夏の思い出
「先生・・・どうでしょうか?」
「う~ん・・・かわりませんね。様子を見ましょう」
「・・・はい」
プルルルルプルルルル
「はい」
「あ私」
「おう洋子」
「あのさ新田はやっぱ体育祭100だよな?」
「だろうな、お前は走れんの?」
「無理~今年は玉入れにしとくわ」
「そーせーそーせー」
「だけどラッキーやわ。8組と一緒で」
「俺もな。2組は青木もいるし強いやろ」
「だねー。チーム名聞いた?」
「あぁ、ブルーベルベットだろ?」
「うん、青で良かったー。赤は レッドンでしょ、緑はグリーンデー、黄色はイエイ!ローだよね」
「だよな。柳と浜田は泣いてたぞ笑」
「ピンクエロガッパだっけ?かわいそー」
「まぁ3年が決めたからしゃーないけどな。あ、今帰りか?」
「うん、ちょっと病院もよったしね」
「そか、どうだった?」
「うんどうなんだろ・・・」
「そっか、大丈夫さ」
「うん」
プルルルルプルルルル
「おお拓!お父さんや」
「あ、どう?大工の出張」
「小林さんと一緒の部屋や」
「リゾートホテルはいつできんの?」
「まだまだやぞ。そや中谷建設の社長、挨拶でみたわ」
「そうなんや、やっぱ髭なん?」
「ちゃうちゃう若いぞ、多分お父さんとかわらんのちゃうか男前や」
「えぇ!そうなんや」
「あぁ、横にいはる人も同じくらいかな・・佐久間さんて人。この人はお父さんは苦手な顔や」
「へーみんな若いんやな。お父さん気つけて、飲みすぎたらあかんで」
「お母さんみたいやんけ笑。ほなまたな。お前もちゃんと食べろよ!お母さんに聞いたぞ」
「あはは・・・うん」
「ほなな」「は~~~い」
ガチャ
お父さんは中谷建設が手掛けるリゾートホテルの仕事のため、泊まり込みで仕事してる。
(あ~あ通ったらいいのに)
プルルルルプルルルル
「もしもし」
「あ、柳君」
「中谷さん」
「電話だった?」
「うん、お父さん」
「話してて大丈夫なの?」
「うん、もう終わったよ。どしたの?」
「野間さん、やっぱしつこいの」
「え?」
「村山さんさぁこないだ何とか大丈夫だったでしょ?気に食わないでしょうね」
「何かされたの?」
「柳君がいない所で私や村山さんに また嫌がらせしてくるのよ」
「はぁ・・・どうしちゃったんだろね」
「うん、ほんと村山さん良く我慢してるよ、絶対強いでしょ彼女」
「どう考えても強いっしょ。最近の見た目に騙されてるけど」
「うん、だよね。そだ話違うけど村山さんこないだポロっと言ってたよ、小さい頃は歌手になりたかったって」
「えっ?そうなんだ!歌うまいもんね」
「カラオケの花ケ崎の歌もめっちゃうまかったし、ほんと歌手いけるよ」
「見た目もいいしね」
「・・・」
「もしもし?」
「ん?大丈夫大丈夫、てかさ あのチーム名何ぃ?ありえないんだけど」
「ほんとだよ、枕ぬらしたよ」
「うっそだー」
「うん・・・うそ笑」
「誰が決めたんだろ?まさか鈴木先輩とか?」
「流石に違うっしょ、今度聞いとくよ」
「だよね」
「中谷さん宿題は大丈夫?もう書いた?」
「まだぁ、今から。あの家族の気持ちむつかしいよ・・・柳君もう書いたの?」
「一応ね」
「はやっ、明日の発表楽しみにしとくね」
「あてられないことを願うさ」
「じゃまた明日」
「うん、せ~の~」
ガチャ
‐翌日‐
キーンコーンカーンコーン
ガラガラ
「きりつ・れい・ちゃくせき」
「ほな宿題の作文な~先生楽しみにしてたねん。村山いこか」
(チッまぁ停学助けてもらったしな)
ガガガ
「人の心情は様々である。娘は父を憎む前に平常心を。父はピンチを乗り切り平常心を。この日の出来事は一生忘れないでしょう。私がいいなと思ったのは31ページの娘の言葉です。【ねぇおじいちゃん、いつトイレできるの?】この言葉につきるでしょう」
