記録会
ガヤガヤ
-2組‐
「ねぇ青木さん100Mどんくらい?」
「ん~今は11秒94」
「はぁ?飛んでんの?」
「えーーー?ちゃんと走ってるよどしたの?洋子」
「今度さ、スポーツテストあるでしょ」
「あれ50じゃなかったっけ?てか未来には賢い人がすんごいシューズ開発して女子も10秒台になるんじゃない?」
「そう?そんななったらおったまげー笑。でもスポーツも変わってくるよねきっと。香織、スポーツテストって50Mだった?」
「知んない、てか興味ないし・・つかさ・・大丈夫なの?地球」
「大丈夫よ。あー香織ビビってる」
「みんな言ってるじゃん地球滅亡って」
「ノース虎夫の大予言か・・・」
「ノース虎夫が当たったらみんな死んじゃうのか・・・」
「いいやん別に一緒やんかみんな」
平田洋子 女子バスケ部。唯一の1年レギュラー。
江村香織 帰宅部。ダラダラと平田につるむ やる気なし娘。
「そうだ、4組にいる陸上部の新田・・かっこいいよね」
「はぁ?洋子 新田がタイプなの?」
「え?何で?かっこいいじゃん香織も思うでしょ?」
「誰よ新田って。知んない・・書道の山内先生がカッコいーじゃん」
「ないわ」「ないな」
「新田めっちゃ足速いよ多分10秒台」
「えーうちの50やん」
「手も早かったりして笑」
「洋子 笑。見た目怖いけどいい奴だよ」
「ワイルドだもんね」
「ちゃんと調べてんねー笑」
「うん」
「今度記録会あるから見に来たら?みんな出るし」
「部活なかったら行くよ。ね香織」
「えー何がおもろいのよ・・・」
「お願いっ!休みだったらでいいからこの通り」
「シェイクおごりなよ」
「うん」
「じゃ行く」
‐5組‐
「はいこれ あんずのカセット」
僕は村山さんに120分テープを3本渡した。
「・・・あんがとな・・あ、こ」
「しっ、後で、ね お願い内緒なんだから」
「・・・そだな」
「はぁ・・・地球大丈夫かな・・・」
「何の話?最近2人良く話すね」
「中谷さん、あ、あんずのカセットを村山さんに。でノース虎夫」
「そっかそうだったね村山さん あんずファンだもんね笑 地球ヤバいよね」
「・・・ち・・だな・・」
中谷さんは村山さんに借りた漫画を読むのに必死だった。
1-5はなんとなく過半数が地球滅亡節を信じてる。
東出さんが
「中谷さん7巻まだ?生きてる間に貸してよね」
「うん、もうすぐ終わる。花ケ崎がね・・・内緒笑」
女性達が村山さんの漫画を順番に読んでいた。
「急いでよコニタン・・・明日爆発しない?」
「大丈夫大丈夫、予定では22歳だからいい頃よ」
「・・・いい頃って・・・えーーーーん」
先を読む村山さん。泣く女子。僕も泣きたい。22か・・・あと7年・・つか・・・6年だな。
僕は「村山さん、それ何巻読んでるの?」
黙って48巻を見せてきた。
そして股の間でまた本を読んでいた。
少しスカートを膝の方にキュッと伸ばした
(・・・あ)
ガラガラ
「すわれ~~~~」
理科の早川先生がきた
「甲殻類がだな・・・」
日に日に増える漫画読み女子
隠れるような中谷さん・東出さん・小西さん・池本さん。
堂々と村山さん。
「じゃ浜田クジラは何類だ」
「捕鯨類」
「・・・ちゃんと答えなさい」
「ほ げ い る い」
「もういい野間」
「ほにゅうるい」
「次!イルカは?村山」
「しるか!」
ザワザワザワザワ
(ギャグなんかな・・・)
「じゃ柳田」
「あの・・・柳です」
「すまんすまん」
「なごり雪」
「おまえな・・・カブトムシは小西」
「メスの足がかなり痛いです」
「だからなんだ」
「ちょっとメスの産毛?みたいの剃ってみます?先生」
「剃ったらどうなる」
「若干金色っほいのが黒になります」
「だから何類だ」
「そんなの・・・地球なくなるからいい!!」
ザワザワザワザワ
キーンコーンカーンコーン
(5組はたまらんわい、ほんま職員会議やな)
ガラガラ
正直このクラスでよかった。
昼休みになり弁当TIME
「あちゃーなんとなく匂ってたし昨日そやったし笑」
「来た来た来た柳ママのカレーだ!」
