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そこでいいんじゃない  作者: リトルバタフライ
23/41

柳登場

「ただいま」


「おかえり どやった?」


「ん、僕は明日」


「あんたのことは聞いてません笑。」


「あぁなんかな今回100は予選が今日であとは3日目やて」


「は?そんなんお母さん知らんやん。ほら よく電話くれる子は?」


「中谷さんは幅跳び。明日やわ」


「美人の子は?」


「え?誰?」


「ほらあの子よ、ほら、たまに電話ある子よ」


「あー村山さんか?村山さんは陸上部違うし」


「なんやしょーもな。お風呂入ってきて」


「しょーもなって・・・うん」



チャポン



(かっこよかったなー先輩ら)


バシャバシャ




僕は晩御飯を済ませ部屋に入った



コンポに あんずのカセットをセットしたが・・・


カシャ


CDにかえた。


静かに目をつむり 【満タンエネルギー】 を聴いた。


【今日のお腹いっぱいはあなたからのご褒美~明日のお腹いっぱいはあなたからのおかわり?違うっていってるぅ。じゃ私からあなたに満タンエネルギー!答えは明日のあなた次第よ~ファイト!気合いだ!やる気出せ~私の気持ちを連れてって~~~】





「たく~~~電話」


「だれ~~~っ」


「なかたにさ~~~~ん」



ギー



「もしもし」


「こんばんは」


「こんばんは」



シーン


まだお互いぎこちない


「あ、あのさ・・・明日だよ・・ね?・・・5000」


「うん・・・幅も明日だよね?」


「うん・・・どう?大丈夫?」


「うん、ありがと。みんな速いけど頑張るよ。中谷さんも3M50くらいは跳ぶ?」


「え?・・・柳君・・・それってギャグか・・・な?」


「ん?どして?」


「ご、ごめん・・予選通過記録が・・・4M40なんだ・・・」


「ええっ!!中谷さん!それならみんな予選落ちだよ」


「大丈夫よ笑、私5Mは普通に跳ぶから」


「・・・は?5M?」


「うん」


「あ・・・あはは そなんだ・・・」


「うん・・・でさ今日の鵜飼先輩と港先輩凄かったね」


「そうだね。かっこよかったなぁ」


「だよね。惚れた?それからちょっと見たんだけど・・・村山さん・・・いた?」


「ん?惚れる?誰に?村山さんスタンドにいたね」


「まあいいや。いたよねやっぱりぃ・・・はぁ」


「どうしたの?喧嘩でもした?」


「別に・・・村山さん言ったよね」


「何を?」


「え?聞いてないの?じゃ内緒」


「ねぇ教えてよ」


「ダメ、絶対言わないから」


「パフェおごるから」


「ダメ」


「え~~~っ仕方ないか…」


「そだ!明日頑張れるように 気合注入したげるね」


「あ・・・」


「どしたの?」


「いや別に。じゃ満タンでお願いします」


「あはは了解!ほいっ ファイト!頑張れっ」


「じゃ僕も  中谷さんファイト」


「ありがと笑」


「こちらこそ笑」


「柳君少し痩せたね」


「うん、消費が栄養を奪ってる笑」


「だよね・・・それでもカッコいいよ」


「・・・・え・・・」


「じゃまた明日おやすみ」


ガチャ  プープープー





「いつまで受話器もってんの!はよ置きなさいな!ほんまに 痩せてからに」


「お母さん・・・もしかして」


「何?」


「会話聞いてる?」


「何でよ、しょーもな。あんたらに興味ありません」


「そやんな・・・でも何か・・・」


「はよ部屋いって寝ろ」


「うん、おやすみ」




ー中谷ー





あちゃ~~ちょっと・・・言ってしまった・・・


村山さん…柳君好きなんだもん。


明日も来るんだろうな



【ヴュバシャ~~~~~ッワテッシュラ~~~いくぜ~~のってけこら!いくぜー限界までのってけーーーーーハリーズ最新作!!  <ラメってんじゃねーよ!>聴けこら】



私はフセンハリーズのライブビデオを見ながら眠気に襲われた。



<キラキラしてんじゃね~~~よ!お前の役目はデコレーション?お前の役目はデコパッチン?バカかお前は!バカかお前は!めくれてクルクルしてんじゃねーよ!!キラキラしてんじゃね~~~よこらぁ!でもさっ       好きだぜ  眩しいお前が~~~ビュバッツテワチャーーーッ>





