暖かさ
GLは初めて書いたので、これでいいのかさっぱりりんご酢の様な感じです。
初心者が書いておりますので、「あ、これアカンやつや」と微塵にも思った方は閲覧をお薦め致しません。多分、仲良くしているだけにしかみえません。贋作ですすみません。
秋の冷たくも清々しい朝風に身を震わせ、通学路をただ真っ直ぐと進む明弥音七彩は首に巻いた橙色のマフラーに顔半分を沈め、変わらぬ道を歩いていた。
「うぅ…寒ぅ…ったく、なんでこんな寒いのよ…」
と誰に向かってでもない愚痴を吐いていると、後から軽快なステップを踏みながら、こちらに向かってくる足音が聞こえる。だんだんと足音は大きくなり、突然何か重い物が体に伸し掛ってくる。それに驚きながらも、その正体を知っている七彩にとってはまたかと思うしかなかった。
「なーのはっ!おっはよぉーう!」
「はいはい…朝っぱらから元気ね、あんたは…」
気力が抜けた七彩とは正反対に、明るく元気に挨拶をしてきたのは、奏林結花だ。彼女は七彩の友達であり、恋人である存在、つまり、七彩と結花は互いに好かれ合い、同性だと言う事も忘れた相思相愛の仲である。
「今日も寒いねぇー!」
「あんたは寒そうに見えないけど?」
七彩が呆れた声色で結花に聞くと、満面よ笑みで七彩を向き、
「だって七彩が居るんだもん、寒くなんてないよっ!」
と言う。その答えに七彩は溜め息をついた。どうしてこうも単純である彼女に魅力があるのだろうと思い、ついた溜め息だった。七彩はそのマイペースながらも明るく楽しくしている結花が大好きなのだ。
その時、一際強い風が前方から吹き、二人はその場に留まる。風が止むと落ち葉はカラカラと音をたてて足元を過ぎて行く。
「もぉ…風強すぎなんだって…ックシュン!」
「大丈夫っ!?風邪?風邪引いてんの!?」
「くしゃみが出ただけよ…大袈裟じゃない?」
ただくしゃみをしただけで、結花はこれ程焦る。そんなにも七彩を思い慕っている、そう感じれると思うもやはり大袈裟だなと内心呆れている。
「あっ、そうだ!」
そう言って結花は左手用の手袋を七彩の右手に嵌め始めた。
「ちょっちょっと!何してんの!」
驚いて咄嗟に手を引くと、結花はニコニコしながら両腕を後ろで組んで七彩を見つめる。
「手が寒そうだったから、手袋を付けてあげたの!暖かい?」
「ま…まぁ…暖かいっちゃあ暖かいけど、これ左手のやつだよね?何で右に着けたの…?」
戸惑いながら七彩は自身の手袋を嵌められた右手を見つめると、結花はその手を掴み、自分の左手をその手袋に詰め込んだ。
「わわっ、何してんの!」
再び七彩が驚くと、結花は悪戯に、
「こうすれば、暖かいでしょ?」
と微笑んだ。
「ん…そうね…確かに暖かいかも…でも…こうすれば…」
と七彩は手袋に嵌った左手をモゾモゾ動かし、向こう側にある結花の掌に自分の掌を合わせ、そっと指を絡ませる。その思わぬ行動に流石の結花も驚きを隠しきれない。
「この方が、もっと暖かい」
「そ…そーっすねぇ…。ふふっ、あったかーい」
二人の体温は小さな手袋の中で保たれ、肌寒い秋の風もこの暖かさには勝てなかった。
手袋は二人の手でいつの間にか丸い形をしていた。
ここまでのご閲覧誠に感謝申し上げます。初めてnarouに小説を上げた訳ですが、初めてがGL系(?)で良かったのか自分でもよくわからんのです(困)何か不純な点や誤字脱字、「ここおかしいぞオラァ!」etc.ございましたらコメント、又はTwitterの方でお願いします。
短編物と記載しましたが、リクエストがあればまた書きます(多分)