中谷さんのテンションが上がった。
まただ・・・弁当にカレーが。
ザワザワ
教室がカレー臭に染まる。
浜田君・上田君・佐藤・などちょっとづつカレーをさらっていく。
「つける?」
ゆっくりと首がまわって
「・・・」
(やばい・・こわ)
「あぁ」
全員が村山さんを見た
「うん、どうぞ」
パンをちぎりカレーをつけた。そして残りのパンを
「やるよ」
と僕にパンをくれた
「え?いいの?」
「あぁ」
「ありがと」
って言ってる間に
「村山さんごめんねーほんとありがと」
と中谷さんが奪って食べた
また少し村山さんが笑っていた。
ガラガラ
「うわっめっちゃカレーやん!おっじゃまー。 おーーーい!拓ちゃーーーーん!」
一斉にその人を見て、手を振る先の僕を見ている。
鵜飼先輩と三原先輩が1-5にやってきた
「あはは柳、カレーかよ」と三原先輩。
ガガガ
中谷さんは直ぐに立ち上がり
「こんにちは」
「座ってよ中谷、記録会の書類持ってきたの。このクラス部員3人いるでしょ」
「あ・・・ありがとうございます」
「はいこれ中谷な。はい浜田。はい拓ちゃん」
「ありがとうございます」「すいません」
「じゃねー!あ、拓ちゃんさ、ミド高の奴に何か言われたんだって?」
「え・・・まぁ」
「大丈夫、私がどついてあげるから笑 じゃ」
「柳、浜田は北川先輩と1500やって」
「三原先輩、1500って…」
「なんでか知らん。小野寺先生に聞いたら?言われただけだし!あ、4分半だってさ、じゃ」
ガラガラ
「は、浜田君……」
「う、うん…無理だよ」
「だよね…」
ザワザワ
「おい柳、紹介してくれ頼む!あの小さい方の先輩」
続々と鵜飼先輩を紹介しろと言ってくる。
「拓ちゃんていいよな柳。あんな先輩に樋口君好きよって言われたいぜ!!たまらん」
「男子ってアホばっかりやな。でも滅亡前にアタックアタック!!」
ってアホ仲間の小西さんが話してる。
斜め前から野間さんがジーっと見ている
静かな声で中谷さんが
「めっちゃ見てるよ」と。
聞こえたのか村山さんが野間さんを見た。
野間さんはその瞬間前を向いた
ぼそっと横から
「お前さ・・たくちゃん・・・なのか?」
と。
肩を揺らし、めっちゃ中谷さんが笑った
「そ、そうみたい」
「へー・・・」だけ言って
また本を読んでいた。
中谷さんがお手洗いに。そのすきに村山さんが
ガサガサ
「これな」
めっちゃダビングしてくれていた
「めっちゃあるやんいいの?」
「あぁやるよ」
「有難う」
すぐにカバンに。
時間かかっただろうな
「大丈夫?」
「何が?」
「寝れた?」
「気にするな」
「だって・・・ごめんね」
「いいって」
「ありがと」
部活の時間になり
慌てて部室へ。
「柳君、入りたまえ。筋肉が破裂しそうだ!破裂といえば地球は大丈夫なのかね!私の予言・・・・」
「失礼します」
上条先輩の扱いに戸惑った。(はぁ服着て・・・)
「あ、これ全部フセンハリーズです」
「サンキューサンキューでかしたぞ弟よ」
(なんでやねん)
「どれが有名な曲やねん」
「え? のり面の粘着?そんなん知りませんよ」
「聞いてこいや」
「えー無理っす」
「ま、聴いて探すからね僕ちゃんは」
(オエッ…僕ちゃんて…)
「これで中谷と話のネタできた」
「大丈夫っすかね?」
「なんでや」
「そんな即席で対応できます?知りませんよマニアックな話してきても」
「ほなどうすんねん」
「知らないから教えてでいいんちゃいますか」
「……そか、柳先生!」
(はぁ?先生て)
「ほなこれええわ!いらん」
「ちょっと…一生懸命ダビングしてくれはったんすよ」
「だから…お前聴け」
「マジっすか?」
「柳、な、わかるやろ、な、やなぎ」
「は、はい」
「よし、決まりサンキューベリーロール」
「……」
「じゃヨロシク」
ガチャ
ガチャ
「ヨロシクメカドック!」
ガチャ
(いちいち言いなおしせんでいいって・・・服着て出たらいいのに)
パート毎に集合し、記録会について少し説明があった。
常山と川上は800に。