あ・・ちょっと寝てた・・・もう、また見逃したよぉ。


トントン


「は~い」


「失礼いたします」


「木野!うううん、もう木野さんにする」


「いつも通りで結構ですよお嬢様」


「ね お願い、お嬢様ってやめて笑 ちょっと・・・いやなの」


「では何とお呼びいたしましょうか?」


「そうねぇ、モモさんでお願いできます?」


「・・・モモ・・・さん・・・でございますか」


「うん!決まりね笑 木野さんとモモさん」


「は、はい、あ、こちらが あんずの カセットとCDになります」


「ありがとー!木野さん聴いてる?あんず」


「はい、・・モ・・・モモさん明日試合でございましたら是非CDの方の満タンエネルギーをお聴きになられたらよいかと」


「へーなんかもう満タン笑・・って・・・ちょっとねカッコいいって・・・言ってしまったの」


「はい?」


「ほら・・・よく電話する・・・」


「あぁあ!楽しくお話されてる方に」


「うん・・・ポロっと・・・ね」


「いいではないですか、素直なお気持ちなんでしょうから」


「・・・ポロっとねポロっと いっぱいいるんだ彼を好きな子」


「そんなに?」


「うん、なんだろ、何の魅力だろ・・・母性なのかな・・・アホなんだけど・・・」


「(お・・・お嬢様が・・・いえる・・・)そうですか」


「でもボーっとしてる表情から真剣にかわる ギャロップがたまんない」


「(・・・ギャップかしら)そうでございますか」


「クラスにめっちゃ色白くて美人な子いるんだけど、好きなんだって。堂々と言ってたし」


「(もうモモさんも好きって言ってるようなもんです)モモさんもその方が好きなんですね」


「さぁ違うとおもうなぁ」


「(違うんかい!)え?ではお友達?」


「ん・・・彼見てるとドキドキするときがあるの」


「(どやねん好きなんやないか)そうですか」


「うん、クラスのその子・・・あんずヘアしてきたの・・・はぁ」


「(はいはい確定。恋愛中)負けてられませんね」


「でしょでしょ!ねぇどうかな」


「(素直になりなさい)はい?なにがでしょう」


「どっちが好きだと思う?あ、まだ先輩もいるんだけど」


「(えーーーーっ知らんし)きっとモモさんですよ!その方は」


「はぁ・・・違うだろうな・・・」


「(・・・どやねん)あ、そろそろおやすみに」


「うん そうね。ありがと。聴きます。今日はハリーズ聴きながら寝るけど」


「いつも思うのですが、ハリーズでおやすみになれます?」


「うん!熟睡よ」


「さようでございますか笑 では失礼いたします。おやすみなさいませ」


「おやすみ」





スースー



<ビャビッシュオラエアガシュレワチャー!!>









ー翌日ー




「いってきま~~~~す」


「はいはい ま、頑張り」


「うん、お父さんは?」


「土曜は早朝野球やろ!行ったわ」


「そうやった、じゃ」







ー競技場ー



「おはようございます」「おっす」「おっはー」


「拓ちゃんおはよ」「おはようございます」


「柳君おはよ」


「中谷さんおはよ。頑張ろうね」


「うん」


「あ・・・港先輩おはようございます」


「おはよ」


「港おっはー」「・・・・」


「中谷・・・おはよう!」


「おおおおおはようございます」


「・・・うん」



大会第2日目


いよいよ僕の5000M予選の日。


「柳、張り紙みたけ?」


「上条先輩 何がですか」


「5000変更で組はそのまま、6着+4やしな、そやしお前は やり投げやしな」


「マジっすか!・・・ほれやったら遠投ないんすか」


「アホか!誰がお前みたいなモヤシに やり投げさすかい!!」


「(何言ってんだ?)え?僕5000なんすよね?」


「いちいち聞いてくんなよ。登録は5000なんか?」


「はい」


「ほな5000じゃ!!あほか まぎらわしい」


「(うわぁ ややこししたん あんたやないか)すんません」


「拓ちゃん大丈夫?朝起きて変化ない?」


「何がっすか?」


「え?なんかほら目がピンクになったり足が5本あったりしない?」


「(うわぁ・・・やっぱ1つ上の先輩ってヤバいよな)あはは ないっす」


「まだわかんない、走る前に他の選手の靴が穴開くかも!ね」