「村山さん有難う座って。次柳」
(あ・・・あてられた)
ガガガ
「駅のトイレの男性は父親がモガキ苦しんでいるであろう状況を便座に座りながら笑っていたと僕は思いました。父親は今朝自分が娘にした行動を後悔したと思います。あぁ結局自分に返ってくるんだなって。このご家庭は円満なんだと思いました。きっとこれからもこんな状況は続くと思います。僕がいいなって思った所は、母親の【歯磨いて学校いきや】です。私は関係ありません感が僕の胸に響きました。終わり」
「柳君、ありがとう」
(なんで 君つけんにゃろ・・・)
「じゃ中谷いこか」
ガガガ
「私は何故お腹を壊したのかを考えない父親と娘に疑問を感じました。今日はたまたま そんな日だったんだろうなって。ずっとこれからもこの親子はそうなんだろうなぁって思うと…犯人の思うつぼじゃないですか。私はこの親子に言いたいです。世の中そんなに甘くないと。私が一番いやだったのが弟です。【あ、トイレ】って・・・腹立つじゃないですか!お父さんとお姉ちゃんが必死なのに」
(うわぁ中谷さん興奮してる)(なにを書いとるんやみんな)
「でも救われた言葉がありました。33ページの4行目!【俺は運があったウンだけに】と父親が言ってます。これは娘に勝ったぞっていってるんです」
(違うって・・・商談成立のことだって)(ちゃうちゃう)
「お父さん、お母さん、娘、おじいちゃん、末永くお幸せに!弟は絶対許しません。終わり」
(えーーー)(うわぁ)(関係ないやん)
「中谷有難う座って」
「はい!!」
ちょっと興奮した中谷さんがいた。
「最後・・・野間!」
ガガガ
「はい笑」
笑みを浮かべながらこっちを見、前を向いて話し出した」
「このクラスみたいで笑ってしまいました。我慢する人物が登場するんですもの。ただ誰が優位なのか・・・それだけです。何を食べて誰を恨んでとかバカですよ。単にトイレに行きたい話でした。答えのない答えを必死で探す人達に拍手を送りますね。私が思ったことは窓際の後の方の人達はちょっと可哀想だなって思いました。終わります」
「・・・あ、有難う座って。じゃ作文は先生が預かるから後ろから前に送って」
ペラペラ(はい)(おねがい)
「今日でこの家庭のトイレ事情は終わるからな」
キーンコーンカーンコーン
「きりつ・れい」
ガラガラ
「野間さんの作文なにあれ!うちらのことやん」
東出さんが呟いた。
「ほっとけほっとけ」
中谷さんはイライラしていたが、野間さんの挑発を無視していた。
村山さんが
「おぃ、関係ないけど、お前食べてるか?笑」
ほっそい僕を心配して話してきた。
「うん、それ以上のカロリー消費であかんねん」
僕の返事に
「いいよな、簡単に痩せれて」
と行った。そして
「体育祭の名前しばく」
と付け足していた。
ニタニタと野間さんは僕を見て
キャッチボールのジェスチャーをしてきた。
もちろん無視をしていたが…
ニッコリ笑って何回も何回も投げるポーズをしてくる。
それも無視していたら
投げたポーズの手をピストルの形に変え
「バンッ」
と言って僕を指差し
「バンバンバンバン」
と言って
東出さん、小西さん、村山さん、中谷さんを撃つジェスチャーをした。
そしてまた笑って…真顔になって
「柳!アホ!」
と呼び捨てで言った。
「ほっときなよ」「気にすんなよな」
とみんなが話していた。
イラッとした僕は
「だから?」
と野間さんに言い返したが
口では勝てない相手
「へー自分でわかってるんだねぇ柳っちは〜偉い偉い、かわい〜よ〜ヨシヨシ」
とバカにしてきた。
ずっとこんな人だったのだろうか・・・
もう話さないでおこう。
そう心に決め部活に行った
「やっほー!柳」
「あ、鈴木先輩!ちわ。先輩ぃチーム名あれなんですのん?」
