ほし
下にも書いてあるけど、初めて書きました。
感想とかもらえると嬉しいです。
「なぁなぁ、好き」
「俺も」
「お願いきいてくへれん」
「ええよ」
「て、つないでや」
ベットの彼女は、スマホ。ソファの彼は、本。手を伸ばしてお互いの手を探すようにして、ようやっと見つけたかと思うと離れて。
互いは目を合わせない。
「俺のお願いもきいてくや」
「いいよ亅
「ギュって握ってええ」
「いたいて、いたいて、離してまうで」
「ごめんな、ちょっとだけ」
「じゃあ、隣行っても文句はないよね」
ずるずると体を這わせながら隣に座る。
「窓見てどしたんか」
「一等星見てるんや」
「星って、昼間やよ、みえへんよ」
「俺の星、見えへんてどうやっても」
「でも、私の星のほうが輝いてる、君のは三等星」
「ううん、違う、三等星なんてない、一等星だけがある」
少しにやけた、小馬鹿にしたような笑み。窓から部屋の天井へそしてまた空をみあげる。
「あの星に生まれて、そして殺されるんだよ」
「でもね、私の―」
「自分の運命ってのを知ってるか、俺はわかる、教えてやれないけどね、永遠に殺され続けるんだ星に僕らは」
「私の星は君と一つなんだよ、だから手を繋いでいられる」
このとき、一生彼女とはいれられない、過ごせないということが分かった。だって彼女の星は輝いていない。ずっと前からもこれからもずっと。
星を探しに行こうとその人は言った。
だから僕の理想だった。
だから一緒に居ることができた。
生きてる時間がずれてても、違う時計を持ってても。
好きと言われたとき、本当はそう答えてはいけないことも知っていた。
薄っぺらいから、時間が違うから。
生ぬるい余韻が自分の心の中に広がってゆく。
彼女は僕の名前を知らない。違う学年だから仕方ないとでも言えるか、言えるわけがない。生きてる時間が違うから、そんなわけがない。
唐突に告られて、多分もうちょっとしたら僕から会わなくなるのだろう。唐突に裂け始める。馬鹿みたいだ。
推せなくなったアイドルかってんだよ。
眠たいふりをして枕に顔をうずめる。彼女は文句を言ってるが構いやしない。星のことを考える。まだ、輝いている。なめらかで、つるんとしてて、かかとを踏んで歩いている靴みたいに不格好で。でもその凹みが好きだったりして。
彼女の星を思い浮かべてみる。スマホに犯されて、理由はなくて死にたくての彼女の星を。ちょっと前まで援交してたみたいな臭さで、おっさんに向けてた笑顔も僕は見れないような臭さで。馬鹿みたいに人間臭い、女臭い、彼女の匂いがする。
女とか、男とか言ってるけど。本当はどっちでもいい。今は男だけど女臭さがほしい。低くなる喉も、声も。年頃とでもいいたいようにはえてくる毛も、自分の性のレッテルが気に入らない。
苦しいんよ、男が。
女装すればいいのか、でもそんな星を持ってない。
隣でスマホをいじる音がきこえる。弾むようなタップ。彼女の匂い。
まだ、僕の星はおちてない。時計をずれてない。多分。