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そこでいいんじゃない  作者: リトルバタフライ
10/41

優信陸上部集合

毎日をなんとかこなしていた。


今夜は最高の時間だ。あんず特集。


「みなさんこんばんは あんずです」


TVからあんずが流れる


「苦しいとき悲しいとき私は沢山の人に助けてもらいました。励まされ、時に叱咤され。明日に向かって歩く私を応援してください。それでは聴いてください、歩幅」


あんずが隠れた名曲の歩幅を歌っていた。


【あの頃の私の歩幅。悲しくなると小さくなった歩幅。あなたは笑いながらいつも話していたね。もっと自信持てよって。あなたの前では少し広くなれたね。ねぇ気づいてる?私の〜歩む道は〜あなたの歩幅に〜大丈夫だよ、互いの歩幅は幸せへの〜】




プルルプルル


「はい柳です、はいはいちょっと待ってね。タク〜電話!可愛い声の中谷さん」


「はいかわりました」


「柳君、もー私感動しちゃた」


「中谷さん聴いた?最高でしょ?次のJUMPも最高だよ」


「良かったー!たまんない、カセット持ってるならダビングして」


「うん、じゃまた持ってくよ」


「ありがと。そうだ、こないださ鵜飼先輩と買い物してたでしょ?楽しかった?」


「うん、先輩よくしてくれてさー、あ、先輩クリアカセット黄色買ってたよ」


「へー先輩黄色が好きなのかな…可愛いよね黄色も」


「うん。それからいい匂いしたよ」


「シャンプー?」


「さぁわかんない」


「なんか母性ありそうだし可愛いよね鵜飼先輩」


「だよね。僕、拓ちゃんって呼ばれてるよ笑」


「……へぇそうなんだ」


「なんかさ、故障明けだから少しづつしか練習できないんだって。なのに負けるし笑」


「へぇそなんだ」


「うん、でさ」


「あ、ごめんお父さん呼んでるからまたね」


ガチャ


(・・・ばか)



