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そこでいいんじゃない  作者: リトルバタフライ
30/41

変化

いらしゃいませいらしゃいませ~本日もトモダチマートにご来店頂き・・・♪


「いらしゃいませ~」


「お、おはようございます。いい天気ですね」


「あ!おはようございます。いつもありがとうございます」


町田愛の母親の智はシングルマザーである。


「智ちゃんおはよ~」


「あ 柳さんおはよ」


「今日も来てはるやん笑」


「そやねん笑 かっこええわ~」


「結婚してはるんやろか?私聞いたろか?」


「やめて~この歳でへこみたくないやん」


「そやかて智ちゃん気になるんやろ?フリーなんやし」


「うん・・・でも愛はどう思うやろね・・・」


「面白い娘さんがか?いいやん気にせんで」


「そかなぁ。一人喋って あんず?ぽんず?聴いて部活してるだけの娘やけど笑」


「いやぁ~うちの息子も一緒やわ。娘さんブラスバンド部なんやてね」


「誰がよ!」


「あんたの娘さんよ」


「ちゃうちゃうちゃう、陸上部やん。中学はバドミントンやったけど足速いから誘われて」


「あらそうなん笑。あはは指揮者ちゃうんや笑。うちの子は野球から陸上やわ」


「息子さん優信でしょ?強豪校やんか」


「あかんあかん、全然よ。女子に負けてるわ」


「野球しはらへんたん?」


「好きみたいやけどなぁ…」


「そかぁ。ほなうちの娘と会ってるかもね」


「ほんまやわ!一回聞いとくわ。琵琶湖商業やったね?」


「そうそう。うちも聞いとく」


「で、あの人はどうすんのよ」


「そっとしとこかなぁ」


「えぇ?毎回向こうから声かけてきはるやん。気あるんやって」


「ん・・・かなぁ」



町田智に毎回声をかける男性。


シュッとしたイケメン。40代だろうか・・・30代かも・・・







‐優信高校‐



キーンコーンカーンコーン


「柳ば~い」「織田、また明日」


「柳またな」「佐藤、夜食わかったん?」


「わからん。すまんデートやしまたな」「は~い」


「中谷さん先に行くね、村山さんまた明日」


「柳君また部活でね」「おつかれ。がんばれよな」



タタタタタ



「失礼します」「入りたまえ~~~~かも~~~~ん」


(はぁ・・・上条先輩いるやん)


「ちわぁ」


「おー柳!まさかうわぁいるやんとか思ってないやろな!」


「そんなん思ったことないですよ」


「うん、ナイス~~~~~ッからのガチョーーーーン」


「・・・はよ服きてくださいよ・・(無駄に筋肉・・・)」


「ノーノー。シーシー」


上条先輩はまたいつものように肩にTシャツとジャージの上をかけ部室をでる



外から


「お前上着ろよ」「上条アホか」「はぁ毎日誰にみせてんの」


あははやっぱりそうなるわな。


しかし今日は違うパターンであった。


「よー鵜飼どや」


外で鵜飼先輩に裸体を披露してるゴリラ


「もうあんたの筋肉嫌いやわぁ~み飽きたし。拓ちゃんの見たいわ」


「鵜飼!あんなガキの筋肉・・・まて呼んだるわ」


(え?や・やばい・・・)


「柳~上半身裸で部室から出てきなさい」


「え?無理っす無理っす」


「お前は完全に包囲されている!ほらお母さんが悲しむぞ。な、ゆっくりでいいからこい!」


「ちょっと・・・」


「や~な~ぎ~はよ!泣かすぞ」


「・・・まじですか・・・」


「いい加減にしとけよ!」


(ええぇ・・・なんか・・僕が悪いん・・・)