「・・・ふっ・・・ふははははは 先輩大丈夫ですって。ちゃんと17分半で走りますから」


「だってだって佐々木凛さん14分台できっとくるよ」


「大丈夫っす。浜田君と周回遅れはないって約束したんですから!ね浜田君」


「そうっすよ!14分台できてもちゃんと17分半で周回遅れはしませんから!」


「(ほら・・・急に真剣な顔になるの。このギャロップがたまんない)うん大丈夫」



「(この子ら・・・・アホ満開やな・・・計算できないんだろうな)そか!頑張れ」


「はい」「はい!!」


「中谷、あなたも幅 頑張りなよ」


「はい、有難うございます」


「うん。でさぁ拓ちゃんって笑ってたかと思うと急に真剣になるね、いつも?」


「ですよねぇ、教室でもチョクチョクあります」


「そうなんだぁ、あのギャップがいいよね」


「(ギャップ?・・・)」


「ね、中谷もドキッとするでしょ」


「ま、たまにはギャロップいいですけど」


「は?拓ちゃんにギャロップある?」


「さっきもしたじゃないですか」


「いつ?」


「さっきです」


「そんなに力強い?って馬の話?」


「へ?」


「(もしかして中谷・・・ギャップのことか)あの二面性いいよね~~ギャップがたまんないね」


「あはは・・ですよね(ギャップなんだ・・・)」





「おはようございます!大会第2日目、今日も晴天の競技場。生駒さん、いやぁ昨日はしびれましたね」


「おはようございます。はい、特に女子1500は大接戦で私も久しぶりに震えました」


「そうでしたね。わたくしも大興奮いたしております。では本日もよろしくお願いいたします」


「こちらこそよろしくお願いします」








女子200M予選 


余裕の通過    


優信


1年  青木ミカ

3年  小泉 三田村


緑学園


1年  福田


琵琶湖商業


1年 相馬 井ノ口  宇野


東高 


2年  本村 真田



そして女子走り幅跳びの予選が始まった。


踏切りの確認動作だろうか・・・マリオポーズが沢山いた。


中谷さんも  チャリンって してた。


タタタタタ バンッ 


「4M56」 「4M12」 「5M12」「5M36」


中谷さんだ


タタタタタバンッ


「5M25」


予選通過していた



「5M67」




「・・・・え?」






ー優信テントー


「あはは拓ちゃん顔白いよ大丈夫?」


「へい・・」


「へいって 15時が長ーく感じるね」


「へぃ」


「浜田も頑張りなよ」


「鵜飼先輩、なんでいつも浜田なんすか・・・たまには明とか あっ君って言ってくださいよ」


「おえっ!浜田は浜田じゃない!違う呼び方したら頭おかしいでしょ」


「??一回でいいんです、お願いします」


「副島、浜田が下の名前で呼んでってさ」


「浜田?誰?」


「(チーン)副島先輩、僕が浜田です」


「そう、どうも!ごめんね中長と絡みないから。で、なんて呼んだらいい?」


「もぅ浜田でいいです」


「そう、柳君も頑張りなよ」


「はい」


「えーーーーっ中長と絡みないんとちゃうんすか?」


「うんそうよ」


「何で柳君知ってるんですか?」


「え?みんなも知ってるよ。普通覚えるっしょ」


「僕はどうして・・・」


「あーもーめんどくさっ!さっさと走ってきたら?」


「15時から試合ですやん」


「そう、じゃ早いけどサブトラいったら?」


「邪魔っすかね僕」


「ううううん うるさいだけ」


「・・・・あはは・・・」


「じゃ静かにして」


「はい」




「中谷お疲れ」「お疲れ様」


「お疲れ様です、予選通過しました」


「決勝何時?」


「15時です」


「そっか、じゃ5000と一緒だね」


「はい」


「中谷ぃ残念だねぇ えへへへへ」


「ちょっと先輩っ」


「あそうだ、今日も色の白いボブの子きてるぅ笑」


「(えーーー)そうなんですか、誰です?」


「またまたぁ同じクラスなんでしょ?本読んでる知的な子」


「あー村山さんですね。あれ漫画ですよ」


「漫画?」


「はい、花ケ崎の」


「マジで!!借りて」「私も」「中谷お願い私も」



「・・・・ははぃ聞いてみます」


「よいしょっと」


「あ、中谷さんお疲れ。通過おめでとう」


「うん有難う。柳君5000頑張って」