‐翌日‐


今日は本入部の日だ。


陸上部入部希望者は3年6組に集まる。


僕達推薦組は先に教室についていた。


前の席に3年の先輩、真ん中に2年の先輩。そして僕達1年推薦組は後ろで立っている。


ガラガラ 


小野寺先生と投てきの松山先生が入ってきて一番前に座った。


「じゃ後ろの1年、前でろ」


「はい」


僕たちは前に出て先輩たちと対面した。


そして「失礼します」


続々と1年入部希望者が教室に入ってきた。


ザワザワザワザワ


「男子多くない?」「うん、どしたの今年」


1年が全員入室した


「顧問の小野寺や!ほんで松山先生や。入部ありがとう。既に入部の1年もいるが、力を合わせて頑張ろう」


入部の中に 浜田君がいた。


一人ずつ自己紹介が終わり、北川先輩からの激励の言葉を頂いた。


1年新入部員 推薦男子3人女子7人 普通入部男子7人女子8人の 男子10人女子15人 計25人。


「じゃ早速だがグラウンドに出て 種目別に集まれ」


「はい」


ガヤガヤ


「柳君来たよ」


「浜田君種目どうするの?」


「柳君と同じ所に行くよ。100とか無理っぽいし」


「うん、じゃ行こうか」



グラウンドに集まりパートごとに。


中長男子は3年の北川・1年浜田・常山・川上・柳になった。


この年、優信高校陸上部始まって以来の男子の数だった。


「た~~くちゃん」


「あ、先輩」


「男子沢山入ってよかったね」


「はい」


「ぼ、僕 浜田明と申します。よろしくお願いします」


「うん、鵜飼です。宜しくね、浜田」


「は、はい(うわぁ・・・可愛いな)」


常山と川上は中学も陸上部だった。800と1500を得意とする。


「じゃ今日はジョックな。レッツゴー」


嬉しいのか北川先輩がニコニコしていた。


ジワリジワリと汗ばむ体。少し慣れたのか、僕は普通に走れている。


浜田くんが苦しそうだ。


「さぁさぁ頑張れ~~ほらっ浜田」


鵜飼先輩が浜田くんを押し上げる。


長く感じてるだろうな・・・浜田君


予想外に浜田君は粘っていた。常山と川上、何名かの1年女子が遅れている。


「北川、私下がろうか?」


坂下先輩が話しかけたが北川先輩は無視をしていた。


「ちょっと北川!」


坂下弘美 3000M 9分11  インターハイ選手


北川昇  1500M 4分27 5000M16分51


ちょっと二人仲悪い笑


「港、前行って」


「はい」


坂下先輩の言葉で港先輩が前にいった。


ペースを落とし北川先輩に何やら話していた。


キャプテンは頷いてさがってきた。そして


「お前ら先いけ」


それだけ言って遅れた1年の所に下がっていった。


「アホだな北川。ペース考えろよ」


鈴木先輩の声に坂下先輩は頷き、鵜飼先輩は笑っていた。


余裕のない僕は懸命についていく。


横には顎が上がり、口が開いて今にも落ちそうな浜田君がいた


スーッと坂下先輩が上がり


「さぁカモン」と手招きしていた


(ハァハァハァハァハァハァハァそれハァハァやめて・・・きらい)


正門になだれ込むように入った。



「さー補強だぞー」


嬉しそうな坂下先輩。


港先輩・鵜飼先輩は 紅い顔をしていた


ぜぇぜぇと浜田君が腰を折っている。


「浜田、ほら補強」


「・・・はぁ・・・ぃ」


ドSの坂下先輩がいた


遅れ組を引き連れてキャプテンが帰ってきた


「補強!はじめ」


みんな悲鳴をあげていた。


「ちょっと北川!」


あちゃちゃこりゃ喧嘩だな


ニコニコと鈴木先輩が


「さ、ほっとけほっとけダウン行くよー」


「はい」


こうして浜田君達本入部員は初日をおえた。


「・・・たまらんな」


「浜田君大丈夫?」


「うん、なんとか」


常山と川上は座ったままボーっとしていた。


「先着替えるよ?」


僕の声に二人は手だけ挙げて答えていた。





‐教室‐


「・・・ぁ・・・今終わりか‥」





‐外‐



着替えて浜田君と駅に向かった。


「めっちゃキツイね」


「でも浜田君凄いよ。ちょっとペース速かったよ今日」


「キャプテンと坂下先輩って仲悪いよね」


「うん絶対ね。いつも言い合いしてる」


「あ!柳君、浜田お疲れ」


「中谷さんお疲れ様」「おつかれ」


「浜田あんた大丈夫?」


「うん、てかさ・・・どして僕はみんな呼び捨てで言うのかな」


「えーだって・・・浜田だから」


「柳君には柳君って言うよね。それに鵜飼先輩なんて拓ちゃんって・・・あの先輩も僕は浜田だったし」


「へー浜田、あんたもスネたりするんだね笑」


「クラスの女子も浜田だよね?ね、柳君」


「う、うん・・・そだね、なんでだろね」


「じゃ僕はこっちだから、柳君中谷さんまた明日」


「うんお疲れ」「お疲れ」


反対ホームに浜田君は去っていった。


電車が来るまで中谷さんと二人か・・・


「おつかれさまーーーーっ今帰り?ヒューヒューラブラブじゃん怒」


「の、野間さん」「あ」


「ねえねえ中谷さん?」


「野間さんどしたの?」


「もうちょっと柳っちから離れて」


「はぁ?柳っち?あははははは野間さん・・・あはははは」


「な・なによ」


「だって・・・あはははごめんごめん」


「はいはい無視無視。ねえ柳君髪切った?」


「切ってないよ」


「私ほら毛先ほらわかる?」


「ごめん・・・中谷さんが切ったのはすぐわかったけど、野間さんの毛先は・・・」


「いーーーだ!ハゲろ!」


「ちょっと・・・野間さん」


「うそうそ冗談よしこちゃん」


「よしこちゃん?」


「もういい!プイッ。フンだフンだ泣いてやる」


(野間さんって・・・めんどくさいひとなんだな)


「じゃ野間さんまたね、柳君先輩がほら」


中谷さんの機転の利いた嘘で僕達は学校に戻った



「ふぅ・・・中谷さんありがとう」


「うううん、野間さんあんな人なんだ・・・びっくりしたよ。てか知り合い?」


「中学の対戦相手のマネージャーだって」


「へーそれだけ?」


「うん、そだよ」


「そっか」





(中谷・・・大嫌い!柳っちのバカ!ほら振り向いてよ~キャハ)