「おー早速来たね~どう?な?どうよ」
「どうもこうもめっちゃ不評ですよ」
「マジかーちょっとショックだわ」
「まさか・・・先輩がきめたんすか?」
「違う違う、リーダーの菊池よ」
「はぁ誰っすか」
「サッカー部のほら毛くくってるロン毛のイケメンよ」
「あーめっちゃ毛長い人?先輩あの人好きなんですか?」
「おおおおお前泣かす!」
「うわぁビンゴ!」
「言うなよ」
「はい、でもうちのクラスのサッカー部の佐藤が言ってましたけど・・・」
「何ヨ!言え!」
「3年にロン毛がいるねんけど、頭洗ってはるんやろか…匂うって ゆーてましたーーーー!」
「やなぎ・・・佐藤やっけ・・・そいつに陸上部の鈴木典子が体育館の裏で待ってるゆ~てこい」
「いまっすか?」
「嘘じゃぼけー!あ~あ何かテンションさがったわ・・・こないだのイケメンみたいにならんかな」
「あの おかめとひょっとしたらにいた?」
「うん、美男美女やん。親くらいやろうけどな」
「あの・・・なんかイケメンが」
「なんよ」
「女性を町田さんゆ~てませんでした?」
「そやったらなに?」
「まさかとは思いますが・・・びわしょうの?」
「はぁ?あの生意気女か!」
「わかりませんわかりません・・・けど・・・あと・・・」
「あとなんや?」
「うちのお母さんと、生意気女のお母さん・・・職場一緒で・・・友達でしたねん・・・」
「・・・お前絶交や」
「ちょっと先輩」
「ウソウソ。あの娘 絶対アホやわ。あんた級やって」
「は?僕そんなアホちゃいますよ」
「嘘つけ!中谷から聞いてるぞ、めっちゃアホですって」
「えぇ!中谷さんひどい~」
「あいつはソコソコできるらしいな」
「誰がっすか?」
「中谷よ」
「あはははは・・・自分でゆーてはりましたん?」
「うん」
「246911の人が?」
「は?なんや」
「31日のない月を答えなさいって宿題で、にしむくさむらいって教えたら にじゅうよんまんろくせんきゅーひゃくじゅういち って答えはったひとですよ」
「お前ら大丈夫か?ええ勝負やろ!ゆーといたるわ。ちゃんと1月も入れとけよな」
「・・・せ・・・せんぱい・・・」
「ん?柳ぃさっきから私によく喋ってくるよな!お前私のツレか?」
「いえ先輩です」
「だよな、じゃ、偵察して報告しろ」
「なにをですのん」
「ま~ち~だ~!!」
「はいっ!」
部活を頑張り
帰りに浜田君が
「柳君、ついに発見したよ!」
「ほんとに?成功?」
「うん これなら大丈夫」
僕と浜田君は毎日真剣に考えていた。そう!
走りながらのオナラは音が鳴ってしまうので、どうしたら消音できるかと。
「で、で?どうするの」
「ヤバくなったらさ、ちょっと先に出て靴紐を結ぶふりをしてしゃがむんだ」
「うんうんそれで?」
「その時は止まってるし、ちょっとどちらかのカカとがお尻についてて加減をコントロールできる」
「まじで!!」
「うん、で消音。 タイミングよく抜かれて、匂いはセーフ、後は立ち上がって戻るだけ」
「おぉ!!天才やんか」
「うん、発明まで結構かかったね」
「うん、浜田君ノーベル賞ちゃうか」
「だそか!」
「うん、僕もやってみる」
アホの能力を発揮しまくる浜田と柳がいた。
「拓ちゃん浜田楽しそうね」
「あ、お疲れ様です」「お疲れ様です」
「ね、何の話?」
「あ、え、内緒っす。鵜飼先輩には関係ない話っす。男の子の体の話っす」
「ふ~ん浜田ほんと?」
「・・・明ちゃんって呼んでくれたら話しますよ」
「そう、じゃいい笑」
「そんな嫌がらんでも」
「なんだろ・・・言いにくいよね」
「恥ずかしがらないでくださいよ」
「違う違う、ゴロの話。拓ちゃんって言いやすいけど、やっぱ浜田だな」
「柳君、あきらちゃんって言いにくい?先輩呼んでくださいよ」
