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イベリスの鎖  作者: Amit Tsu
追加エピローグ
32/33

春を知らないイベリス


誰もいない庭に、白い花が咲いている。

細く、か弱く、けれどどこか誇り高く。まるで、誰かの記憶を忘れまいとするように。


それは“イベリス”――「心を惹きつける」「甘い誘惑」「初恋の思い出」という花言葉を持つ花。


誰も気に留めないようなその花のそばに、ある日、一通の手紙が風に揺れていた。


《君が見た世界が幻でも、私は信じたい。あれは、確かに“愛”だったと。

 そして、私はもう、鍵を閉じたまま進むよ。君が愛した“私”としてではなく、

 本当の私として、生きていく。》


手紙には署名はなかった。


けれど、イベリスのそばには、かつて誰かの胸で輝いていた、ひとつのペンダントがそっと置かれていた。


それはもう、何も開けない。ただ、記憶を閉じ込めたまま、そこにあるだけ。


――春を知らずに咲くイベリスのように。

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