「頑張る。幅の決勝と同じ時間だね」


「うん。なんか嫌なんだよねー」


「どしたの?」


「うん予選からめっちゃ跳んできたの。琵琶湖商業」


「えーーマジで?何か琵琶湖商業ばっかりだね」


「うん、柳君は大丈夫?」


「え?ちょっと見てみる」


ペラペラ


「あ」


「どしたの?」


「浜田君の組に 倉田って人と酒井ってひとがいる。で僕の組に 山本って人がいるよ」


「そう、男子もいるんだね・・・ちょっとマークしときなよ」


「うんって・・大丈夫だよ、もっと速いだろうし」


「頑張れ頑張れ」






「ほら鵜飼 見てみな、あの二人仲いいよね」


「副島、ただ話してるだけだって」


「そうかなぁ中谷の顔、嬉しそうだもん」


「・・・ほんとだね・・」




そして時間が過ぎた




「じゃ浜田君行こうか」


「うん」



僕は浜田君とアップに行った。


中谷さんはもう先に行っていた。






「おおおおおおっ!!流石ですね生駒さん」


「はいっ速いです、すごいです!」




女子200M決勝


1着 青木ミカ  24秒21


2着 福田    24秒30


3着 相馬    25秒88


4着 井ノ口   25秒93


5着 宇野    26秒14


6着 三田村   26秒16


7着 本田    26秒22


8着 真田    26秒29

   











「ゴーゴーレッツゴーレッツゴー優信ゴーゴーレッツゴーレッツゴー浜田」



パンッ



浜田君は黙々とタイムを守って走っていた。


「いいよ浜田!!浜田ファイット優信ファイット」


「優信ファイット」


6人が自動決勝。


東高の双子 佐々木涼さんが引っ張っていた。



「やっぱ東高はえーな」


「だな、けどあいつらもいいぜ」


「あぁ。男子もいんのかよ琵琶湖商業」


淡々と先頭集団についている倉田と酒井。


1000Mを 2分58


2000Mを 5分55


3000Mを 8分55


4000Mを 11分55


5000Mを 14分55


計算されたように 1着で 佐々木涼さん


島田さん、山岡さん、持田さん、夏川さん、室谷さんがはいっていた。



浜田君は17分19秒でゴールした。







「さぁ続きまして2組まもなくスタートです」





「あ、君かな?優信の1年生は」


「は、はい、柳です」


「どうも、東高の佐々木です。よろしくね」


「はい、こちらこそよろしくお願いします」


「ど~~~も野球部さん」


「・・・あ・・・やぁ」


「ま、頑張って~~~!凛さん宜しくっす」


ニコッ


「態度悪いよなぁ笑 ほんとエリート学校?」


「ま一応」


「そう、じゃ頑張って」


「は~~~い」



「ねぇ君野球部なの?」


「え?あ中学はね・・・(琵琶湖商業・・・)」


「ふ~~ん僕サッカー部」


「そうなんだ」


「うん、マッチーに誘われたから入ったけど」


「マッチー?」


「うん、昨日 君話してたでしょ、うちのテント前で」


「(あ・・・お手柔らかに の人か)そうなんだ」


「うん、でさ、手抜いてあげたら?っていわれてね・・・でも怒られるし」


「はい・・・(ちょっと不思議な人だな)」


「だからごめんね」



パンッ




ダダダダダダ



「さぁ始まりました男子5000M予選2組。生駒さん やはり注目は」


「そうですね、東高の佐々木凛選手でしょう」


「そうですね他にも児島選手 山田選手」


「どうでしょうか、縦長の展開でよろしいでしょうか」


「はい、佐々木選手を先頭に少し縦長です」


「まもなく1000Mです」


1000M2分56秒


「いかがでしょうか」


「そうですね ばらけてきました」




「ゴーゴーレッツゴーレッツゴー優信イケイケ柳 頑張れ柳」


「柳ファイット」「優信ファイット」


フィールドから声が届く


砂場から  「優信ファイト!柳君ファイット」



(あ・・・もうしんどいよ・・・)


僕の前には沢山選手が見える


(先頭集団に・・・いた・・・ミド高の佐久間だ


・・・・あ琵琶湖商業の・・・えっと・・・山本だったな・・)




「拓ちゃんファイット」「おいこらおちんなよ」


(鵜飼先輩・・・上条先輩・・・これでも頑張ってんすよ)




