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異世界に賭けろ! ~そこは物価高騰の日本を救う理想郷?~

作者: 和泉守@m

「よう先にやってるぜ」


 片手でグラスを掲げ、男が連れを迎えた。

 時刻は午後9時過ぎ。仕事帰りの人で賑わう時間帯で、場所は都内の落ち着いた酒をたしなむ雰囲気の店である。


「相変わらず無品(むじな)はんは早いお着きで」

「たまに同期が顔を合わせるんだ。どんな不景気なつらをしてるか見たくってな」


 無品と呼ばれた男は精悍な顔つきで、やや斜めに構えた物言いでそう答えた。


「それより多貫(たぬき)そのエセ関西弁はいい加減やめろ」

「壁に耳ありと言いますやろ?わてらの立場だと、これくらいの用心はせんと」


 多貫と呼ばれた男は、ふくよかな顔に笑みを浮かべ冗談気味に返す。


「フン…それより木常(きつね)の奴は?」

「大臣にレクチャーしてから来るはず…とゆうた傍から来た様やな」


 入口から先に来ている二人を見つけ、もう一人の男がやって来た。木常と呼ばれた男は、細身で神経質そうな顔をして二人を見ている。


 この会合に集まっていたのは中堅の役人で、歳の頃は40代の働き盛り。務めている役所こそ違うが同期であり、定期的に集まる事で情報交換などもしているのである。


「よう…木常の所は相変わらず大臣の無茶振りか?」

「国民に一番直撃する問題だからな、物価問題は」

「物価の高騰は色々要因がありますさかいな…」

「人手不足による人件費の高騰、世界状況の悪化による資源高騰、円安による価格差…僕の所だけでは、対応が追いつかない話なんだがな…」

「まあまあ、木常はんもひとまずテーブルにつきなはれ」


 店について早々、酒を飲まないうちから仕事上の愚痴がこぼれる。とは言えそれはこの国を何とかしたいという思いの裏返しでもある。しかしながら、勤務時間外にまで話題にするのは、昨今の事情からすればどうかとも思われる。


「まずは互いの息災を祝って乾杯といきまひょか」

「それもそうか…先に来た無品は飲んでるようだし」

「フン…面倒な話で不味くなる前に酒は飲んでおくもんだ」


 乾杯の音頭もそこそこに、各々グラスを掲げた。


 その店は酒と歓談を楽しむ場であり、落ち着いた雰囲気が客に人気がある。別段綺麗なお姉さんが居るお店ではない。心地よい時間を楽しむという、贅沢を求めて客はやってくる。

 暫くは他の同期や世間の話題にも花を咲かせたが、性格なのかはやり話題は仕事の内容に踏み込むことになり、いつしか先ほどの話題に戻っていた。


「今抱えてる物価高騰対策…一般論として価格は需要と供給ですさかい、安い商品や原材料が大量に入ってきたら落ち着きますやろか?」

「ハン!海外じゃあらゆるものが争奪戦だ。高値で買えるならマシな方で、モノに拠ったら、買い負けして手に入らん物も出てくる」

「かと言って、慌てて値段交渉すれば足元を見られる」


 酒場という事もあり、具体的な政策話は避け基本的な認識の確認に終始する。


「物価の中でも生活費関連がやはり関心が高い。食料や電気ガス…これを何とかしたいと言う思いは役所内でも強いな」

「ならまずは食糧の自給率でっせ。安全保障の観点からも」

「だが国内で自給できても米余り…見事に需要と供給の不一致だな」

「極端な例をあげんといてや…まったくその皮肉な物言い、なんとかなりまへんか無品はん?」

「お前がエセ関西弁を使ってるのと同じ。そう言うキャラを演じてるのさ」

「木常はんは…裏表のないキャラでしたな」

「僕はこれが素だが?」


 愚痴をこぼしつつも、お互い暗くならない様冗談を混ぜつつ掛け合いを楽しんでいる。酒の飲み方にも気を配るのは経験によるものだろう。木常が話を続ける。


「米と言ったら、職場の若い職員は自宅では食べないと言っていたな」

「米は調理が手間やし。炊くにも後の釜洗いとか面倒でっしゃろ?小麦はパンやら麺やら、出来合いの物を買えば済みますさかいな。そっちの需要ばかり増えますわ」


「その小麦も海外産は高騰している…原因はあえて言わないが」

「パンが無ければ米を食えば良い」

「いや、今はそんな食えればそれでええ、と言う時代やおまへんし」


 政治的な話題に振れたかと思うと、脱線を繰り返しつつ彼らの会話は続く。根本的な解決策を求めるのではなく、ちょっとした会話のやり取りは一見無駄に思えるだろうが、何かに繋がる事もあるのである。


