アキナ・ミスイ
アキナ・ミスイ
小説家である彼女は普段EURのフランス地区ブルゴーニュの田舎にある別荘で暮らしている、持ち主はミスイ家。東京にも家がありこちらにいるときは国立のマンションを利用している、国立のマンションは父であるライト・シライ名義だ。
アスラの父ライト・シライは現在出張中、彼は東和皇国海上防衛軍少佐43歳、現在潜水艦に乗り極秘任務の真っ最中だという。
アキナは小説の締め切りも終わり、来週行われる新刊の発売記念サイン会までは暇なのだという。
この時代夫婦別姓は当然のことで重婚まで認められている、ただし重婚といってもかなりの制約がある。
合意のために数々の書類を書き当事者同士で納得していることが条件だ、幸運にも潜水艦のりのライトは浮気などしようはずも無く海の中を任務完了までは丘にあがることも無い職業だ。
しかもアキナは元東京帝都大学院ミスキャンパスという、一時はミス東和皇国にも選ばれたがミスワールドには参加しなかったという経緯がある。
ミスワールドに申請中妊娠が発覚したためだ、子供ができる=ミスではなくなる。
美しい奥方が小説を書きつつだんなが帰ってくるまで悶々としながら待ち続けるのを想像しながら船の中で我慢するのだ、外見は今でも瑞々(みずみず)しく当時の面影をしっかり残している美女が帰艦と同時に駆け寄ってくる姿を想像してみればわかる。
そういまでもラブラブ、うらやましい・・・
2人は今のところ子供を1人と決めているらしい、それは彼の職業もあるがそれだけではない。
どうやら新種のウィルスが又世界を恐怖に陥れているのだそうだ、そのウィルスは大人にはあまり効果が無いが10歳以下の子供の死亡率が50%だという。
彼は軍にいる手前そういう情報は他の誰よりも早く手に入る、そろそろ2人目というときにそのニュースを聞き、今は子作りを中断しているところだ。
親の都合で現在アスラは一人っ子、アキナにはアスラがかわいくて仕方が無い、でも作家という仕事は煮詰まってしまうとなかなかしんどい商売だ。
締め切りまでに作品を仕上げるためには何ヶ月も部屋にこもらなければいけないこともある。
彼女の小説は恋愛系だが少しHなそれでいて笑える内容が受けている。
他にも週刊誌にエッセイやコラムを持っていて、若い女性からの支持も高い。
アキナの両親は現在気功術協会の幹部理事をしている、この時代気功術協会と政府関連のつながりは大きい。
ほとんどの関係省庁は気功術の恩恵を受けている。
防衛軍はもとより医療関係に学校関係、ライトが彼女と出会ったのも気功術関係が縁だった。
軍のポスターを作るときにモデルとして彼女が起用され、男性のモデルとして起用されたのがライトだった。
ライトは当時26歳で東和皇国海上防衛軍少尉という階級で、幹部候補のエリートであり、学生時代は男性誌のモデルもしたことのあるイケメン兵士だった。
軍の兵士募集ポスターで引き合わされたイケメンと美女のカップル、ポスター撮りという仕事上の関係だったのだが、なんと2人ともに一目ぼれ、あっという間に連絡を取り合い数ヶ月で結婚の約束まで進んでしまった、当時所属していたモデル事務所(気功術教会系列)は事の進み方についていけずさじを投げたという逸話まで残している。
アキナは状況を自分たちに有利に進めるべくあらゆる方面に働きかけ不安な要素や反対する人物を合法的に説き伏せた。
そして数ヵ月後には反対どころかファンも含めて、彼らの婚姻に賛成する状況が出来上がっていたのだった。
恐るべき才女そして父であるライトも自分の力の限り彼女を守ることに徹した。
これでアスラが平凡な男になるわけが無い。
遺伝子というのは裏切らないものだ。
話は変わりコウ・ミスイ邸で夕食をご馳走になった3人はそろそろお暇することにした。
「じゃあ又ねおじいちゃん」
「ああまたいつでもおいで」
「僕らはこの建物の別の階だから、何かあったら連絡して」
「又ねおじいちゃん」
そういうと一度エレベータに乗り32階へ。
「ママは今日どこに泊まるの?」
「アスラの部屋に泊まろうと思ったんだけど、だめかな~」
「かまわないけど布団とか2つ無いでしょう」
「あら 知らないの?この寮はね不意の来客用に布団貸してくれるのよ、だめならまたおじいちゃんのとこに泊まってもいいし」
「ああ それなら良いよ僕の部屋に泊まればいい」
「ミサちゃんは?」
「え!・・・・」
ミサは急に思っても見ないことを言われ戸惑う。
「ママそれは微妙じゃないかな~俺だってそうしたいけど母親がいたらさ~」
「あら私はミサちゃんも娘のように思っているわよ」
「逆にあまり進ませないように今日あなたの部屋に泊まるんだし」
(まったく、と思いつつも受け入れてしまう)
「じゃあこうしよう、ミサがそれでもよければうちの部屋に来て話をする、どうせ明日を過ぎれば気にしなくて良いんだし」
「わかったわそうする、アスラだけ親子水入らず2人で楽しそうにするのも癪だし、今日はお邪魔してあげるわ」
「うふふ 楽しみだわ」
このときすでに母親は少し出来上がっており、手には追加のビール缶が2つぶら下がっていた。