「はいでます」


ガチャ




目の前に鵜飼先輩・上条先輩・副島先輩に小泉先輩・葉山先輩など・・・


「あはははは~~~柳おまえ」


「きゃはは拓ちゃんいいよいい!」「あーあーほっそ」


「もやしやん」「おお腹筋やべーな萌えるで」


「な、鵜飼、やっぱり俺の筋肉いいやろ」


「えー拓ちゃんの見てみ。カッコいい」


遠くから1年女子がやってくる


誰かが指をさして手をたたき爆笑しながら近づく。


どんどん近づく中に・・・中谷さん。


彼女は固まった。


そして何故か顔を真っ赤にしていた。



「こんにちは~」「こんにちは~」


笑いながら先輩に挨拶する1年



「ちょっと~中谷~顔赤いで~」


突っ込む副島先輩


「え・・・あ・・・」


そんな空気の中


「ちわっ」「こんにちはっ」


「柳 服着たら?」


港先輩だ


「は、はいすみません」


慌てて部室に入り服を着た



「あ~あ~港~おもんな」


「そう?」


上条先輩と港先輩が話していた。


「柳の体どうよ」


上条先輩の問いかけに港先輩は


「まボディーは軽い方が速いしね。無駄な筋肉はないわね」


「真面目かよ」


「そう?さっさとあんたも上きたら?」


「はいはいそうしますわ~」


ガチャ


「す、すみません港先輩」


珍しく港先輩はニコッと笑って


「いい体してるやん」


と言って去っていった。



「集合〜〜っ」


ダダダダダ


「短距離坂ダッシュから」


「はい」


「投てき階段から」 


「はい」


「中長 剣神社まで」


「は…はい…(マジか)」


この日僕達中長は…


なんとも恐ろしく遠いロードだった。



「中長いきま〜す」「はい」


北川先輩を先頭に走る優信中長。


ダッダッダッダッダッダッダッ



「柳君ガリガリ〜笑」


笑いながら走る坂下先輩


「食べなよ」


同じく笑う鈴木先輩


「カッコいいよ」


まだいる笑う鵜飼先輩


「…」


黙々と走る港先輩。


電柱の数を数えながら走る常山。


車のナンバーを見ながら走る浜田君。


最近 川上は休みがち。


僕は…まただ。


東出さんが歌う[マヨネーダヨネー]が頭をよぎる。


(…なんで東出さんは中途半端に覚えてるんだ)



地獄だ。繰り返されるサビ。


鼻歌でフンフンと歌い、サビになったら熱唱する東出さんの歌が僕を襲う。


なんとなく歌う東出さんが腹立つ!


いつの間にか足音だけが響いていた。


折り返しで坂下先輩が


「さ、元気出していこ!カモンカモン」


と。


もぅ気が狂いそうだ。


眉間にシワを寄せ


イラッとした顔を鵜飼先輩が見ていた


「拓ちゃん大丈夫?しんどい?」


「だ、大丈夫です」


「じゃ…カモンかぁ笑」



と静かに僕に呟いた


「あはは…」


ショートカットの先輩の髪は汗で濡れていた。


坂下先輩も鈴木先輩も港先輩も1年女子も男子も


汗が凄い。


「鉄板気つけて!」「はい」


滑りやすい鉄板や白線を気にしながら


ひたすら走る


「きたよ〜きたよ〜」


嬉しそうに坂下先輩が叫ぶ


ダッダッダッダッダッ


「あ…」


前から琵琶湖商業が。


「こんちは〜優信マジっすか?遠っ!」


「マジマジ」


坂下先輩と誰か知らない琵琶湖商業の女子部員が話す。


その間、止まることなくその場で足踏み。


後ろの方から山本君が手をふった。


軽く会釈をすると


横から町田さんがガンミしてきた。


(…こ…こわ…)



「そうそう剣神社よ」「ひょえ〜」「じゃ」


「はいまた」「うん」



坂下先輩が話し終えすれ違う両校。


町田さんとすれ違う時に


「頑張ってねファイト」


と言われた。


「有難う」


そして優信は学校へと再び走りだす。



ダッダッダッダッ


「マッチーめずらしっ。頑張ってねだって笑」


「ヤマお前…泣かす」


「メンゴメンゴ」


「あほ〜」




ダッダッダッダッ


「拓ちゃん琵琶湖商業の娘と知り合い?」


「あ、山本君、こないだ組一緒で」


「違うよ、あの女の子」


「…あ、町田さん、ま、知り合いです」


「ふ〜ん、あっそ」


正門が見え一気になだれ込む。


ハァハァハァハァハァハァハァハァ


「はい補強!」「はい」


休む間もなく筋トレ



今気づいた…坂下先輩…ずっともってたんか…


坂下先輩は同じくらいの石を両手に持って走っていたのだ。


(マジか…)


「ダウンいきます」「はい」


ゆっくりゆっくりダウン。


この瞬間がたまらない。


だって、今日も頑張った!終わるよって感じがね。


へばりついたTシャツ。


紅い顔を冷やす者


ボーッと座り込む者


談笑する者


今日も終わりをむかえた。



着替えてスポーツバックを持って


駅えと向かう。


トントン


「よっ、終わりか?」


振り返ると


あんず?



ちゃうちゃうちゃうちゃう


村山さんだった


「あれ村山さんどしたの?」


「漫画だ。んで今」


「そ、そうなんだ笑」


(柳バカ…)


「つかよ、家かえんのあんまさ…」


「どして?」


「ま、な…母親と…な…」


「喧嘩したの?」


僕は村山さんの家庭の事情を知らない。


ずけずけと聞いてしまった。


「ま、パパの再婚相手なんだ…でさ、あんま仲良くなくてな」


「あ…ごめん…何もわからないのに」


「いいっお前が気にすんなよな」


少し淋しそうな村山さんだが…


ごめんなさい…僕は君の太ももが気になって気になって。


なんでそんなにスカートが短いんだ!


