分かれ道
「おはよー」「おっす」「モーニン」
「柳っちおっはーーー」
「あ…野間さん…」
「うーんもう!愛想ない、ね、聞いてる?愛想ないない、いないいないばーだぞ!」
「・・・最近どうしたの?何かあったの?」
「ねぇねぇ野球しなよー君のスコアつけたいよーねぇ柳っちーー」
ガラガラ
「・・・馬鹿かお前邪魔だ」
「・・・汗」
「あ、村山さんおはよ」
「お、おっす」
ガラガラ
「柳君、村山さんおはよ」
「中谷さんおはよ」
「よ」
ガラガラ
「・・・・ぎゃはははは浜田どしたん?」
「プププまじか!なんやその髪型」
「柳君、中谷さんおはよーー」
「ぬふふふふふふふ・・・ごめん浜田君・・・お・・・おはよ・・・あははは」
「ぎょははははは浜田まじか!浜田」
浜田君どうしたんだろ。ジェルでめっちゃ固めてきた。
村山さんも下を向いて笑ってた気がする
「おかしいかな?どう」
「どうって・・・あはははは浜田ヒーヒーどうもこうもないって変、変」
「中谷さん・・・」
「浜田君どしたの?」
「ちょっといい?」
僕は浜田君と廊下に出た。
「2組の江村さんから告白されたんだよ」
「やっぱり?そうだと思ったよ、でその髪型は?」
「ちょっとお洒落したほうがいいかなって」
「・・・ごめん・・いつもの方がいいよ」
「柳君まじか?30分もかかったんだよ」
「え?その髪型で?」
「うん」
「明さ~~ん おはよ」
「あ、江村さんおはよ笑」
「紹介するね、同じ部活の」
「知ってる柳君でしょ。ちょっと明君探すときについでにね笑すんません」
「あ、初めまして柳です」
「どうも江村です」
「・・・あ僕邪魔だよね、じゃ浜田君また」
「うん、ごめんね」
「ねぇ浜田何だったの?」
「ん?特に。セットに30分かかったんだって」
「あれで?うそ?あんなの2分くらいでしょ」
「僕もびっくりしたけど、そう言ってるし」
「廊下に2組の人といるよね」
「あの人2組なんだ」
「もしかして告白されたんじゃない?」
「えーーーー・・・・そうなんだーーーー」
「柳君って芝居下手だよね。そうなんでしょ?」
「さぁ・・・どうかなぁーーーー」
「わかりやす。まさかOKじゃないでしょうね?ルール違反だよ」
「あ…そこ聞いてないや」
まさかの村山さんが食いついてきた。
「なぁ恋愛できないのか?お前ら?」
中谷さんが
「好きになるのはいいのかな?ダメなのかな・・・男女交際禁止なんだよ」
「好きで好きでたまらなくなったらどうするんだ?」
「え?そんな事考えてないで部活に専念しろだって。ちょっと・・・村山さん・・・どしたの?」
「12巻に載ってるから見な。あんたもうじき読むんだろ?」
「うん」
「自分に嘘ついてどうするんだよ。地球なくなる前に告白しろ」
(村山さん・・・ガッツリ・・ノース虎夫信じてるな)
「わかってるけど・・・これはルールなの。ね柳君」
「う、うん・・・そうなんだ」
「そっか・・・」
村山さんはそれ以上は聞かなかった。
ニコニコと浜田君が戻ってきて席に座った
「えーやだーなんで麻里子よー」
中谷さんが漫画を見て叫んでいた。
「ちょっと中谷さん、言わないでよ」
「だって、花ケ崎、麻里子の頬にキスするんだもん」
(ドキッ)
「もう、まだ読んでないから言わないで」
「小西さんごめん」
「花ケ崎最悪。あーでも麻里子いいよねーホッペ幸せだね」
(ドキッ)
「もう中谷さん!!シーお願い」
「ごめんごめん」
ガラガラ
「はいはい静かにしなさいよ! この関数はこうであって」
