負けるな
ガラガラ
「おはよー」「おっはーコニタン」
「おはよー尾花さん」
「おはよう」「柳君おはよー」
「柳っちーーおはー!ねぇえ聞いてる?おはよう!お・は・よ・う!」
「ぉはよ」
「聞こえないー聞こえない聞こえないーーーだ!柳っちのアポン!もう!でも好きよっニコッ アハッ」
「・・・はぁ・・・じゃ!」
「あ、柳君おはよー」「浜田君おはよー」
「中谷さんおはよ」「ぉはよ・・・」
「...」
ガラガラ
「!!!!」「・・・・??」「はい?」「ん?」
「野間っのけ邪魔だ」「…え?あ、はい」
今、目の前にいるのは誰だ。
「よっ!」
「おおおおおは・・・よ…その…おはよ… 照」
「どしたじっと見て相変わらず変態だな笑」
「え?あ・・・」
「ビックリした〜!村山さんどしたん?めっちゃ切ったやん!しかも黒いし。ほんまどしたんよ?」
「ん?気分転換。カニシさんどう?」
「いい!めっちゃいい。もう私カニシでいい。めっちゃいい。ね、中谷さん」
「うん!ビックリしたけどめっちゃ似合ってる。すごくいい可愛い。ほんと可愛い」
(あんずヘアだ・・・柳君・・・やっぱりみとれてる)
「柳、どう?」
「・・・・うん(めちゃくちゃ可愛い)」
「ん?」
「だから、うん!」
「うん?」
「うん。いい。うん」
今日は転校生が来た気分だった。
ショートボブの黒髪。色白のミニスカートが隣にいる。
「はぁ・・・」
前の席から溜め息が聞こえた。
ガラガラ
キーンコーンカーンコーン
「はいはい座りなさいよー!あら村山さんいいじゃない」
「・・・ども」
「Xがこうなって・・・こら静かにしなさいよ!」
前の席から手紙が来た
カシャカシャ
<あんずみたいだね、村山さん>
(中谷さん・・・)
カキカキ
トントン
カシャカシャ
<ビックリしたね>
サッ
カシャカシャ
<あの感じ好きでしょ?柳君>
カキカキ トントン
カシャカシャ
<だね笑>
サッ
カシャカシャ
<よかったね>
カキカキ トントン
カシャカシャ
<なにが?>
返事は返ってこなかった
キーンコーンカーンコーン
ガガガ
村山さんは席を立ち教室からでていった。
中谷さんは前を向いたまま。
「まっいど毎度!」
「あ!原君」
「おじゃま虫ーー」
明るく爽やかに8組から参上した原君は、何も知らずに村山さんの席に座った。
「あ、あのさ・・・その席・・・大丈夫かな・・・」
「ん?なんでー?」
「え・・・その・・・今は普通の感じなんだけど・・・昨日までは・・・」
「は?拓なんや?どないしたねん」
ツカツカツカ
「チッ誰だよお前座んなよ!ボケ」
原君はゆっくり振り返った。
「ん?俺は原!お前は?」
「は?のけよてめぇ」
村山さんは上着のポッケットに両手を入れガンを飛ばしていた。
でも・・・髪型と髪色なのかな・・・ちょっと無敵感が薄い。
「あはは お前スカート短っ!!はいてんのけ?」
(うわ・・・原君・・・言ってるよ・・・)
「・・・お前も変態かよ」
「ん?俺も?つか色白いよな」
「こいつと同じなのか?」
と僕を顎でさしていた。
「へー拓そうなん笑?大丈夫!俺は胸派やし」
「アホかお前!のいて。座るから」
「じゃ俺の膝に座れよ!」
「お、おまえ・・・」
少し村山さんの顔が紅かった。
「拓、また来るわー」
「うん、ごめん用事だった?」
「どもない。体育館でバスケ女子がお前の話してたから」
「僕の?」
「おう。ま な。ほなまた言うわ」
「うんまた」
「はぁ・・なんだよあいつウザッ」
「8組の原君」
「ふ~~んって座らせんなよな」
「ちょっと村山さん顔紅かったね笑」
「・・・泣かすぞ!」
「ごめんっ!」
キーンコーンカーンコーン
「じゃ明日」「ばーい」「しーゆー」「グッドバイ」
トントン(部室)
「入れ」「失礼します」
「柳どうや?この肉体美(上条先輩)」
「きてますよ(こないだの浜田君のことあるし・・・ほめとこ)」
「そうやお前5000佐々木と一緒らしいやんけ」
「佐々木?あ・・・双子のですか」
「おう、あいつに勝てよな!あいつの彼女は鵜飼を7位に蹴落とした倉本や」
「あ・・・そうなんすか・・佐々木さんってそうなんすか。僕!勝ちたいっす・・つか勝ちます」
「そうなんすかて柳!彼氏として負けんなよ!」
「はい?彼氏?誰がです?」
「誰がて君じゃないか柳拓君。君ですよ君」
(何このしゃべり方)
「ちゃいますちゃいますって」
「アホか!誰が見てもそう思うわい!」
「はぁ?ないですって」
「ほなお前は鵜飼が嫌いなんか?」
「あの・・・どしてそうなりますの」
「ほな好きなんか?どっちやねん」