なんでそんなに色が白いんだ!


なんでそんなにカッコいいんだ!


「柳聞いてるのか?」


「え?あ、ごめん、大丈夫大丈夫」


「一緒に帰ろうぜ」


「う、うん」


テクテクテクテク




「い〜けないんだいくないんだ〜ゆ〜た〜ろ〜ゆ〜た〜ろ〜せ〜んせいにゆ〜た〜ろ〜♪」


笑いながら歌を歌い野間さんが近づいてきた。


「駄目なんだよぉ柳っち〜。もぅ」


「の、のまさん…」


「村山さんもあ〜あ〜ワザと?まさかねぇ柳っち待ってたとか?偶然なふりしてんでしょ!いや〜怖っ怖っ怖っ!部活終わるの見計らってとか?こっわ〜!」


「のまてめぇ!」


「無理無理無理無理無理無理。ね、ね、よせてる?髪型、寄せてるよねやっぱ。あんずじゃんそれ!」


「……」「ちょっと野間さんやめなよ」


「柳っち〜あんたも似てないんだから似てないってハッキリ言わないと!ね、全然にてね〜し柳っちに近づきたいから?う〜ん…あんたブスよ」


「……」



パシンッ



「…痛た〜…えぇどして…」


「ちーちゃんいい加減にしなさいよ!」


「さ、さくねぇ…」


「ごめんなさいね、代わりに謝るよ」



「……柳、かえるわ!じゃな」


「村山さん…」


村山さんはどこかに去っていった。



「拓ちゃんもごめん、連れてくから」


「先輩…」


「ほら、行くよ」


「……」



「先輩」


「今日はごめん、また」


「お、お疲れ様でした…」




-C公園-



キーコーキーコー


(似てないなんてわかってるよ…はぁ…)




-駅-


「なんであんな事いうの?」


「だって…」


「ちーちゃんそんな娘なの?」


「……」




-駅前-



(村山さん大丈夫かな…)


「柳君」


「あ、中谷さん、八田さん」


「どしたの?何かあった?」


「え?あ、大丈夫だよ、ちょっとブラブラ気分だし寄り道して帰るよ」


「そぅ、大丈夫?また明日ね。お疲れ」


「うんまた明日。お疲れ」



(公園でも寄って帰ろっと)








「あ…(村山さん…?)」



「む、村山さん?」


「…や、や、やなぎ どした」


「え?ちょっと寄り道しようと…」


「そっか」


寂しそうだった。


いつも強くて恐い村山さんはいなかった。


少し伸びた彼女の髪。


「あはは、似てないよな笑」


「そんなことないよ」


「ハッキリ言えよ、あいつみたいに」


「似てるよ」


「嘘つけ」


「嘘じゃないよ」


「そか、嘘でもサンキュな」


「ほんと似てるって」


珍しく優しくて微笑んだ村山さんは


僕を見て


「お前なんか強くなったよな」


と言った。


色白かどうかわからなくなった19時過ぎ


ショートカットに手をやり


少し右耳に髪をかけた村山さん。


「お前キスしたことあんのか?」


「……え?」


近づく顔



ドキドキと高鳴る鼓動。


顔が近づき



僕は目を閉じた。


パチ〜ン


「イテテ」


村山さんからのデコピン。


「ば〜か笑」


「あはは笑」


村山さんもいい香りだった。



「じゃ帰ろうか」


「うん」


少し元気になった村山と僕は帰った。





(チッ…あいつら…)





「ただいま」


「おかえり〜あ、そうや、あんた町田さんて娘 知ってるか?琵琶湖商業の」


「えぇ!なんで?な、なんで〜」


「はは〜ん、これは知ってる反応やな。お母さんがいつも電話してる人よ、町田さんのお母さんやねん。仕事一緒やねんわ」


「うあっちゃーマジで?めちゃくちゃ足速いから」


「そうなん。そんなんお母さん知らん。智ちゃんに似てたらベッピンやろな〜。その娘可愛いやろ?」


「え?まぁ可愛いかな…モテそうやわ」


「あんたタイプか?」


「はぁ?アホちゃうか!風呂入ってくるわ」


「はいは〜いごゆっくり」







プルルプルルプルル


「もしもし」


「あ、俺、新田」


「どしたん?」


「膝どやねん」


「ま、今年はリハビリするわ。柳?にも言われたし」


「そか。柳も速くなってきたわ」


「大丈夫?」


「洋子どした?」


「私らバレないよね?」


「どもないて」

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