数学・・・全然わかりません。
「先生質問いいっすか」
「水野君どうしたの?」
「今日の浜田の髪型どう思いますか?」
ザワザワザワザワ
「うん、いいんじゃないかな。セット時間かかったでしょ」
「はい」
「水野君、多分浜田は恋じゃないかな。先生応援しちゃうから。タイプによるけど、好きな人が出来たらその人の好みに自ら合わす人、相手を自分好みにさせる人、なーんにも変わらない人。いろんな人がいるけど、先生は相手にあわしちゃうかな。うふっ」
(・・・おえっ)
「ねぇねぇ柳君はどっち?てか浜田マジ恋愛中?」
「中谷さんはどっちだよ・・・浜田君の事、僕わかんない」
「私は変わらないかな・・・人のに興味ないし」
(漫画めっちゃ借りとるがな)
「僕はどうだろ・・・ちょっと合わすかな」
「じゃさ、この世に私と・・・そうね村山さん、誰にしよ・・・あ、鵜飼先輩の3人と柳君しかいません。あなたは誰を選びますか?ね、誰選ぶ?」
「え?」
(あかん・・・思い出してしまう・・・あの香り・温もり・柔らかさ)
「大丈夫?聞いてる?ねぇ誰よ」
「あ・え・あ・・・ずるいけど3人とも大好きだよ。だから選べない」
「・・・・」 「・・・・」
「あはは・・・ちょっと柳君たら・・・ヤダなぁ・・・照」
「・・・・・・照」
シーーーーーン・・・・・
キーンコーンカーンコーン
ガガガ
「ごめんお手洗い」
タタタタタ
中谷さんは走って出て行った
‐トイレ‐
ジャーーーーー
洗面台の鏡で自分を見た。
(ずるいんだな・・・柳君)
そして笑った。
「あなた5組の中谷萌々愛?」
「う、うんそうだけど・・・」
「あたし3組の浅井果帆」
「はぁあ・・・何か?」
「もしかしてあの中谷建設の娘?なわけないか笑」
「えっと・・」
「ま、それはいいわ。柳拓って知ってる?」
「うん良く知ってるよ、部活同じだし、席私の後だから。柳君がどうかした?」
「そうなんだ、ありがと」
‐教室‐
「・・・・あ、あのよ」
「村山さんどしたの?」
「あんがとな」
「ん?」
「・・・別にいいんだ」
「え?うん」
珍しく村山さんは机に右手を伸ばし、そこに頭と右耳をつけ僕を見ていた。
瞬きをせず見つめられた僕。
蛇に睨まれた蛙なのだろうか・・何か怒ってるのだろうか
獲物を狙ったハンターのような視線。じーっとみつめられた。
僕は目線をきれず見つめあってしまった。
正直な意見、この人やっぱり・・・めっちゃ美人だ。
「やっぱそうだよな」
そう言って村山さんは目を閉じた。
なんだろう・・・なにかしたかな・・・
中谷さんが戻ってきた。
「シッ!」
黙って頷いた中谷さんは、静かに席に着き小声で
「奇麗よね村山さん」
と言った。
ガラガラ
「はいはい座れーー起きろよー」
英語が始まった
「U・S・A はい、略さずに 東出」
「ユニバーサルスタジオアハン!」
「うん!!今日も素晴らしいな5組は!先生もう割り切った。いいぞ東出、じゃ茶色を堀田」
「チャ・・」
「オレンジを中谷」
「みかん」
「鼠色を浜田」
「おじいちゃんの髪」
「赤を野間」
「レッド」
「金色を小西」
「だからカブトのメスの産毛」
「ほな柳、おっぱいを英語で」
「え?ん?ボイン」
「最後 唇を村山」
「先生、シー」
「おうすまんすまん寝とるか」
キーンコーンカーンコーン
「テスト頑張れよー」
ガラガラ
「さぁさぁ部活行きますか柳君」
「うん」
「そだ、3組の浅井さんって知ってる?」
