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リベンジワンズアサシネーション  作者: 阿木津 秋水
第一接触(ファースト・コンタクト)
6/27

act"2任務受注

総隊長から呼び出され、隊長室へ向かう途中、エリカとすれ違ったが、エリカは何故か腹を立てているようだった。


「エリカ、何かあったのか?」


エリカはこちらに気づいてもなお苛立ちを抑えられないらしい。


「なんなのよ!あの男‼︎何様なのよ⁉︎」

「…な、何があったんだ…?」


そう言われてようやく我に返ったらしい。


「あ、こんなことハイネに言ってもしょうがないよね、ごめん…。」


急にしおらしくされると困る。


「いや、別に構わないんだが、何かあったのか?」

「ハウンドって、任務以外の時は3人で行動するでしょ?さっきその通達、ハイネも見たでしょ?」

「ん?あぁ、まあ一応目は通したが…何か不満だったのか?」

「不満も何も、私達の班のもう一人が誰だと思ってるの?公爵の息子よ?」

「…何か問題でもあるのか?」


エリカは顔を真っ赤にして怒鳴った。


「顔合わせで早々何言い出したと思ってるの?いきなり私に『僕の嫁にならないかい?』なんて言ってきたのよ?お断りよ‼︎そんなの‼︎冗談じゃないわ‼︎」


確かに、エリカは容姿が目立つ、もともと人数が少ない中でも特に目立つ…実際幼馴染だったという理由で俺も他の隊員から睨まれることがある。


「…それはまた、災難だったな。」

「ちょっと!災難なんてものじゃないわよ!私達と同じ班なのよ⁉︎どうなるか見え見えじゃない‼︎」

「わかった、それはわかったから…とりあえず落ち着け。」

「え?…あ…うん…ごめん…。」


エリカは顔を真っ赤にして俯いてしまった。

その時、隊長室の扉が開き、中に入れと促される。


「ハイネ・デルフィニウム少尉、入室します。」


隊長室には、隊長の他に、もう一人ハウンドの隊員がいた。


「今回から正式に君と同じ班に編入されるマルコ・リムナンテス少尉だ、よろしく頼むよ。」


そう紹介されたマルコは高々と名乗りあげた。


「先程紹介された、マルコ・リムナンテスだ、よろしく、成り上がり君。」


マルコのその言葉に俺は眉を潜めた。

なんだこいつ…何様だ?

苛立ちが俺の中からせり上がってきたが、それを抑えて握手をする。


「ハイネ・デルフィニウムだ、よろしく。」

「まあ、とりあえず仲良くやってくれ。」

「…了解しました。」


マルコは得意げな顔をしていた。

…なんだ…?無性に腹が立つのは俺だけなのか…?頼む、誰か教えてくれ、俺の感覚はおかしいのか?正しいのか?

自分でも何を考えているのかわからなくなってきた。全く、調子を狂わされるな。


「それはそうと、今日君をここに呼んだのは別件だ。」

「別件…ですか?」


隊長が口を開こうとしたのを遮るようにマルコが喋り出した。


「光栄に思うといい、君は明日父が開催する僕のハウンド入隊記念のパーティーの護衛を任されたのだよ!」

「…まあ、そんなところだ。」


…いいよな?俺はこいつを殴ってもいいよな?


「…護衛、と言いますと、リムナンテス公爵の護衛ですか?」

「ああ、それだけでなく会場の警備も任せたい。」

「了解しました。」


…やれやれ、ハウンドは下っ端の仕事までやらなければならないのだろうか…?

俺は押し寄せる倦怠感を堪えて了承の意を示した。


「…それでは、失礼します。」


隊長室を出ると、エリカが待っていた。


「…ハイネ…怒ってる…?」

「いや、大した事ではないんだ…大した事では…」


エリカも何のことなのか気付いたらしく、険しい顔をした。


「…会ったのね…。」

「…なんなんだ?あいつは?」


…認めたくないが、奴は俺たちの班に所属する隊員だ。


「あぁ、そう言えば、何で呼ばれてたの?」

「あぁ、公爵が明日の夜に開く奴の入隊パーティーの護衛らしい。」


エリカは顔を曇らせ、不満であることを俺にありありと示した。


「任務だから仕方ないさ、切り替えて行こう。わざわざ腹を立てるのも馬鹿馬鹿しい。」

「…そうね、切り替えるしかないわね、必要なら無視すればいいだけだし…」


…今さらっと酷いこと言ったような?気のせいか?


「とりあえず、任務の内容だけ確認しておこう。」


エリカに任務の内容を説明するついでに自分も内容を確認しておくことにした。

任務は先述した通り、パーティー会場の警備、及びリムナンテス公爵の護衛が主となり、ハウンドからは俺、エリカ、マルコの三人が向かうことになっており、俺たちは向こう側ですでに待機している一般の衛兵を率いての警備となるらしい。


「これが任務の内容全てだな。」

「なるほどね〜、現地で人数合わせするってことね。」

「あぁ、とりあえず、俺たちで指揮を執ろう、あいつはどうもダメな気がするんだ。」

「受け持つ人数が増えるけど、それには賛成ね、マルコは自分のためにしか人を動かせない感じに見えたし。」


エリカが言うのが速いか隊長室の扉が開くのが速いか、隊長室の扉が開き、マルコが出てきた。


「やれやれ、困るなあ、これでも僕はハウンドなんだ、指揮を執るくらいわけないさ。」


仕方ない、三人で衛兵の指揮を執るしかないか。

うんざりしながら俺は三人で式を執るために配置を考えた。

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