1.5 : 幕間 (1)
話の都合上、1.5と云う微妙な数になっています。解り辛くてすみません……汗
眠りから覚めた少女は、冷え切ったリビングの床で小さく丸まっていた。
眠っている間に、何やら夢を見ていたようだ。
どんな夢だったかは思えれはいないけれど、少なくとも今よりは幸せだったような……。
12月だというのに、少女の居る室内には暖房すらない。
たとえ存在していたとしても、彼女がそれを使う事は無かっただろうけれど。
外気とさほど変わりないのではないかという程の寒さに凍えながらも、少女は辛うじて納戸から見付けて引っ張り出してきた薄手のタオルケットに包まる。
住宅街では人通りもまばらになって来たクリスマスイブの午後、突然隣家のドアチャイムが鳴った。
クリスマスケーキの宅配のようだ。
ケーキ屋のアルバイトらしき青年が、玄関から飛び出して来た小学校低学年くらいの男の子に赤いリボンの付いた大きな白い箱を手渡していた。
青年は真っ赤な服に白髭を付けた格好をしている所為か、子供に家の中へ入ってとぐずられている。
本物のサンタクロースに間違われたようだ。
辺りの静けさのせいだろうか、彼らの楽しげな会話がやけにハッキリと聞こえて来る。
クリスマスなんて、嫌いだ。
少女は改めて思った。何を願っても、叶った例しがない。
今まで少女がどれほど願っても、彼女の本当の願いが叶えられたことはなかった。
ケーキに立てたロウソクに、どれだけ真剣に願って吹き消したとしても。
サンタクロースに、他には何もいらないから、とお願いしたとしても――。
午後になって少し日が傾きかけたからか、室内に居ても気温が下がっていくのがブランケット越しに感じられる。
少女は小さい体をさらに小さく丸めてから蠢くような仕草でのどを潤すと、力の入らない手で体温を逃がさないようにブランケットの端を握りしめた。
いつの間にか、隣の玄関から声しなくなっていた。
サンタのバイトが帰ったのだろう。
どの道サンタクロースなんて存在しない。そんな事は彼女自身が身を持って経験していた事。
今はそんな事よりも、少女はただ寒さを凌ぎたいと思った。
人間どんな時でも寒さを感じるものなんだな……
少女は自嘲気味に嗤って、また浅い眠りに就こうと静かに目を閉じた。
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