溜め息と男前
ガタンゴトンガタンゴトン
「毎度ご乗車有難うございます。次は草津〜草津です」
プシュー
「では誠二さんお疲れさまでした」
「美奈ちゃんお疲れ様」
「今日もトモダチマートです?」
「うん、でももう遅いから笑」
「確かに。流石にいないでしょう」
「きっとね。じゃ」
テクテク
「いらしゃいませいらしゃいませ~トモダチマートへようこそ~」
「智ちゃんはよ帰りや」
「ほんまやわ、愛帰ってくるやん。柳さんは?」
「うちは今日は21時までやねん」
「息子さん大丈夫?」
「今日はなんやみんなで食べて帰ってくるんやって」
「へー青春やなー」
「色々ブーブーゆーてるよ。これあかん、あれあかんて、うるさいうるさい笑」
「うちも一緒やわ」
「あ・・・智ちゃん、きはったよ・・・」
「え?あ・・・」
「こんばんは」
「い、いらっしゃいませ」
「遅くまでおられるんですね」
「きょ、今日はたまたま、はい たまたま・・・」
「そうなんですか、私は今帰りなんですよ」
「そうですか、お疲れ様でした笑」
「少し買い物してきますね。一人暮らしなものでして・・・」
「あ!・・・そ、そうなんですか・・・ごゆっくり」
「はいではニコッ」
テクテク
「もーあんたイライラするわー私ゆーたろか?」
「ちょっと柳さん・・・あかんて」
「めっちゃ爽やかに笑ってはったやん」
「うん」
「さ、智ちゃんあがってや」
「ほんまや!ほなお先」
「お疲れ」
「柳さん柳さんレジヘルプお願いします」
「はいはいいきます」
ピッピッ
「1,890円になります。次の方どうぞ~」
「お願いします」
「あ!ども」
「お疲れさまです。あれ町田さんは?」
「今あがりましたよ。はよ、急いで帰ったら追いつくで」
「え・・・?あ・・あはは、は、はい」
「ほな頑張りや。おばちゃん応援するは」
「は、はい失礼します」
タタタタタ
(もう愛帰ってるかしら・・・おそなったわ・・・)
テクテクテク
「おー拓ちゃん、みんなここよ〜」
「マジっすか!中谷さん…なんか大丈夫?」
「うん・・・ちょっと食べながら話すよ」
「青木さん結構食べるの?」
「ん~どうかな、先輩は?」
「私?」「俺?」「うち?」
「みんなです」
「食べるよー」「うん」
ガラガラ
「いらっしゃい!おお鵜飼ちゃん毎度!後輩?奥の座敷いってや~」
「ありがと、先輩と同級生と後輩達 笑」
「はいよー」
僕達は鵜飼先輩の行きつけの 【焼いて幸せ!おかめとひょっとしたら】に来た。
「さぁ食べよー」「おお~」「上条、頼みすぎ」「まだまだ~」「副島先輩と鈴木先輩仲いいっすね」
タタタタ
「あ、あの・・・」
「はい?」
「ハァハァ町田さん・・・・あの・・・」
ドラマだったらBGMが流れ、振り返った町田智の前に息を切らした男性が智を抱きしめるシーンであろう。
「あぁ!もう買い物終わらはったん?」
「はい、ちょっとお話があります」
町田智は平然を装っていた
「どうしたの?」
内心はドキドキドキドキキュンキュンキュンキュン
忘れていたトキメキを必死で押し殺していた。
「ご、ごはん・・・しませんか」
「え?(うわめっちゃ食べたい)ごめんね・・・娘が帰ってるかも」
「あ・・・そ、そうですよね・・・」
「(あかん食べたい)ちょっと待ってもらえるかしら」
「はい」
テクテク
公衆電話に向かった町田は自宅に電話した。
プルルルルプルルルル
「もっし~」
「あ、愛、ママ」
「うん、何?つかお腹空いたし先食べたで」
「え?作ったん?」
「うん、冷蔵庫にあったし」
「卵はあかんで、もうだいぶ古いし」
「・・・まじで!!食べてしもた!国語やん!」
「は?なに?あ~あ、ほなママ外で食べて帰ってくるよ」
「え?誰と?」
「友達」
「誰よ」
「友達よ」
「だから誰?」
「う○こ為三さん」
「そうなん、わかった」
「じゃね」
「は~い」
ガチャ
テクテク
「あ、すみません、娘が先に食べたみたいで・・・私でよかったらいいわよ」
ドキドキドキドキドキドキドキドキ
「嬉しいなぁ良かったー、じゃ行きつけでいいですか?」
「はい」
沈黙の二人の前に【焼いて幸せ!おかめとひょっとしたら】が現れた
ガラガラ
「いらっしゃい!毎度、奥しかあいてへんねん」
「いいよいいよ」
「おおきに~2名様ご案内」
「へい」
「さ、行きましょう」
ガヤガヤ
「下の名前タ〜イム」
「上条なんよそれ」
「先輩と俺等は1年を絶対下の名前で呼ばないといけない。どうや!天才やろ」
「人災やわ あんた。ま、おもろいからやろか!1年はそのままでいいの?」
「です、いつも通りお前さん等は〇〇先輩でよろしくメカドック!」
(でた、ゴリラのメカドック。で中谷さんの横やし)
「わかったんけ?柳」
「ブブー上条アウトやん!」
「今のはちゃいますがな。じゃスタート!」
「つか、鵜飼あんた特よね?拓ちゃんだし」
「あはは、でも中谷も青木も常山も浜田もいるし」
「はい鵜飼アウト!」