「え?どっちかって言われると・・・結構…」
「ほなカレー味のう〇こか う〇こ味のカレーどっちにするよ」
「上条先輩・・・大丈夫っすか」
「どっちやねん!俺は食わへんけどな!」
「(なんやねん・・・)僕も食べませんよ」
「あかん!お前は一週間何も食べてへんねん。目の前にサッと出されたら、な、はよ」
「先輩はどっちなんすか」
「俺は一ヶ月どもないから食わへん」
(このゴリラどついたろか)
「無理っす」
「わかった!お前とは絶交な」
(・・・アホすぎやろ。小学生でも言わんぞ)
「そんなん言わんといてくださいよ」
「まええわ。鵜飼の件は女子に聞くわ」
ガチャ
上条先輩は部室を出て表にいる女子に聞いていた。
「えー先輩と後輩」「うん、仲いい先輩と後輩」「鵜飼と柳?先輩と後輩」
ガチャ
「柳!わかったやろ!だからお前と鵜飼が先輩と後輩ってゆーたやないけ!勘違いすな!」
「・・・ゴリラ・・・」
「なんかゆーたけ?」
「でしょ!やっぱ先輩と後輩ですやん」
「ま、俺はわかるぜ。鵜飼はお前にぞっこんラブ!!」
「ぞっこんラブ笑」
「ほな気張れよ!てなことでヨロシクメカドック」
「・・・はい(でた)」
「集合!!お願いします」「お願いします」
「明日から総体や!1年場所取り・部旗・道具忘れるな!」
「はい」
「3日間全力で挑め!そして近畿・全国・いくぞ!」
「はい」「はいっ」
「お母さんただいま」
「お帰り、5000はいつ?」
「2日目予選、3日目決勝」
「そう、頑張りや」
「うん、お風呂先入るわ」
ガチャ(体重計に乗る)
「47㌔か・・・」
チャポン
「ふぅ・・・」
パシャパシャ
「がんばろ」
ガチャ
短髪にドライヤー笑
乾かさないと柳さんは風邪をひくらしい。
ブーー
(村山さん・・・可愛かったな)
プルルルルプルルルル
「はい柳でございます。ちょっと待ってね」
「はいかわりました」
「拓ちゃん、明日から頑張ろうね」
「はい、先輩1500明日っすよね?」
「うん、そうだよ頑張る」
「ですね」
「あ・・・ありがとね」
「はい?」
「上条から聞いたよ」
「え?」
「佐々木に勝つって言ってくれたんだね。気持ちが嬉しい」
(あちゃーあのしゃべりめ)
「あはは・・・ま・・無理なんすけど・・・」
「そんなことない!そんなことないよ。佐々木 コールもれかも・下痢かも・ユニホーム忘れるかも」
「・・・(2年の先輩ってヤバいのか)ですね」
「うん、拓ちゃん頑張って。私は倉本さんに勝つから」
「僕なりに頑張ります」
「うん、ミド高もいるんだよね。大丈夫!朝起きたら拓ちゃん13分台かも。起きたら宇宙人かも」
「あはは先輩、有難うございます、頑張りますから」
「うん・・・好き!」
「え・・・あ…」
「私陸上大好き」
「あはは・・・あははははは・・・はい、僕も早くそうなりたいです」
「うん、じゃ明日ね」
「はい」
ガチャ
「ふぅ・・・」
「ええ、はい、私がですか?はい、いいんですか?わかりました喜んで」
「知花、何だったの?」
「うん、明日からの高校総体のサポートリポーターとちょい実況だって」
「はぁ?あなたが?」
「うん教育実習前にって」
「命律大からわざわざ?」
「うん真鍋監督直々に」
「そう、でも母校に肩入れはダメよ」
「大丈夫大丈夫。でも優信気になるなー」
‐翌日‐
「さぁ始まりました全国高校総体県予選・滋賀大会。司会進行の高坂です。そしてスペシャル
サポーターといたしまして命律大の 生駒知花さんにお越しいただいております。
どうぞよろしくお願いいたします」
「よろしくお願いします」
「生駒さん、優信高校やはり気になりますか?」
「はい、母校でもありますので」
「注目はなんといっても女子3000の坂下選手ですね」
「そうですね、しかし他に鈴木選手、本橋選手、女子1500には倉本選手・鵜飼選手・港選手、後1年生で100・200の青木選手が有力だと」
「ですね~やはり優信高校が抜けてますかね?」
「緑学園の1年生 福田選手も注目ですよ」
「男子はいかがでしょう」
「短距離は珍しく優信の1年に2人いますね。小南選手と新田選手」
「あの全中の小南陽太選手ですね」
「はい笑。優信を選んだのには正直ビックリしました。ただ面白いのは新田君の方ですかね。スタートさえ決まれば10秒台できますよ」
「楽しみですね。他には」
「投てきは上条選手・西村選手・清水選手。長距離は佐々木兄弟に注目です」
「有難うございました。では開催です!」
「ゴーゴーレッツゴーレッツゴー優信!イケイケ常山!イケイケ北川」
‐男子1500M予選‐
常山 4分37秒09 予選敗退