「家で米は炊かんか…俺の娘もご飯が炊けるかと聞いたら、パックを温めると言ってたな…料理は出来なくとも、出来合いの物を買えばいいとか」

「無品はんは案外子煩悩やな」

「ひがむな多貫」

「わては優雅に独身を謳歌しますさかい」


 同期と言う付き合いの長さから、どこまで軽口を言っていいのかを心得た会話が続く。先輩や後輩だと、たとえ一年の差でも気を遣うのである。


「しかしこうなってくると、物価高騰の特効薬が欲しい所ですわ…不謹慎やろうけど植民地でもあれば安い物が入って来ますやろ」

「今の時代は無理な話だな」


 田貫の冗談に木常が真面目に答える。互いを知っている仲であるこそ、話が白けず続くのである。これが初対面同士だと、過激な話と白ける返事となるところだが。


「どうせ絵空事なら、異世界と貿易する方が夢が広がるぜ?」

「なんだそれ?」


 無品の発言に、木常が戸惑いながら質問する。


「仕事も良いが、発想の転換に小説ぐらいは読めよ」

「歴史小説や経済小説は読んでるが?」

「お堅いでんな木常はんは。多貫はんがゆうとるのはファンタジー小説とかとちゃいますか?」


 子供とコミニケーションを取るため、最近読んでいる小説のジャンルの事をかいつまんで無品が説明する。多くの場合現代から何らかの理由で(多くは事故死)異世界に転生(あるいは転移)して、特殊な能力や前世の知識で活躍する物語が、随分前から読まれている。


 その異世界は、大概が中世や産業革命前の近代といった、現代日本とは数段文明が劣る舞台となっており、現代知識や商品・技術を使って大活躍するなどなど…


「まあ、中には現代農法を広めて救国の英雄になったりと、伸びしろがある黄金郷な訳さ」


 異世界があれば、日本の問題のいくつかは片付くと、無品が講釈を垂れる。

 酒が進み、ある程度酔いが回ってきているが、冗談とも本気とも言えない会話が続いた頃、そんな三人へ声がかけられた。


「お話宜しいかな?先ほどからの話を聞いておると、食料の高騰で苦しんでおられるとか…ワシがお力になれるかもしれませんぞ?」


 三人が一斉に振り向く。そこには貫禄と威厳のある年配…見ようによっては初老とも思える人物が微笑んでいた。しかも日本人離れした彫の深い顔立ちで、異国の人間を思わせる。


 仲間内で飲んでいるときに、見知らぬ人物が話に入ってくる事を嫌がる人も居るだろうが、役人ともなると人脈の大切さを知っており、失礼のない様に木常が対応する。


「失礼ですが…初対面ですよね?」

「これは失礼…ゼオリア王国の王子でカタリンと申すものじゃ」

「ちょっと待て!ゼオリア王国なんて国はないぞ!?」


 無品は職業柄世界情勢を収集しており、目の前の人物の身分を嘘であると断じだ。口は悪いが、無品の能力は評価している二人は即目を合わせ、目の前の人物の真意を測ろうとした。

 彼らの動きを察し、目の前の人物の警戒を解こうと、カタリン王子はゆったりと説明を始めた。


「ワシは先ほど君ちが話していた、異世界から来た者じゃ。だから知らん国と言うのはもっともじゃな」


 好々爺とした語りに毒気を抜かれたのか、三人はひとまず警戒の度合いを下げた。しかし直ぐに納得する訳でもなく、様々な疑問が沸く。


 曰く、淀みなく流暢な日本語をしゃべり発音が完璧すぎる。曰く、王子と言うには歳をとり過ぎている。曰く、何故三人に声をかけて来たのか等々。

 挙句に年配者を立たせたままに気が付き、慌てて席を進める始末で、彼らの動揺が見て取れるのであった。


「色々な疑問はもっともじゃな…なれば世界の成立から話さねばならんな」


 科学で解き明かされている、地球の成立とは別の伝承を王子は語り始めた。


 この世界の地球と異世界はもともと同じ神が作った世界で、自由に行き来できる環境にあった。しかし、地球の文明が発展するにつれ、様々な争いが起こり、争いが絶えなない世界に神が失望し、自由に行き来できる次元の道を閉ざし、それぞれの世界を封じる事になったのだ。


