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新しいバイト 始めました!  作者: ミドル
6/10

05 可愛いお名前

「たのもぉー!」

 !? びっくりしたァ! え? 俺の心の叫びにびっくりしたって? すみません、、、

 今更だが、この部屋にドアがあったんだなぁ。!

「アラモス殿はいらっしゃるか! ん? 貴様は誰だ?」

 え? 俺? 俺は西山薫36歳だぜっ。言葉にしないと伝わらないよね、そうだよね、、、

「ここの神様、えぇとアラモス様から雇われました、西山薫と申します。」

「雇われた、と言うと?」

「バイトとして、アラモス様の代わりに、この世界を経営しておるということです。」

「クソっ、あいつはまたさぼっていたのか。探しに行かねば。ちょっとお前もついてこい!」

 

 何故、俺もついて行かなければならないのか。

 そのような疑問を持ちながらも、俺はこいつについて行くしかないのだ。

 あ、こいつの自己紹介を代わりにしてやろう。

 こいつの名は、マルタ。とってもキュートな、名前だろう? でも、本人の目の前でその事を言うと、殺されるから気をつけろよ?

 マルタは、あのへぼ神と同じ階級神武らしく、あ、神の階級についてを説明しないと。神は、神武>神宙>神河>治神(シュプリーム)というふうに、階級が振り分けられているらしい。

 神武が最も最下層の神だということだ!

「勝手に私の紹介をするなぁっ! というか、なんで知っておる?」

 ハッハッハ! 運営はなんでも知っている! メタいこと言うなって? 俺は常にメタ発言をしているのさぁっ!


 どうこうしているうちに、なんかとてつもなくデカい建物に連れてこられたんだが。外装は、人間界で言うサン・ピエトロ? って感じかな。分かりにくいか!

 内装はと言うと、、、もういいって? 最後まで言わせてくれよぉ。

 意地でも最後まで言う。壁全体が白く、天井には、どこかの神殿にありそうな装飾が施されている。人間界で言うと、モン、、、なんだっけ?

「ふざけているでないっ! ここは、治神の魔裟斗(まさと)様がいらっしゃる、大神堂馬鹿信徒会(フーリッシュ・ダァム)だぞ?」

 なんとも日本人っぽい名前だなぁ。子供っぽい見た目だし。それにしても大神堂の名前が酷すぎる。フーリッシュも、ダァムも英語で馬鹿に近い意味だったはず、、、


「おお、マルタではないか。ん? その者は誰だ? アラモス殿を連れて参れと申したはずだが。」

「はい、申し訳ありません。アラモス殿は、既に逃走していたらしく、この者が雇われて、《地球》を運営しているそうです。」

「ほう、その雇われた者。名はなんという?」

 雇われた者ってやめろっ! なんか変な感じがする。そなたとかで良いだろ!

「西山薫と言います。以後、お見知り置きを。」

「ほう。《地球》の日本とかいう国の人の名前に似とるなぁ。しかも、人間臭いのは何故だ? まさか、下界から連れてこられたりしてないだろうなぁ?」

 は! 見た目とは裏腹に、鋭いなぁ。人間というのは言っといた方がいいのか? 言って下界に戻されても困るし、、、


「あのぉ、マルタ様には席を外してもらいたいのですが、、、」


「何故だ?」

「魔裟斗様に大切なお話があるのです。駄目ですかぁ?」

「まぁ、いいだろう。マルタ殿はもう行っていいぞ。」

 よし、これで邪魔者はいなくなった。


「とても大切なことなのでしっかり聞いてください。実は私、魔裟斗様が(おっしゃ)った通り、下界から連れてこられた人間なのです。」


「え、もう1回、言って貰えないか?」

「何度でも言いましょう。私は、下界から連れてこられた人間なのです!」

「じゃあ、戻してあげましょう!」

 そう来ると思っていた。ここは条件攻めをしよう。商売の基本だ。

「こうしましょう、アラモス様は、仕事をちゃんとしない方なのでしょう。代わりに私が素晴らしい仕事を成し遂げてみせます。なので、私を下界には戻さないでくれますでしょうか?」


「うーん、そう言われてもなぁ。」

 よし、あと一押しだァ!

「アラモス様の分まで精一杯頑張りますので。」

「まぁ、いいだろう。その代わり『地球』は、他の神に任せる。ニシヤマは、魔砕(パルヴァライズ)という世界を担当とする。」

 え、何その世界。でも何だかオラワクワクスッゾ!

「この世界はニシヤマの世界で言う、中世くらいの文明レベルだ。初めての神にはこれくらいがちょうどいい。」


「とりあえず、摩砕に行ってみるといい。」


 ―――――はい、やって参りました。摩砕ですぅ。いつ聞いても、厨二病チックなんだよなぁ。

 今、俺が降り立ったところの近くには、右に森、左に村がある。村に行く以外にやることは無い。

 

 1つ予想外だったことがある。村が壊滅状態だったことだ。一体何があったというのか。あ、魔裟斗の野郎にこの世界の事情を聞いとくべきだったな。


「ZZz… ZZz…」

 こんな壊滅状態だと言うのに、呑気に眠っている奴がいる。どんだけ神経が図太いのか、、、え? お前が言える立場ではないって? 気にしない、気にしないっ!

 こいつを起こして事情を聞くとするかぁ。

「おい、そこのお前。おい、起きろ!」

 どれだけ揺さぶっても起きないとは。俺より酷いな。こうなったら力ずくで。


  バチンッ!

 思いっきり、平手打ちをしてみた。!? これでも起きないとは。ある意味才能だな、これは。

 なら、


  ボォォォォア!

「アッチィー! なんだ、なんだ! 魔物の襲撃かぁ!? ん? あんたは誰だ?」

「それは知らなくていい。それより、この村はどうしたんだ? なんで壊滅してるんだ?」

「そ、それは、オラがうっかり爆発させちまったんだ。」

 爆発? 今の科学レベルじゃあ、爆発はそう簡単に起こせないはず。魔法かなんかがあるのか?

「爆発? どうやって?」

「爆発って言ったら魔法しかねーだろ? それ以外に何があるって言うんだ?」

 やっぱり魔法があるのか。かなり厄介な世界かもしれないな。

「何故、爆発してしまったんだ?」


「オラが寝ている間に魔物が襲撃してきたってんだ。村のみんなから言われて、殲滅してくれって。オラがこの村で1番強いからなぁ。だからいいとこ見せようと張り切ってたら、こうなっちまっただ。」

 うん、馬鹿だ。断言出来る。

 そしてこの世界について色々なことをこの馬鹿から聞いた。馬鹿でも、この世界の事情は分かるらしい。

 この世界には、3人の魔王がいるらしい。この世界の1/3を魔王の3人で均等に土地を分けて、治めているらしい。その他は、人間、エルフの領地らしい。

 だが、魔王の中の1人、ミラニスがでしゃばり始め、人間の領地にも、魔物が攻めて来ているのだとか。

 RPGみたいな世界観だ。

「1人でぶつぶつ言って、どうしたんだ?」

 どうしたもこうしたも、画面の前の皆に向けて言ってる以外に何がある?

「とりあえずオラは寝るぞー。おやすZZz..」

 寝るの早っ! 俺でも10秒はかかるぞ! それでも短いって?え、俺ってそんな早いのぉ!?

 神界に戻りますかぁ!


 ――――はい、戻って参りました、白い部屋。この白い部屋は、各世界にひとつあるらしい。

「なんでやねん!?」


 うわ! 久しぶりに聞いたわ、そのツッコミ! やっぱり意味が分からんわ。

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