「たしかに・・・」
「あ、あきなちゃんがきたから拓ちゃん浜田またね」
「・・・言えるやん」
「あきなの な は 言いやすいんだよ。あきらの ら がいいにくいんじゃない?」
「先輩だけじゃない?」
「ん・・・僕以外ほぼ浜田って呼んでるよね」
「うん、香織ちゃんくらいかな、明さんってね」
「香織ちゃん?」
「ほら・・・例の」
「あぁ、2組の!元気なの?」
「うん、ちょっと・・・」
「どしたの?」
「新田君・・・」
「新田君なんかあったの?」
「まいいや」
「そぅ」
「じゃ帰るよ、柳君、機会があったら試してね」
「うん!消音だね」
「うん、ばいばい」
「また明日」
ガタンゴトンガタンゴトン
「次は草津草津」
プシュー
(あ・・・雑巾・・・)
僕は財布を確認し、雑巾を買いに母がいるトモダチマートに向かった。
「草津草津」
プシュー
「ねぇマッチ‐ジャージのままだよ」
「ヤマさっきからうるさい!びわしょうですがなにか?でいいの!」
「この格好でトモダチマートやだよ」
「あーもーうるさいわぁ」
反対ホームから山本と町田がトモダチマートに向かっていた。
プシュー
「誠二さんお疲れ様、ほんとよかった~」
「サンキュサンキュちょっと寄って帰るわ」
「じゃね」
山本達が降りた電車に 誠二も乗っていた。そして彼もトモダチマートに向かっていた。
「いらしゃいませいらしゃいませ~本日 お魚大変お安くなっております」
「智ちゃんよかったわ~」
「どうなるかわからんけどね~。あ、私レジいくわ」
「うん」
テクテク
(雑巾雑巾・・・)
「拓!あんたなにしてんの」
「お母さんやん!」
「はいそうですよ笑。何してるん」
「明日雑巾いるねん。ないし買いに来た」
「そんなんゆ~たら お母さん何とかしたのに」
「たまにはいいやろ笑」
「そぉ?ほなあの列やしな」
「うん」
「ご飯はお母さん帰ってからでいいか?」
「いいで」
「はいはい」
テクテク
「ヤマ雑巾どこよ」
「知らんて・・・あ、あの人に聞いてくるわ」
「すいません、雑巾どこですか?」
「雑巾?あこの列よ」
「ありがとうございます」
「琵琶湖商業の子?」
「はい、あ このジャージで」
「うん、部活の帰りかなにか?」
「はい部活帰りです」
「何してるのかな?」
「陸上です」
「あら、じゃ家の息子と一緒だわ」
「そうなんですね(名札・・・柳・・・?)もしかして息子さんって優信高校です?」
「うん、そうよ、へっぽこ1年生、今 雑巾探してるわよ笑」
「あ、有難うございました。柳君知ってます」
「そうなの!お名前は?」
「山本です、で、あれが町田です」
「え?ちょっとちょっと あの娘 町田さん?」
「はい、なんかお母さんが・・・危篤らしくて・・・電気代も払えてないみたいなんです・・・」
「そう・・・(智ちゃんの娘さんじゃないのかしら)町田さんって他にもいるの?」
「わからないですけど、学校に10人はいると思いますよ」
「そんなに?」
「はいもしかしたらもっと多いかも。なんせ町田ですから」
「そー。山本は多いんでしょ?」
「山本なんて多分 僕だけですよ。滋賀県でも3件くらいちゃいますか」
「・・・(このこ・・・独特やわ・・・)そ、そう、私も柳は少ないわ」
「柳なんて適当に石投げて当たった人ほぼほぼ柳ですよ。もー世の中 柳と町田です」
「お、お お おばちゃん仕事だから・・・ね、その列ね雑巾・・・じゃ」
「ども!」
テクテク
「マッチ‐雑巾あこ」
「なっがいこと喋ってたな~」
「うん、柳君のお母さんやった」
「!!はぁ、あんた!言えよアホ」
「で今、柳君も雑巾買いに来てるらしいので あの列にいるはず」
「はよ言えあほ!」
タタタタ
(柳み~~~っけ!・・・ん?)