浜田君、北川先輩、僕は1500に。
4分半設定。
女子は全員…3000だった。
800や1500もいるのに…
坂下先輩は9分前半のインターハイ選手だと聞いている。
鈴木先輩、港先輩、そして故障から回復した鵜飼先輩の実力は知らないが
練習の感じからすると全員速そうだ。
1年は多分、沼澤さんと川口さんが速いだろうな。
長田さんは800の人だから少し遅れるかな。
後は全くわかんないや。
「拓ちゃん1500頑張りなよ」
「は、はい、先輩3000なんすね」
「うん1500が良かったけど!女子は全員3000だから」
「足大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫、ありがと。今回は故障明けだから10分は切ってくるくらいかな」
「まじっすか」
「うん、港も鈴木先輩もガンガンくるしね」
「は?ほんまっすか」
「うん。だから拓ちゃんも が ん ば る の だ よ」
とリズムに合わせて頭をポンポンされた
上条先輩が近づき
「柳、鵜飼はお前にゾッコンラブなのだー」
(ゾッコンラブて…めっちゃ聴いたわ・・いつ着たんや服・・・)
「え?なんでです?」
「ん、野生の勘や」
ゴリラの勘はあたるんかな…
「いい先輩ですよ」
「甘い甘い、狙ったらとことんやからなアイツは」
「何がです?」
「サバンナに放り出された子鹿がお前や。グルグルと近づくハイエナが鵜飼や」
「ハイエナて…先輩はもっと可愛いですやん」
「わかってへんな、そのハイエナを追い払う奴はだ〜れだ?1上条、2上条、3上条」
「じゃ失礼しますね」
「やなぎ〜聞けや〜!なぁ〜きけーおい、行くなーーー」
中長男子が小野寺先生に呼ばれた。
「今日は1000のタイムはかる。北川、常山、川上は3分半でいい。柳、浜田は3分40でいい。以上」
「はいっ」
なんかわからんけど
400を1分30、800を3分、後200を40秒か
てことは…200を40秒か?え?まてよ
そうなると400が1分20か。
じゃ200を45秒・・・100を22~3秒か笑。ちょっといけるな
ん・・・あってるのか?・・・わからん・・・アホな自分が・・・
アップが終わり
「じゃいくぞ!三原頼む」
「はい」
おふざけモードからマジ顔で200のスタート地点に
「それでは男子の1000始めます。柳・浜田は3分40。他は3分半です。それより早いのはOKだそうです」
「お願いします」「お願いします」
「はじめま~~~す。 ゴーーーー!」
ダダダダダダ
ゴールタイム地点にもひとりのマネージャー 篠原先輩が待ってる。
ダダダダ
「200通過全員33秒です!!」
(・・・?んあら・・?100が22?あら・・間違ったか)
ハァハァハァハァハァハァハァ
常山が引っ張っていた。
軽く体を動かしながら見ている女子。
フィールドから「優信ファイトッ」の声
「400!67・68・69 常山69! 71!」
(71・・・・はぁ?ハァハァハァハァハァハァハァ 1分11か?・・・)
ハァハァハァハァハァハァハァハァ
「優信ファイット」
「つけー浜田!柳!落ちんな つけよコラっ」
(ハァハァハァハァわかってまんがな・・・ちょっと・・ゴリラ・・・・・)
「800!常山2分57 北川3分2 柳3分4・5・6 3分7 浜田3分14 川上3分16!!」
「やっぱり常山が1000は有利だねー鈴木」
「わかんないよー私は坂下の嫌いな北川本命」
「ほら・・柳はダメだね」
「うん、ペース狂って残りでかなり落ちるね」
「浜田も駄目ね、入りで決まってたね。後は・・・」
北川先輩 3分37 常山3分39 柳3分48 浜田4分5 川上4分23
「ほら北川じゃん」
「今日はね。先生もわかってるんでしょ、中距離向いてないね 柳と浜田」
「うん最初だしいいんじゃない。必要だしねスプリント力も。いずれ5000か3000SCっしょ」
ハァハァハァハァゼェゼェゼェゼェ
室内に入り水分補給
紙コップの先から見えた景色。
坂下先輩・鈴木先輩の・・・ダッシュ?