「柳!がんばれ」


(だれだ・・・あ・・・村山さん)


「君がんばれ」


(昨日の・・・美術部の人)


「ゴーゴーレッツゴーレッツゴー優信」


(いっぱい応援されてるよな)



僕は2000を6分49秒で通過した


ジワリジワリと離されていく


「いいよ柳!つけつけ」「柳君いい感じ大丈夫」


(あぁ坂下先輩と鈴木先輩か・・・しんどいよ・・・)


「柳ファイット」


(あ・・・福田さん・・・有難う)




「生駒さん3000を9分06で通過しました」


「はい、このままいきますと15分前半のタイムでしょうね」


「東高の佐々木凛選手が引っ張ってますが・・・緑学園 佐久間選手 琵琶湖商業山本選手もいいですね」


「そうですね、まだこの2人は1年生です。期待できますよ」



僕の3000は10分14秒で通過


(はぁ・・・しんど・・・)


「頑張れ!」


(村山さん・・・立って応援くれてるんだ・・・)


「柳君ファイット」


(はは・・・中谷さん・・・マリオポーズか・・・中谷さんも頑張って)



「柳ペースいいよ!キープキープ」


僕は思い出していた




「ねぇお父さん、どうして今日もバンビーズは負けたの?」


「あはは、そりゃ勝負事は勝ったり負けたりするさ」


「でも、違う選手が出たら勝ってた?」


「さぁどうかな。今日出た選手はチームの中で調子がよかったんじゃないかな」


「じゃ勝はずだよね?」


「相手がもっと調子がよかっただけさ」


「ふ~~ん」


お父さんは小さい頃の僕には 実力差 を話さなかった。


いつの間にか上には上がいると知った。


あのまま野球部なら 僕の人生違ってただろうな。


いい風になってたかな・・・逆かな。


あれこれ考えながら走っていた・・・



ダダダダ



僕の目の前を佐々木さん達が走り去っていった。



佐々木凛  15分09秒






「はい君 もう一周ね!」


(・・・・・)



僕は   17分03秒でゴール。


(あ・・・30秒ほど速かったぞ!!)



「お疲れ様、頑張ったじゃないか」


「さ、佐々木さんお、お疲れ様でした」


「お疲れ様。またな」


「はい、ありがとうございました」


「やぁお疲れ様」


「あ・・・琵琶湖商業の」


「うん、ごめんね、なんかぁ2着になっちゃった・・・」


「え?そうなの?一周間違ってない?」


「それなら大変だ。じゃ君の分まで決勝頑張るよ」


琵琶湖商業 山本  15分16秒




「だっせー周回遅れかよ」


「・・・・」


「まぁあこんなもんっしょ。萌々愛によろしく~~~~ってアイツ予選落ちてたり?プププ」


「あのさ!ほら中谷さんいるよ!中谷さんの悪口言うな」


「おーおー反論するんだ!やるねぇ。ま、ヘボはヘボだし ほんとやめちまえ」





ー優信テントー


「あ・・・」


「鵜飼どした?」


「ほら絶対何か言われてるよ」


「うん、てかお前さ柳を構いすぎだろ!一人で解決させろよ」


「だって、可哀想じゃない」


「可哀想って いつまで面倒みるねん!アイツあかんくなるぞ」


「じゃ見て見ぬふり?」


「今はそんでいいやろ、ちょっと構うな」


「でも・・・」



ーゴール付近ー



「ま、君は所詮そんなもんさ、はいはいおつかれー」


佐久間  15分17秒




「・・・あのぉ」


「え?何・・・何か用?」


「体操服の子に色々言ってたけど」


「は?それが?」


「君は僕より遅いよね?しかもさっきので限界そうだし」


「なんだよ」


「だから・・・僕より遅いんだから、君も大したことないよ。じゃ」


「待てこら」

 

「じゃーねー。あ、次むかってきたら      お前ぶっ潰す!!    じゃ」



「・・・・」






テクテク



「よっ」


「あっ村山さん」


「お疲れ」


「ありがとう・・・かっこ悪い所みせちゃったね笑」


「全然」




(あ、柳君だ。私5位で近畿行くの。報告報告)


「や~な~ぎ・・・・村山さん!!」


「よっ」


「中谷さんお疲れ。どだった?」


「うん、5位だよー」


「ほんと!おめでとう」


「おめでとう」


「ありがとって何話してたの?」


「あはは かっこ悪い所みせちゃったって」


「頑張ったよ柳君。ね村山さん」


「あぁ カッコよかったぞ」


「あ、ありがと」


(柳君うれしそう)