川上 4分49秒78 予選敗退
北川 4分26秒24 決勝進出
1500M各組主な予選タイム
佐々木凛 4分9秒04 佐々木涼 4分10秒03
村上 4分12秒23 山田 4分12秒88
山本 4分17秒54 島田 4分18秒01など
‐女子100m予選
青木ミカ 12秒21 通過
岡本 12秒89 通過
葉山 12秒88 通過
福田 12秒42 (緑学園)
橿原 12秒99 (南山高校)
服部 13秒09 (東高校)
「お前優信行ったんや!」
「うん、金森君は東高なんだね」
「あぁ…てかお前大丈夫?」
「何が?」
「優信よ」
「うん、楽しくやってるよ、ライバルもいるし」
「ライバル?」
「うん、新田昴君」
「まじかよ!新田も優信かよ」
「うん」
「そか、でも、ま、リレーはないだろ?」
「仕方ないよ、短距離2人しかいないし」
「…あはは琵琶湖商業みたいだな」
「だよね、あそこも名門だけど女子だらけだよね」
「商業高校だから仕方ないな」
「うん」
「じゃ決勝で会おうぜ!ダークホース金森だぜ」
「うん、必ず残ってね」
「おう!」
-男子100m予選-
小南陽太 11秒51
新田昴 12秒11
金森大輔 12秒29
丸山奏汰 11秒50
ザワザワ
「誰だよ丸山って」
「知らないよ…つか琵琶湖商業…」
この年、琵琶湖商業高校は優信と同じく
男子が集まっていた。
小南陽太、新田昴 共に流したタイムだったが…
丸山奏汰も同じく流しタイムだった。
小野寺先生の話を小南と新田は聞いていた
「とりあえず2次予選だな。油断するなよ。あの琵琶湖商業はちょっと手強いぞ」
「はい」「楽勝っす」
「新田!油断をするな!わかったか!お前流しすぎだ!!」
「はいはい」
「…こらっ!」
まだまだ鉄拳制裁の時代。
気にせず新田昴は小野寺先生に噛み付いていた。
「只今より女子1500m予選を行います」
1組のスタートラインに鵜飼先輩がいた。
「ゴーゴーレッツゴーレッツゴー鵜飼!ゴーゴーレッツゴーレッツゴー鵜飼!イケイケ鵜飼イケイケ鵜飼!負けるな鵜飼負けるな鵜飼頑張れ鵜飼!頑張れ鵜飼!」
位置について パンッ
「さぁ始まりました女子1500m予選1組、どうですか生駒さん」
「はい、いいですよ〜これは琵琶湖商業高校の中瀬さんが引っ張ってますね」
「1組どうでしょうか」
「はい、注目はやはり優信の鵜飼さんですが…琵琶湖商業の中瀬さんいいですよ」
春季高校総体。
圧倒的強さを誇る優信高校に
琵琶湖商業高校・緑学園・東高校が牙を剥く。
「200の通過タイム37秒です」
「中瀬さん攻めてますよ〜」
「ハァハァハァハァハァハァ」
「400mの通過タイム74秒です」
「ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ」
「中瀬さんいいですよ〜やはり鵜飼さんついてますね」
(鵜飼…ハイペースだね…我慢だよ)
(先輩…なんかわからんすけど…速いっすよねこれ)
(サクラ、大丈夫!貴女は大丈夫)
(予選だよな…誰だ中瀬って)
1500m予選1組に現れた1年生の中瀬。
中学時代はバドミントン部だったらしい。
「はっはっは中瀬さんいいですよ〜その調子」
「香月先生!琵琶湖商業の1年生集まりましたね」
「はい笑 必ず陸上部が速いとは限りませんから笑」
「しかし目の付け所が笑」
「優信さんには申し訳ないが、今年からはウチの時代ですよ。あはははは」
「1000m通過タイムは3分21秒」
「生駒さん、中々のペースですよね?」
「…予選ですよね…しかも…鵜飼さんしかついていません」
カランカランカランカラン
「優信ファイト!鵜飼ファイト!」
「中瀬ファイト!」
負けず嫌いの鵜飼先輩はピッタリついていた。
確実に決勝に残れるのに
離れない。
予選で4分40くらい出してくる勢いだった。
「ハァハァハァハァハァハァハァハァ」
残り500 鵜飼先輩は一気にペースをあげた。
「いいですよ鵜飼選手、中瀬さんを抜きましたね」
「まだわかりませんよ、追ってますよ中瀬さん」
「予選ですよね?」「はい予選からハイペースです」
「一着!優信高校 鵜飼さん4分43秒61。2着琵琶湖商業高校 中瀬さん4分50秒76」
「ハァハァハァハァハァハァ」
「ハァハァハァハァ決勝負けませんから!」
「ハァハァハァハァはいはい、おつかれ!」
(…まだ1年生…か…)
「2組スタートです!」
「ゴーゴーレッツゴーレッツゴーレツゴー港」
「ゴーゴーレッツゴーレッツゴーレツゴー港」
「イケイケ倉本・レッツゴー倉本」