「あ!」
「やぁ君は確か おかめとひょっとしたらにいた子だね」
「はい、お兄さんは確か告白されてた笑」
柳はイケメン男性と嬉しそうに話していた。
偶然を装ってやろう。
テクテクテク
「あれ?柳?」
「あぁ!町田さん!!」
「?・・・」
僕の声にイケメン男性は町田さんをガン見した。
「ど、どうも・・・はじめまして町田愛です。はい」
「ニコッ初めまして 深沢誠二です」
「あ、はい・・・柳と知り合いです?」
「ん?あぁちょっとね、じゃ僕は失礼するよ。ごゆっくり」
「お疲れ様です」「ど、ども・・・」
(町田さんの娘さんだな あの娘笑)
「よー柳、なにしてんの?」
「ん?雑巾買いに来たんだ」
「偶然だよな一緒」
「そうなの?」
「あぁ横の奴がよー弁当落としてさ、雑巾貸してやったんだ」
「へー町田さんて優しいね」
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
「そそそそんなことないぜ」
「ねぇどうしていつもジャージなの?こないだも ほら カラオケ行く日」
「あは、あはは・・・(今日はお前いるなんて知らなかったし)時間なかったんだ」
「そうなんだ。町田さんの制服姿ってどんなだろうね」
「(あちゃー)そりゃもう柳いちころだぜ」
「ん?何が?」
「え・・・なんもない」
「やぁ!」
「あ、山本君もいたんだ」
「うん、君のお母さんと話してて、ちょっと、僕は用事あるから先かえるね。マッチ‐明日。柳君またね」
「うん山本君また」「(ヤマナイス、はよ帰れ)おう明日な」
「あ、そうだ!」
「ヤマ!!急ぎだろ?はよ」
「うん、また話すよ。じゃ」
「なぁお前はなんでいつも短髪なんだ?」
「は?これでもあるんだよ」
「ん?そうなの?」
「うん、中学は野球部だったから坊主だったし」
「野球部なのか?うちバドミントン、中瀬もそう」
「そうなんだ。びわしょうって急にどしたの?」
「さぁ香月先生がさ集めて打倒優信なんだって」
「そうなんだ」
「つかさまだ早いけど、駅伝なんだけど」
「うん、人数足りないし短距離と投てきも走る」
「違うって、ごめん女子の話」
「あはは」
「坂下さん、鈴木さん、港さん、鵜飼さんだろ?後一人いんの?」
「もっかい坂下先輩が走ればいいんじゃない?」
「あのさ、ほんと・・・大丈夫か?」
「何が」
「5人いるんだよ!」
「そんな怒らないでよ・・・」
「ご、ごめん・・・つい」
「1年の誰かじゃない」
「ま、このままなら沼澤か川口だよな」
「タイム的にはそうだよね」
「じゃウチあるな」
「ないよ、誰かいるかもね~内緒だけど」
「は?いんのかよ?あるよ」
「ないない、内緒~」
こんな話をしながら町田さんとレジにむかった。
「あ!」
「町田さんどしたの?」
「ママだ」
「どれ?」
「ほら、あのレジ」
「え?どれ・・・(あ・・・おかめとひょっとしたらの人だ・・・やっぱ町田さん)そそそうなんだ」
「うん」
‐レジ‐
「次の方どうぞ」
「こんばんは」
「あら、いらっしゃいお疲れ様」
「ありがと。多分娘さんいたよ」
「え?どこに?」
「雑巾買ってた。こないだ僕達の席の横に座ってた男の子も」
「いや~ごめん私隣の子覚えてへんわ~」
「そうなんだ笑」
‐レジ待ちの二人‐
「あれ さっきあんたがしゃべってた人だよね?」
「う、うん」
「ママと知り合いなのかな」
「(町田さんのお母さんって浮気してるんかな)何か聞いてるんじゃない」
「かな」
‐レジの二人‐
「じゃ僕はかえるね」
「有難う、また電話します」
「うん、近々娘さんに会いたいな」
「あはは言っとくね」
「じゃ」
しばらくたって
「次の方どうぞ~~~~ってあんた!!」
「ママ笑」
「で・・・(この子かな・・・隣にいた子)はじめまして愛の母親です」
「うちのママだよ」
「優信高校の柳です、いつもお母さんが」
「え?あっ!柳さんの息子さん?」
「はい」
「愛、あんた柳君知らんって言ってたやんか」
「うん、さっき雑巾コーナーで初めてあった。ね?」
