表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

エルフくん

配達のエルフくんとりょーくん

「りょーくん!りょーーくーん!時間無いよ!早く早く!」

「ごめん。ちょっと同僚の話が長くてさ」

「もう。しょうがないんだから。行くよ」


「ぼくエルフくん。よろしくね。今日も配達があるんだ。相棒はいつものりょーくん」

「どうも。りょーくんです。オジサンですけどよろしく」

「いつもより遅くなっちゃったけどまだ間に合うと思うんだ」

「事故らねえように気をつけなきゃ」


「あちゃー事故か」

「りょーくん間に合わないよどうしよう」

「ちょっと見てくるわ」

「あっ待ってりょーくん。行っちゃった。荷台(荷物)が冷えるとまずいから少しぶんぶんして待とっと」


 交差点で単独事故のよう。慌てて救助活動に飛び出したりょーくん。何も出来ないからせめてと荷台を温めるエルフくん。


「おい。返事しろ。おい!ダメだ意識が飛んでる。脈は。。あるな。いいか!今から救急車呼ぶからな。気がついたら指を握り返せ」


 事故を起こした運転手は、意識がないようだが心臓は動いているのが確認された。すぐに救急車を要請する。


「救急車ですか?消防車ですか?」

「あ。えと、あっハイ。救急車です。事故です。車の単独事故です」


 電話が苦手なのか戸惑ったやり取り。


「場所は、えーっと」


 目立つ建物や地名が今ひとつなため。


「切り株町の菓子の樹坂の信号のない交差点で、あっハイそこです。ハイ。よく事故が起きやすいところです。ハイ。そこで、車の単独事故です。意識はありませんが、脈はあります。私は、配達の途中ですので、救急車が到着したらすべてお任せしますので。ハイ。お願いします」


 オペレータは、今向かっていると冷静になるように早めに伝えてくれる。救急車が来るまで居残ると伝える。


「おい!痛いところはあるか?返事してくれ!」


 返事がないただの


「今救急車を呼んだからな!助かるからな!待ってろよ!隊員が来るまでここにいるからなお前一人じゃないからな!!」


 返事がないが、ひたすらに声をかけて励ます。


「りょーくん。偉いなぁ。励ましてる。はやくキューキュー車来ないかな」


ぱーぷーぱーぷーぱーぷー


「来た!りょーくんきたよー」


エルフくんの顔の方から来たので、パッシング(おめめパチパチ)して場所を伝える。

もうひとりいれば、手を振るなどの動きで伝えられるのだが、エルフくんとりょーくんだけのためエルフくんが気を使い、パッシング(おめめパチパチ)して伝えた。


「来たな。聞こえるか?救急車が来たぞ。助かるぞ勇気を持ってくれ」


必死の呼びかけをしてると救急隊員がやってくる。


「こちらの方だけですか?」

「ハイ。声をかけ続けてますが反応はありません。脈はあるのと体温を感じます」

「わかりました。では交代します」

「申し訳ありませんが、配達の途中なのですが離れても」

「はい。問題ありません。ご苦労さまでした」


 走り乗り込む。


バン


「りょーくん。ご苦労さま。荷台(荷物)温めといたよ」

「すまない。助かる。じゃあ行こう」

「遅れたのは工場に伝えたからね」

「すまないね。助かるよ」


 工場から配達先に連絡が行ってると思われる。


ぶぅん

ぴーぴーぴーぴー

ぶるるん


 走り終えた後のクーリングダウンをしたいところだが、アイドリングストップ(内緒に)しないと注意されるためエンジン(お口チャック)


「遅くなりました。申し訳ありません」

「いえ。連絡いただいてますので大丈夫です。まだ時間ありますので」

「では、降ろしますのでお願いします」


 ここは、学校。学校の給食を届ける仕事をしている。給食センターで作った給食を寸胴ずんどう番重ばんじゅうなどに入れたのを運ぶ。当然、エルフくんは口出ししません。


「どうされたんですか?サイレン鳴ってましたが。関係ありますか?」

「ええ。まぁ。ついその先で、んしょ。車の単独事故がありまして。救助活動してたんです」

「まぁ!立派ですね」

「いえ。職業運転手なのであたり前のことをしただけで」

「それで、助かったんですか?」

「意識はなかったんですが、よっと。脈はあったので、隊員さんと代わるようにこちらに来ました」

「まるでヒーローですね」

「そんな」

「名前も告げずに立ち去るなんて」

「急いでたので」


 学校の教師たちは、ヒーローだと持ち上げるようにキャッキャウフフ。


「これで最後ですね。では、次行きますので失礼します」

「ご苦労さまでした。お気をつけて」

「ハイ。また回収に来ます」


バタン

ぶるるん


「ぷはぁ。やっと声出せる」

「おつかれさん」

「うん。先生たちとお話してたね」

「うんまぁね。ヒーローって言われたよ」

「似合う!」

「いや、当たり前のことしただけだから」

「それでもサッと飛び降りて駆けつける姿はヒーローだったよ」

「いや、本当に当たり前のことをしただけなんだって」


 今日もエルフくんとりょーくんは仲良く助け合って配達をするのでした。


お久しぶりです。エルフくんシリーズ。

夢に出てきたのをそのまま書きました。


今回は、2tサイズのトラックで給食を配達するふたりでした。

救助活動ですが、職業運転手の人なら誰でもやってることです。

車の免許を取るのに今は絶対に講習を受けないといけませんからね。

人工呼吸のための直接口に付けなくても良いラバーのようなのがあったりします。


見て見ぬふりはしてはいけないので、事故現場を見て誰も居なければ容態ようだいと脈くらいは見てください。それを救急隊員に伝えるだけでも違います。事故の瞬間を見ていたらそれも説明するとよいですので、めんどくさがらずに助けようとしてください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