「3組?誰だろ・・・どして?」
「お手洗いで聞かれたの。柳知ってるかーーー?って」
「多分僕知らない。じゃ先行くね」
「うん」
タタタタタ
「なぁ・・・なんで私を選んだの?」
「・・・え」
「あいつに あんたと先輩と私を選ばしただろ?」
「う、うん・・たまたま・・・ね、たまたまよ」
「・・・そっか」
「じゃ部活行くから」
タタタタタ
(中谷…アイツ・・)
(あービックリした。いきなり寝たまま話してくるんだもん)
「失礼します」
「おーーー柳じゃないか」
「暑いっす・先輩暑いっす」
筋肉に包まれた僕はこのまま窒息するんじゃないかと思った。
「で柳よ、俺の彼女可愛いだろ?」
「は?先輩の彼女?」
「おうよ、な・か・た・に」
「前から思ってたんですけど・・・勝手に彼女にしてません?」
「君は何を言っとるんだね」
「なんすかその話し方」
「中谷は僕を好いているんだよ」
「・・・失礼します」
そっこー部室を出た
「あっこんにちは」」
「拓ちゃん!こんにちは。今日もツンツンヘアいいよ」
「あはははども」
「どう?」
「何がっすか?」
「ほっぺ」
「・・・・あ……」
「冗談よ冗談、今日も頑張ろうね」
「は、はい」
競技場に着き、アップを始めた。
短距離組が入ってきた。
ニコニコと上条先輩が中谷さんに近づいた。
「あ・・・萌々愛じゃないか!君も来てたのかい」
「ちょっと仁!うるさい」
緑学園の人だ
「拓ちゃん、あの子こないだの・・・何?中谷の知り合いなの?」
「ですかね・・・上条先輩スーって消えましたやん」
「ねぇ萌々愛、今度総体何出るの?俺5000」
「ちょっと!あっち行ってよ」
「いいじゃん」
「こらぁうっさいねんけお前!」
「あはは来たよ来たよ新田登場。拓ちゃん面白いね、さ~てどーなるかな」
「先輩めっちゃ楽しんでますやん」
「だって笑」
「えっと君は短距離の新田君でしょ?小南君の次に速い」
「なんじゃこら!お前なんじゃ」
「新田!やめなさい」
葉山先輩が静止していた。
「緑学園の君、私たち今から練習なの。邪魔しないで」
「はいはーいすみませんね。じゃな萌々愛」
ツカツカ
「どーもー野球部君と こわーい先輩」
「・・・」
「あはは今度はこっちに来たの?暇なんだね君」
「ちょっと萌々愛発見したんで。あ君、萌々愛もセンスないってさ。可哀想に…萌々愛仕方ないから仲良くしてあげてるんだって〜。良かったね」
「・・・」
「まだ言ってるの?ほんとにバカなんだね」
「一応緑学園なもんで、優信には言われたくないですよ。君は萌々愛の邪魔しないでね。ついでに僕の邪魔もしないでよね、ウザいから」
「佐久間!・・・あ柳」
「…福田さん」
「ごめん、連れてく。行くよ」
「はいはい、じゃねーせいぜい頑張りな」
「ほんと性格悪いよねあの子」
「いいです・・・」
「どうして黙ってるの?言い返しなよ」
「強くなったら・・・話しかけてこないですよきっと」
「そうね、でもちょっとショック・・・中谷も拓ちゃんを」
「いいんですよ本当のことですから」
佐久間が嘘を言ったとは知らなかった。
中谷さんも僕はセンスないって思っているんだと。
遠くから中谷さんが見ていたが、目を逸らせてしまった。
「はいはい遅れるなーこいこい」
「2分56・7・8・1000M 2分58秒です」
「1・2・3・1000M3分3秒」
「今の一周68」
この日坂下先輩は1000を2分台で走った。
僕は3分19秒だった。
「少し速くなったね柳君」