「え〜典子先輩今のは」
「やったー!じゃ僕は明くんっていわれるんですね」
「は?お前は 明やんか」
「え?拓ちゃんだし、明ちゃんですよね?上条先輩、ですよね?」
「お前は 明や」
「…はーい」
三宅先輩が話した
「常山?あんた下の名前なに?」
「あ〜ほんまや〜」
先輩達は知らないようだ
「勝っす」
「は?どの顔がゆ〜てんのよ。負けそうな顔やないか!」
常山が噛みついた
「三宅先輩と三原先輩ややこしいっす!二人共マネージャーやし。篠原先輩がわかりやすい」
「お前なぁ覚えろよ」
「先輩達も覚えてくださいよ常山勝」
盛り上がる座敷の横に
男前の男性と美人な女性が座った。
「で、モモアちゃんと、ミカちゃは」
「うわぁ上条キモ〜」
「あははは」
盛り上がる優信席。
「青春ですね、隣は高校生ですよね」
「うん、うちの娘と同い年くらいかしら」
「娘さんは部活かなにか」
「陸上なんですよ」
「そうなんですか笑」
(お待ち、生2つどうぞ)
「乾杯しましょうか」
「はい」
カシャン
「ねぇねぇ拓ちゃん、おとなり大人だねぇ」
「ですね」
「お〜そうだ!中谷、なんかあったん?」
「副島アウト!」
「あちゃ…モモアなんかあった?」
「は、はい…鵜飼先輩は怒らないでくださいね」
「うん、どした?」
私は放課後の出来事を皆に話した。
柳君はビックリしていた。
三宅先輩が
「鵜飼さ、なんであんなんと仲良くしたんさ?」
「知らなかっんだもん、ちょっとこないだから変だなっておもいだしたんだけど…なんか…ごめんね…拓ちゃんも」
「い、いや、村山さんが大丈夫でしょうか」
「お〜拓ちゃんは村山さんって娘が気になるんだな!ウホウホ」
「え?上条先輩…みんな気になりますよ」
と話しながら中谷さんを見た。
中谷さんは普通の顔をして三宅先輩と違う話をしていた。
「隣の高校生、好きな子の話で盛り上がってますね」
「ほんとに、あんな時にもあったなぁ」
「あの…僕じゃだめでしょうか?」
少し大きめの声に
優信部員は一斉に隣を見て黙った。
「ちょっと…ほら…あはは…みてますよ…」
「僕はあなたが好きです」
隣のイケメンは美人を口説いていた。
僕達は美人の返事を待っていた。
「え…あ、あの…娘いますし…」
「わかってます。気にしません。大切にしますから」
この男前は僕達が見えてないのか?
なんて堂々とカッコよく決めてるんだ。
鵜飼先輩、副島先輩、三宅先輩、鈴木先輩は
「はぁ」
と何か風呂上がりのような溜め息をつき
中谷さんと青木さんは
拳を握りしめ
なんかイケイケ的な雰囲気。
ゴリラはただ食べてるだけ。
常山と浜田君は腕を組んで目をつむっていた。
僕はみんなを観察しながら美人の答えを待っていた。
しばらくすると
「毎日来てくれて有難う。ずっと友達にも言われてたの。でもこんな感情もう忘れたかなって思ってたけど…凄くドキドキして…」
-優信座敷-
「ねぇねぇあの人誰かに似てない?」
「確かに…なんか見たことある顔だよね」
「私も」
「確かに…なんかあるよね、最近みた気が」
-隣-
「僕じゃ…だめですか?」
-優信座敷-
(いけっいけ!)
(はよせ〜よ女!)
(イライラするわ)
(なんやねん!ええやんか)
-隣-
「…ほんとに私でいいのかしら?」
-優信座敷-
(いいゆ〜てはるやんか)
(あ〜も〜じれったいわ〜)
(はよっはよっ)
(頼むわ)
-隣-
「はい、僕は町田さん!あなたが好きです」
-優信座敷の柳-
(は?町田…?)
-隣-
「はい、じゃ宜しくお願いします」
「ほんとですか!やったー」
と、同時に僕達は拍手をした。
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
「有難う!やったよ!有難う!君達高校生かな?やったよ」
上条先輩が
「ウホウホ」
と吠えていた。
いいものをみせてもらい、僕達は店を出た。
「お疲れ様でした」「お疲れ」
僕は久しぶりに中谷さんと帰った。
「今日僕が部活いってから大変だったんだね」
「うん、村山さんがね、全部背負って…」
「大丈夫かな…」
「うん…停学かな…まさか退学はないよね?」
「うん、ないと思うケド…」
「柳君…村山さんが好き?」
「え?」
「隠さなくていいよ別に。好き?」
「えと…さぁ…別に…」
「そぅ、ずるいよ柳君。ずるい」
「中谷さん…」
「私はさ、優信で部活頑張ろうって入ったわけ。でも君がいたの。どうしようもなく気になって気になって。鵜飼先輩や、村山さん、野間さんに琵琶湖商業だって…もしかしたら東出さんや小西さんも…副島先輩も三宅先輩も。考えだしたらきりない。私はさ、私は…ずっと」
「お〜い!拓ちゃ〜ん、中谷〜っ」
「あ、鵜飼先輩」「先輩…」
「なんだなんだ〜一緒に帰ろうよ〜」
「はい」「は、はい」
「中谷どした?」
「え?、大丈夫ですよ笑」
「うん、そっかそっか、また皆で食べようね」
「はい」「はい」




