、本当に感謝しています。」

 なんか、この団長さんさっきまでの人とは全くの別人みたいだ。罪を見逃す? 新しい環境とはなんなのか。詳しく話を聞いた方が良さそうだな。

「あなた、余計なことを喋りすぎです。早くおゆ来なさい。さもないと、今までの話はなかったことにしますぞ。」

 滅茶苦茶に慌てて出ていった。そんなに大事なことなんだろう。こんなことが出来るのなら、かなりの権力者なのだろう。何故こんなことをしているのかも気になる。


「さぁ、やっと2人きりになれましたね。早速ですが、貴方が神というのは本当の話なのですか? 本当なら何故、こんな所に居るのでしょう?」

 俺が神だってそんなこと言ったかな? あ、あの時団長に言ったな。あいつから聞き出した情報か。

「あと、一気に質問して悪いのですが、この世界の神はカラノ様で、カラノ様がもう居ない、というのはどういう意味ですか?」

 本当に結構な量の質問してくるなぁ。悪いと思ってるならすんなよって話だよな! まぁ、答えてはあげましょうか。

 ボクちゃん優しっ!


「俺が神だと言うのは本島だ。このエルフの国に居るのは、何となく、見に来ただけ。新しく、この世界を担当することになったから、色んな国を回ろうとな。カラノがもう居ない、というのは、さっきも言った通り、俺がこの世界担当するので、もう居ないということだ。」


「フーン、そういうことですか。実は言いますと、私がカラノなんです。」

 え、マジで。俺は、先輩の神様にこんなタメ口で偉そうに喋っていたのか? めっちゃ恥ずいわ〜

「と言ったら、どうしますか?」

 うわ、びっくりしたぁ! 驚かすなよ。性格悪いなぁ。

「何故、下界にいるのかと、聞くと思います。」


「ほー、そうですか。まぁ、本当なんですけどね。その質問に答えると、上界には、天界と神界の2種類がありますが、それの反対、地界には、地獄と冥界があるのです。その冥界の最高権力者、冥王によってこの世界に閉じ込められてしまったのです。

そこでお願いなのですが、この私にかけられてしまった呪い、貴方が解いてくれませんか?」

 え、そんな設定が。いや、設定じゃねぇや。現実だよな。冥王が関わってるなんてなんかヤバそうなんだよなぁ。

 これを解決できれば、カッコイイし、失敗すれば、魂ごと消されちゃいそうだし、、、


「どうですか? やってくれますか?」

「少し、考えさせて下さい。治神(魔裟斗)様と相談してみます。」

「そうですよね。直ぐに決断なんかできませんよね。それでは、この世界の時間で明後日の正午に、この場所で会いましょう。」


 変なことに俺は巻き込まれやすい体質なのかなぁ。また、厄介なことになってしまった。とりあえず、神界に戻って、魔裟斗の野郎に相談しよう。あいつの言ってることが、本当かどうかも分からないしなぁ。


 ―――――ようし、神界、馬鹿信徒会(フーリッシュ・ダァム)の目の前だ。いつ聞いても、変な名前よなぁ、この神殿。

「「頼もぉぅ!」」

 え? マルタさん? めっちゃハモったぁ!

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