『真っ赤に染まったモノたち』
この話はフィクションです。
登場人物や登場組織名は、架空のものであり、実在する名前、組織名とは、一切関係ありません。
どうぞ、お楽しみください。
真っ赤な薔薇が咲き誇る。
闇の中を白い光が一閃する。
血飛沫。血のニオイ。
静寂を破るベルの音。
沢山の足音。そして声。
「ボス!大丈…ゔぁっ‼」
ベルの音を聞いて駆け付けた者達は、次々と倒れていく。
銃声。叫び声。絶え間なく響く。
全てが終わるまでに、そう時間は掛からなかった。
闇には光が差し、夜は朝になる。
周りには幾百もの屍体。
屍体。屍体。屍体。屍体。屍体。
そして血のニオイ。
それは、最初よりも強くなる。
「火を放ち、証拠を消す。死体の始末もできるしな。ただちに、全員外に出ろ。ラウル、全員が避難出来次第、此処に火を放て」
「分かりました…ボス」
よく響く女の声と男の声。
そして火は放たれる。
屍体の脂の溶ける音。
微かに息のある者の呻き声。
それは、次第に強くなる業火によって掻き消された。
そして、薔薇の花びらが散ってゆく。