坂下先輩3分2 鈴木先輩3分5 港先輩3分18 鵜飼先輩3分28
1年女子はみんな4分を過ぎていた。
ハァハァハァハァ「おっつかれーー」
鈴木先輩の声に
「お疲れ様です」
「柳ダメだなーつかないと」
「ですよね」
「レース展開狂ってはい終わり笑」
「ですね」
「大会も何があるかわかんないよ、逆にめっちゃ遅い時あるし」
「そうなんですね」
「うん、だからちゃんとTIME感覚でも覚えな」
「はい、ありがとうございます」
「うん、ほんじゃお先!おつー」
「お疲れ様でした」
‐記録会当日‐
「わぁやってるやってる。いっぱいいるね香織」
「あーあ結局休みじゃん洋子」
「あははありがとね」
「シェイクな」
「はいはいおごりますよ」
男子100M
「きたきたほら香織、新田」
「ふーんそだね」
位置についてよ~いパン!
「・・・・え?」「・・・・は?」
新田 11秒13
よーいパン
小南 10秒97
「何何?洋子みた?ねみた?」
「うん、はっや」
珍しく江村香織が興奮していた。
「1年生の試合?」
「え、わかんないけど、新田は体操服だけど、ほらユニホームいるし」
「うん、もひとりの優信もめっちゃ速いじゃん、あほんとだ他ユニホームいるわ」
「じゃ学年関係なさそうね」
‐女子100M-
「来たよ青木さん」
よーいパン
「・・・」
「洋子、あれは走ってるんだよね?」
「う、うん」
青木ミカ 12秒32 (ま・・今日はこんもんかな)
葉山先輩 12秒40
野口先輩 12秒78
矢尾 13秒35 太田 13秒78
‐幅跳び‐
中谷 5M79
‐高跳び‐
小泉先輩 1M64
副島先輩 1M60
山内 1M55
続々と記録を試していた
‐男子800‐
常山 2分21秒60
川上 2分29秒07
‐1500‐
北川先輩 4分28秒03
浜田明 4分41秒17
柳 4分40秒09
‐3000M女子‐
坂下先輩 9分16秒11
鈴木先輩 9分20秒88
港先輩 9分40秒42
鵜飼先輩 10分00秒39
沼澤 10分46秒
川口 10分18秒21
長田 10分49秒85
レース終了後
「あ、優信の」
「・・・緑学園の」
「ま僕は4分11だったよ」
「そなんだ、じゃ」
「待ってよ、君はどのくらいで走ったの?5分半くらいかな笑」
「5分は何とか切れたよ、中学5分20くらいだったから、速くはなったよ」
「ふーん、福田と一緒だから誠中だよね?めっちゃ野球弱いよね」
「うん、だからどしたの?」
「別にきっと野球も大したことないんだろうなって」
「・・・うん、そだよ」
「あ、拓ちゃん!」
「お疲れ様です」
「どしたの?(緑学園?・・・もしかして)ねぇ君」
「はい?なんすか」
「こないだこの子に何か言った?」
「あ、今も一緒に頑張ろうねって」
「拓ちゃんそうなの?」
「ま、まぁはい」
「そっか、じゃ君、勉強頑張りなよ!今だけだよ」
「は?」
「夏にはあんたの存在、この子忘れるから。じゃいこっか」
「は、はい」
テクテク
「ダメだよ拓ちゃん、ちゃんと怒らないと」
「でも・・部に迷惑かけられないですよ」
「よしよし、えらいえらい」
またポンポンされた。
僕の初めての大会 記録会
中学から40秒縮めたのに、悔しかった。
「洋子、1500?長い時間走ってたあの人いいかも」
「マジで?香織どしたん?」
「何組?」
「知らない」
「ただいま」
「お帰りどやった」
「モヤモヤしてる」
「何でよ」
「速くなったのに遅いねん」
「どっちよ」
「だからモヤモヤしてんねん」
「たまには息抜きしたら?」
「うん、バッティングセンター行ってくる」
「はいはい」
カキン カキン
120㎞
カキン カキン
「ふぅ・・楽しいな」
横の人凄いな
カキン
「あースッキリした」
帰りの公園。
黙々とジョックをしている女性がいた
(わー速いなー)
家に着き
ハリーズを聴こうと思いながら あんずを聴く。
【今はそれでいいの~明日明後日のあなたはもっと成長してるんだよ~。今日を~今を~楽しんでー】
今の僕にピッタリだ。ってこの曲選んでんだから笑。
あんずの 今 を聴いていた。
プルルルル
「ハイ中谷でございます。はい少々お待ちくださいませ」
トントン
「萌々愛お嬢様、お電話でございます」
「木野、誰から?」
「上条様からでございます」
「え?親には内緒よ」
「もちろん。はい、子機でございます」
「ありがとう」
「ではごゆっくりと。失礼いたします」
「もしもし、お疲れ様です」