「じゃ帰るわ。またな」


「今日はありがと」


「いいって!じゃな」






「村山さん、ホントに柳君を見に来たんだね」


「たまたまだよ」




汗ばんだ顔に体操服の柳君


夕日に映る横顔が素敵だった。


私は自分が入賞して嬉しかった感情が


彼の横顔に全て奪われた。


17分30秒で走りますと言って30秒縮め


周回遅れはされませんと言って見事に抜かれ


それでも何かやってくれそうな彼が素敵だ。



「や、柳君・・あ、あのさ・・・」


「中谷さんどうしたの?」


「えっとね、私ね」





「拓ちゃん、中谷おつかれーーーー」


「お疲れさまです」「お疲れ様です」


「やったねー30秒縮めたねぇ。次はもう16分台だね」


「あはは頑張ります」


「うんうん、中谷どだった?」


「え、あ、おかげさまで5位です」


「おーーー!近畿やん。すげー」


「ありがとうございます」


「じゃ戻ろう戻ろう」


「はい」


「はい」







「おつかれー」


「柳、浜田、中谷頑張ったな」


「ありがとうございます」「ありがとうございます」「ありがとうございます」



「青木に新田、小南、三田村 まだまだいくぜ近畿」


「だな、中長1年はこれからこれから」



大会第2日目


男子5000M


浜田明 17分19秒 予選敗退


柳 拓 17分03秒 予選敗退


女子走り幅跳び


中谷萌々愛  5M46 5位入賞


女子100M


青木ミカ  24秒21  1位


三田村   26秒16  6位


男子200M


小南陽太  21秒32  1位


新田昴   21秒49  2位


その他


女子高跳び・女子やり投げ・400×100女子


優信選手は近畿大会に出場する。








「ただいま」




「おかえり!どやった?」


「うん、予選落ちやったけどタイム縮めたし ちょっとよかったかな」


「そうかぁお疲れさん」



僕は部屋に入り あんずのポスターを見た。


また目が合った(・・・なんでもそうなんだよ柳君)


「このポスター最高!!」


深く息を吐き、座った。


珍しくミド高の佐久間がチラチラと脳裏に


「あーもう!!」


テレビをつけた




『パリポリパリポリ!あ~おいしいわ~!もうあなたは食べた?えーまだなの?』



プチッ




新しいアイドルだろうか、スナックをほおばり物欲を誘う。


いつもみたいに あんずのカセットを聴いた



【いつも一緒が当たり前。今日の一緒も当たり前。明日の一緒も当たり前。そんな当たり前がなくなると~ぽっかりあいた当たり前。君の心に浮かぶ顔。ずっと一緒って言ったじゃない。絶対一緒って言ったじゃない。バランスのとれない二人に別の当たり前がやってくる。少し私はおくれちゃったね。ごめんね、先に進んで。靴紐を結びなおした私は~あなたを送り出すための時間稼ぎ。ありがとう。もう言わないから。明日からは違う当たり前を私も見つけるから】




「はぁ・・・なんかせつないな・・・」






トントン



「はい」


「萌々香はいるよ」


「パパ」



「どうだった?カレー君は」


「うん、すんごい頑張ってた」


「そっか、萌々香が応援行くの初めてじゃないかい?」


「そんなことないない、中学ほら部活の応援いってたじゃない」


「そっかそっか」


「うん、そんなに速くなかったけど、うん頑張ってた」


「あれ笑 嬉しそうだね・・もしかして萌々香」


「もうパパ!やめてよねー」


「あははごめんごめん。じゃ早く寝なよ」


「うんおやすみ」




バタン




「ふぅ・・・お疲れ様・・・聴いて寝よっと」




【いつも一緒が当たり前。今日の一緒も当たり前。明日の一緒も当たり前。そんな当たり前がなくなると~ぽっかりあいた当たり前。君の心に浮かぶ顔。ずっと一緒って言ったじゃない。絶対一緒って言ったじゃない。バランスのとれない二人に別の当たり前がやってくる。少し私はおくれちゃったね。ごめんね、先に進んで。靴紐を結びなおした私は~あなたを送り出すための時間稼ぎ。ありがとう。もう言わないから。明日からは違う当たり前を私も見つけるから】



「・・・・・」





























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