学校に戻った中谷さんと僕は


小野寺先生に何か言われている新田君を発見した。


「わかってんのか昴!お前いい加減にせーよ」


「……」


「何睨んどるんや!返事は!」


今にも飛びかかりそうな新田君と小野寺先生の怒号。


「はいはい帰った帰った〜さぁ外野は帰ってね〜」


葉山先輩が僕達に帰れと。


「何かあったんですか?新田」


中谷さんが葉山先輩に聞いていた。


どうやらスタートの姿勢を指摘された新田君が


小野寺先生に噛み付いたみたいだ。


新田君はスタートが苦手だと話していた。


そこを先生が指摘したのだろうか…


「さ、さ、帰りなさい」


葉山先輩とは話した事がなかったので、中谷さんが


「すみません失礼します」と。


僕は後を追って「失礼します」


結局またホームへ向かった。


「新田キレてたねバカだアイツ」


中谷さんが言った。


「そんなに気に入らなかったのかな」


「スタート悪いって言われて図星だからキレたのよ」


「でも先生によく噛みつくよね新田君」


「うん、怖いのにね笑。小南上手いから余計にかな」


「そうなんだ。短距離のスタートのカチャカチャするやつカッコイイよね」


「そう?普通だよ」


「中長にはないから憧れるな〜」


「5000でやれば?笑」


「アホやん僕」


「知ってる笑」



ガタンガタンガタンガタン


「じゃ中谷さんまた明日ね」


「うん、バイバイ」





-村山-


【お前が〜俺に〜粘着してから〜2日でアオッ!】


私はハリーズを聴いていた。


トントン「入るよ」


「パパ」


「お、萌々香、またハリーズかい」


「うん、パパも聴いたら?」


「そうだね、最近お父さんは、あんずがいいかな」


「あっ、席が隣の変態カレー君が好きだよ、あんず」


「変態カレー君?あだ名付けたのかい?珍しいね」


「うん、なんか前の席の娘にカセット見せてたよ」


「へーその変態カレー君はあんずファンなんだね」


「でさ、前の人はハリーズファン」


「萌々香と同じじゃないか」


「うん、ミックン好きも同じ」


「そうなんだ、仲良くなれたらいいね」


「…ま…うん」


「じゃ変態カレー君にパパもカセット借りようかな」


「え?」


「ん〜萌々香お願いしてくれるかい?」


「えーーっ!やだー」


「よろしく頼むよ、じゃ」



「ちょっとパパ」


ギーッ



パパから頼まれた。


私は柳に変態カレー君とあだ名をつけていた。



(かしてくれるかな…つか…あぁ…じゃまくさ)




-翌日-


「おはよー」「おっす」


「中谷さんおはよ」「おはよ」


「野間さんおはよ」


プイッ


「………」


「あ、柳君おはよ」


「中谷さん、浜田君おはよ」


「柳っちおはーっ」


「あ…ぉ、おはょ」




席に座り中谷さんと野間さんの激しさについて話していた。


ガガガ


「村山さんおはよう1巻遅くなったよ。有難う」


「ん」


「村山さんおはよう」


「読むか?」


「え?」


「だから…1巻かすぞ」


「私借りていいの?」


「あぁ」


僕が借りた1巻を次 中谷さんが借りた。


「あ、あのよ……」


「なに?」


村山さんが珍しく話しかけてきた。


「あ、あのよ…お前さ…」


また中谷さんが笑っていた


「お前のさ…その…カセット…」


「マジか!まじで?村山さんも あんず好きなんだ」


「え?…あ、そのよ」


「聴いた?ね、こないだの聴いた?」


「はぁ?え?…ま…」


「そうなんだ!村山さんそうなんだ」


「柳君良かったね〜村山さんも あんずなんだね」


「うん、中谷さん、村山さんそうなんだってマジか」


「……だ、だから、聞けよ話」


「うんうん何?何?こないだの歩幅の事?JUMP?」


「だから聞けって!なぁ聞けよ変態カレー君」


「………え?」



固まった。中谷さんも固まった。


大声で僕を 変態カレー君 と言った



「す、すまん……つい」


「あ、あ、あはははは……大丈夫大丈夫あははは…」



「カセット貸してくれないか」


「うんいいよダビングして渡そうか?」


「あ、あぁ…じゃこれに頼むよ」



村山さんはクリアカセットの水色を僕に渡した。


「あっ!同じだ」


「あぁ!村山さん水色じゃない」


中谷さんが笑いながら声をあげた


「だからなんだよ…」


「べ、べつに笑」



今日 僕と中谷さんは村山萌々香さんと


かなり話できた






(…僕…変態カレー君…なんだ)


























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