 一方異世界ではゆったり時間の流れる世界で、魔法が使えるおとぎの国の様な環境を神が与えているのである。とは言え互いの世界は似たような環境で、動物やら植物に共通したものも多数あり、次元の往来で生活に困ることはそう多くない。


 ちなみに王子の歳はそんなに召しておらず、昭和の日本人で貫禄ある人物が居たように、生活環境の差から老けて見える様である。


「だからワシが流暢に、この国の言葉をしゃべれるのも、魔法のおかげという事じゃな」

「魔法…ですか?」


 慎重な木常がそう問いただした。


「魔法ゆうても、にわかには信じられまへんな。なんかおもろい魔法でも、見せてもらえますやろか?」


 論より証拠とばかり、多貫が王子に頼んだ。ファンタジー小説を愛好している無品は、事の成り行きを楽しそうに見ている。


「では光の魔法など…」


 王子がそう言うと呪文の詠唱が終わる。すると落ち着いた雰囲気を重視するため、ほのかに薄暗い店内に多数の蛍が飛び交うかの様な、小さな光がちりばめられ輝きだした。突然のイルミネーションに店内の客は何かの演出と思い、好意をもって迎え入れた。


「手品か何かだろう?トリックを使ってるかもしれない」


 ありのままを受け入れられない木常はつぶやいた。だが、元々同じ神が作った世界である。この世界の人間に魔力がないだけで、呪文を唱えれば魔法は発動するのである。そう説明して次の魔法を試みる王子。


「では収納魔法を見せようかの。ここにチョットした物を出すが、よいか?」


 王子はそう言うと再び呪文を唱え、何もない空間に両手を突き出す。やがて空間が光り、その中に腕を入れると鎧をテーブルの側に掴みだした。置かれた鎧を見て多貫が


「こりゃ、西洋とも和風とも違う鎧ですな…材質も金属でも無し独特な…」

「いわゆるモンスターの素材を使ったものじゃな」

「ほう…これは見事な」


 無品はすっかり王子の言葉を信じている。娘に話す話題が出来たと、この邂逅を楽しんでいる様子である。


「これでもまだ信用してもらえんかの?だったら召喚獣のワイバーンを…」

「いや待った!それはこの場ではまずい!」


 こちらの世界では、空想上の生き物と言われてるワイバーンであるが、王子の事をすっかり信じている無品は慌てて召喚を止めた。想像が当たっていれば、人が乗れるほどの生物が現れるはずだと。

 話すのが楽しいのか、王子はテーブルに置かれたワイングラを掲げ、三人に声をかけた経緯を語りはじめた。


「日本のワインは素晴らしい。味・コク・キレ・香り…どれをとっても、ワシの国の物とは比べ物にならないほどにな。それ故このようなワインが飲める国が、困っているのであれば手を差し伸べるのが情と言うものではないかの?」


 ファンタジー好きな無品は「ほう」と感心する。計算高い多貫は頭の中で算盤を弾きだした。用心深い木常は、国と国の付き合いは打算と利益だと割り切っている。一見友好的なのは何か裏があるのでは?と警戒の色を隠せないでいた。

 王子が具体的に助力の話を続ける。


「例えば…安く穀物をお譲りするとかどうじゃな?安い商品が入って来れば値が下がるんじゃろ?」


 穀物…海外の小麦の価格は政府が商社に買い付けを依頼して、民間に売り渡す方式をとっている。故に安い小麦の割合が増えれば、調達価格の総額が減り、その分値下げして民間に引き渡すことが出来る。利に敏い多貫はその計算が出来ているのか、揉み手で王子に近づく。


「そう言う事なら、まずお近づきのしるしに接待させてもらいまっせ」

「いやそれは結構じゃ。自分の金で飲むから酒は美味い。タダ酒がうまいという奴は別の何かで酔える奴じゃな。窮屈な所で飲むぐらいなら、お茶の一杯で素っ気なくもてなしてくれる方が気が楽じゃ」


 多貫は一瞬、王子には懐柔の効かない相手かと思ったが、笑い飛ばして楽しそうに酒を飲んでいる様子を見て、単純に美味い酒が飲みたいだけの様子だと察した。

 こう言う手合いは下心をもって接するより、胸襟を開いて楽しむ方がよいだろうと頭を切り替えた。


「それで、いかほどの穀物をお売りして頂けるのですか?」


 実務的に木常が質問した。本来なら法律的は異世界からの輸入など想定していないため、実現できるかは怪しい。しかし、目の前の現実を認識したからには、なんとしても道筋は付けたい。勤勉な性格を呪いつつも仕事に――勤務時間外まで仕事に取り込む自分を自嘲気味に笑っていた。