「はい坂下先輩速いっすね」
「総体は5000でしょ?」
「そうです」
「設定タイムは?」
「先生は17分半でって。で1年の駅伝の頃に17分切れって。3年には14分台だって笑」
「そっか笑 じゃ今回はキロ3分半だね」
「はい」
「じゃダウンね。あのさ・・・浜田の髪型何なの?」
「へ?」
「あれ変だよ、柳君言ったげな」
「はい」
みんな変だと思っていた。
部活が終わり、制服に着替えて駅にむかった。
「柳君待ってよ」
「・・・あ」
中谷さんと八田さんが来た。
「お疲れ、今日もしんどかったね」
「うん」
「中長何したの?」
「1000を3本と3000 2本・600 2本」
「うわぁぞっとする」
「うん」
「村山さんに聞かれちゃった。なんで私が3人の中に入ってるんだって」
「そうなんだ」
「だいぶ話すようになったよね村山さん」
「うん」
「どしたの?」
「別に」
「そう?」
「うん・・・じゃ」
「・・・・・」
僕は中谷さんを嫌ってる訳ではないのに 物凄く失礼な態度をとってしまった。
「お疲れ様です」「お疲れ様です」
「八田、中谷お疲れ・・・中谷、あんた酷いよね。拓ちゃん可愛そうだよ」
「・・・・はい?私ですか」
「うん、そう。もう無理に拓ちゃんと話さないであげて!」
「え?先輩ちょっと」
「もう!頑張ってる人を馬鹿にするな!!わかった?中谷」
「・・・・・」
ホームに鵜飼先輩がきた。
「お疲れ様です」
「拓ちゃんお疲れ様」
「今日も疲れたね」
「はい、かなり」
「ちゃんと栄養管理しなよ」
「はい」
会話の奥に八田さんと中谷さんの姿があった。
寂しそうな、何とも言えない顔で僕を見ていた中谷さんは
視線を逸らし下を向いていた。
「拓ちゃんどしたの?次のオフ スパイク買いに行かないとね」
「ほんとです、行ってきますね」
「私も行くよ」
「え?先輩忙しいのに」
「いいの、一緒に行きたい」
「あ……じゃお願いします笑」
「うん笑」
八田さんが中谷さんの肩をポンポンし、僕を睨んでいた。
「ただいま」
「おかえり、あんた浅井って人から電話やったで」
「浅井?(あ・・・中谷さんが言ってた)」
「帰ってないって言ったらまたかけますやって」
「そうなんや。了解」
トントン「失礼いたします」
「・・・はぃどうぞ…」
「どうかなされましたか?」
「うううん大丈夫」
「でも・・・」
「なんだろ・・・悲しい」
「お嬢様・・・」
「もうさ・・・」
何もわからないまま突然やってきた暗闇。
初めての体験だった。
さっきまで話してたのに・さっきまで嬉しかったのに
苦しい。今、私苦しいよ。
柳君・・・先輩・・・どうして?
プルルルルプルルルル
「お嬢様、上条様からお電話でございます」
「・・・もしもし」
「上条です・・・泣いてるのか?」
「先輩・・・・・」
張り裂けそうな私の心。上条先輩が優しい言葉で包んでくれた。
「えへ・・そうなんですよーあははは」
いつの間にか元気だった
ズジャズジャズジャ
「ばかなんだから・・・・・・照」
トントン
「萌々香、最近はどうだい」
「うん楽しいよ」
「そっか、変態カレー君は元気かな?」
「あ、柳君ね元気」
「そっか、聴いたら寝なよ、明日も早いんだろ」
「うん、適当にやってるから」
「無理はだめだよ」
「はーいおやすみ」
「おやすみ」
(そっかそっか柳君か)
プルルプルルプルル
「もしもし柳です」
「……柳君?」
「はい、そうです」
「こんばんは、港です」