「え?何言ってんの?前から知ってるよね」
「(お前あわせろよ)ママいくら?急いでんの」
「はいはい、何でもいいけど、嘘はだめよ愛」
「は~い」
ピピ
「2390円ね」
「!!」「たかっ」
「あはは冗談よ冗談。230円」
「うわぁママ最悪」
「(町田さんのお母さんって不良やったんかな)あはは」
「じゃ愛 気つけてね、柳君も」
「うん」「はい」
僕と町田さんはトモダチマートで無事に雑巾をゲットした。
「柳、ちょっと休憩しない?」
「うん、ジュース買ってくるね」
タタタタタ
「はい」「お、有難う、いいの?」「うん、飲んで」「サンキュー」
紺色のジャージの背中に大きく書かれた TRACK&FIELD BIWASHO。
前には漢字で 琵琶湖商業 町田愛。
オレンジジュースを飲みながら少し話をした。
「面白い話があってな」
町田さんは自ら話の内容が面白いってハードルをあげた。
「うん何?」
僕の家に電話をかけるのに、今田って家にかけた話だった。
「あはは」「でさー小学生の・・・」「まじでー」「うん」
「そうだ、もう野球しないの?」
「うん、働いたら草野球するよ」
「じゃそん時はマネージャーで呼んでよね」
「ほんと?」
「うん、結構詳しいよ、ここキーストーンで、ここホットコーナーだろ?」
「あはは~~その呼び方」
「なんだよ」
「別に」
「ママ待ってよかな」
「そうする?」
「うん、ひとりだしね」
「え?」
「うち父親いないんだ」
「そ、そうなんだ」
「新しいお父さん欲しいような欲しくないような・・・今はいらないかな」
「(あ・・・)そうなんだ」
「急に父親ですって無理だ」
「そうなんだ」
「そうなんだばっかり笑」
「そうなんだ」
「ほらまた!」
「あはは」
「ま、でもママの人生だしね。どうせならイケメンがいいな、うん、さっきあんたが喋ってた人みたいな」
「(その人なんだよ)そっか」
「あら~愛いたの~」
「あママ!終わった?」
「うん」
「じゃ柳またな、帰るわ!ジュースサンキュー」
「お疲れ!では」
「柳君遅くまでありがとね、お母さんまだみたいよ」
「はい、僕も帰ります」
「気つけてね」
「はい失礼します」
テクテク
「愛、あんたあの子好きやろ笑」
「ななな何をゆーてんのよ」
「ママ見てたらわかるわ~。あんたほかの子と態度全然違うで」
「一緒一緒、ただの雑巾仲間」
「何それ笑」
「あははは」
プルルルルプルルルル
「はいもしもし」
「(あちゃーお父さんやん)柳と申しますが」
「娘にどんな用事?」
「えと、優信高校陸上部の後輩でして、先輩から頼まれ事の電話です」
「頼まれ事?」
「はい(うわぁ鈴木先輩のお父さんめっちゃ怖いやん)」
「ちょっとまってや」
(のりこ~のりこっ!でんわ)
(だれ~)
(1年)
(は?だれよ)
(つるぎやて)
(そんなん知らん)
(チッ)
「もしもし!」
「はい」
「知らんて」
「え?、あ、あの・・・」
「なんや?」
「つるぎやなくて やなぎです」
(のりこ!やなぎ)
(あ~そうなんや)
「もしもし柳か すまん」
「ふぅ・・・先輩・・・お父さんめっちゃ怖いですやん」
「そうか?」
「ナニモンですか」
「僕どらえもん!」
「・・・もういいですわ」
「で何の用事?」
「びわしょうの」
「おーそや!どやった?」
「お父さんおられないって・・」
「お前そんな寂しい電話してくんなよ!アホ」
ガチャ
プープープー
‐翌日の部活‐
「ジョックいきま~す」
「はい」
タッタッ
ダダダ
港先輩が前にダッシュをして靴紐を直していた。
僕と浜田君はマジか的な顔で走った。
浜田君の天才発見以降、僕達は靴紐を直してる人はみんなそうなんだと決めつけていた。
「ハァハァ柳何?」
まさかの港先輩の声掛けに
「うまくいきました?」
といってしまった。
「あんたアホだな」
の返事にレディーにそんなこと聞くなって言ったんだなと思ったが
先輩のアホだなは いちいち靴紐ちゃんと結べてか聞くな!って意味だった。