「そうじゃな…小麦をざっと1万トンでどうじゃな?」


 その数字を聞いて木常は少ないと内心で叫んでいた。昨今の小麦の輸入量は500万トン弱で輸入量の1%にも満たない数字である。


「少なすぎる…せめて10万トン単位でないと…」

「1万トンあれば都市一つの領民…数万人を養うには十分なんじゃがな…」


 木常の要求に、王子は困ったように返答する。


「ひょっとして、互いの認識と前提条件が間違ってるんじゃないか?」

「どういうこっちゃ?」


 察しのいい無品が思うところがあるのか、助け舟を出してきた。


「さっき俺が言っただろ?異世界は日本から見れば文明の発展が遅れている世界もあると」

「無品が言ってた、中世的な世界とでも?」

「ああ…それなら分かりますわ。住民の大半が農民で、しかも小作人やったら、そんなにぎょうさんの作物は作れるかどうか…税と食う分で手一杯かも知れまへんな」

「それなら農業支援すれば良い。現代の機材や農法を使えば、収穫量は大幅に上がるはずだ」


 無品の指摘に、予想される相手の事情を考察し対応策を示す。


「なるほど…確かに先進的な技法を持ち込めば可能じゃな…」


 三人の提案を受け王子は肯定するが、歯切れが悪い。農作物の収穫が上がれば、本来は喜ばしいと思うのだが。


「しかしそれでいいのかのぉ?」

「何を困ることがありますか?安く安定した供給先があれば我が国はどれ程…」

「沢山作ってもいいんじゃが…支払いは大丈夫なんじゃろか?」

「支払い?」

「お金の事じゃよ。文字通り現金取引が出来るのかの…」


 支払いと言われて、ようやく無品が思い至る。ファンタジー世界は金貨や銀貨が基本で、紙幣なと単なる紙屑でしかない。ましてや電子マネーなど論外である。


 金(きん)――有事の際の安全資産とも言われる貴金属で、現代日本では1グラム1万円も、嘘とは言えない位の価値を有している。


 王国の金貨一枚が何グラム使われているかは分からないが、仮に金貨一枚5グラムなら5万円近くの金が必要なのだ。そして、その金貨一枚でどれ程の穀物が買えるか…その相場が分からない限り、安い買い物とは言えないと三人は思い至る。


「そ、それやったらこちからも、物を売るさかいに相殺ちゅうことに…」

「安くてうまい米や、CO2が出ないクリーンな魔法で動く自動車を売りたいと言ったら、君らはこの話を受け入れてくれるかの?」


 王子の一言に凍り付く一同。この発言の趣旨を理解できない様では役人失格である。


「なにしろワイン一つとっても、我々の世界の物ではこちらの物には太刀打ちできんからの…」


 王子のつぶやきを受け三人は難しい顔をするようになっていた。取引をするにしてもきんがどんどんと吸われるのだから。


「しかし、これではこちらの要望を満たさない話だ」

「なんか王子はんが小銭を稼いどるようやな」

「いやまったくその通りですわい」


 三人とは対照的に王子が笑顔で相槌を打つ。そして、こちらの世界に来た経緯を語り始めた。


「そもそもこちらに来たのは、文明が発展した世界で起こっている問題――温暖化や高齢化など、いずれ起こりうる事をつぶさに学んでおけと、神託があっての」


 ファンタジー世界も、いずれ文明化は避けられないのかと、無品は落胆気味に王子の話を聞いていた。

 次元を超え、こちらの世界に来るにはある程度の立場の人間が望まれるため、カタリン王子に白羽の矢が立った。ただし、名誉ではあるが、実利と言う点では遠く及ばないと国王に判断され…


「政治も軍事も才のない王子のワシには名誉な話じゃが、みそっかすに使う金はないから、学ぶための費用は自分で稼げと言われての」


 王家の余剰分で、出せる穀物を換金すれば、国王もある程度待遇を見直してくれると睨んで、話が出来る相手を探していたと語り終えた。


「なにしろ、日本(こちら)の世界はかねか無いと、何も出来んからの」


 国民の大半が、自給自足で成り立っている王子からすれば、日本の生活は毎日がホテル住まいの旅行者と変わらない。金で何でもできるのも、善し悪しであると愉快に笑いワインの飲む王子。


 笑顔の王子とは対照に、沈んた顔をしている三人は各々思っていた。


「異世界との貿易は金(きん)がかかると…」


 この後三人は、酔えない酒を飲むのであった。

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