獣人ミッシェル
獣人ミッシェル
ミサがそう答えるとアスラは席を立ちドリンクサーバーへと歩いていく。
「ヘイ ユーはここの学生?」
ラウンジにいた学生らしき男性からアスラに声がかかった。
外見は金髪そして最大の特徴は耳だった、そう彼は獣人。
「そうですが、何か?・・」
「オウそれは良かった」
何が良かったのかはアスラには解らなかったが、そこから怒涛のように彼の自慢話が始まった。
「私はUACから来ましたミッシェル・イタガキといいます」
「交換留学と言う形でこの大学院に入ることになりましたよろしくお願いします」
「私の曽祖父は東和皇国人ですが、私の母はドッグ獣人です」
「いわゆるシックスジェネレーションと言うわけですが」
「UACでは医療気功術の勉強をしていました、現在は気功魔術の医療分野での新しい論文を書いています、このキャンパスにはその分野で有名な先生がいると聞いてきたのです」
「私の国では・・・・」
彼の話は止まりそうもない、アスラは彼の言葉を聞きながらミサの紅茶と自分用のコーヒーをドリンクサーバーで作るとトレイに乗せやや立ち去ろうとするが、その間も彼の話は終わらなかった。
「ミッシェル 君の話は解ったけど、自分のことだけではなく僕の話も聞いてくれるかな?」
「オーソーリー」
彼は話し出すと止まらなくなるらしい。
アスラはそう言うとどうせなら自分達の席に来ないかと誘ってみた。
「立ち話もなんだし、こちらで一緒に話そうか?」
「サンキュー、じゃあお言葉に甘えます」
BIWのおかげで英語も東和国語も話せるようになっているが、面白いことに途中で英語と東和国語が交互に出てくる。
彼の外見は白人系獣人と言ったところだが、東和皇国人の血も混じっているという。
どういう経緯で留学してきたかは少しわかったが、アスラには彼が獣人であるということにすごく興味を引かれた。
この時代に獣人がいる事は皆知っていることだが、新海市にある第3皇立学院には獣人の生徒はいなかった。
東京やその周りの県には少ないながらも何人かいると聞いてはいたのだが。
東京についてすぐに獣人と会えるとは思ってもいなかった。
「へ~そうなんだ」
向かいに座ったミッシェルといつの間にか話をしているミサの横に座ると紅茶のカップをミサの前に置きミルクと砂糖のソーサーを前に持ってくる。
ミサは話を聞きながら紅茶にミルクと砂糖を注いでいた。
「そうしたら僕はこの大学に来るしかなかったというわけさ」
「へ~そうなんだ」
ミサが作ってきたのはサンドイッチだった、スクランブルエッグとレタスそれにベーコンを挟んだサンドイッチ、もう一つはハンバーグとトマトのサンドイッチ、2種類共に6切れと言う少し多めに作って置いたらしい。
「ミッシェルも食べる?」
「いいのですか?」
「いいわよ、皆で食べたほうがおいしいし」
ちょうど2切れずつを分けると紙袋に入れて置いた敷き紙を下に置き特性サンドイッチをミッシェルの前に差し出した。
「オー手作りですか!サンキュー」
そう言うとまずはハンバーグとトマトのサンドイッチにがぶりとかぶりつく。
なんと3口で影も形もなくなった。
もう一つも同じように彼の口へと運ばれる、アスラもミサもあっけに捕られながら彼の食べっぷりを見ていた。
「とってもデリシャスでした、ご馳走様です」
「いえいえ どういたしまして」
「君は食べるのが早いんだね」
「イェス僕の家では早い者勝ちではないけれど兄弟家族が沢山いて、余分に食べようと思うとどうしても速さが必要なのです」
「何人兄弟なの?」
「僕は10人兄弟です、いとこは121人いますよ」
彼の家系は多産らしいたまたま彼は双子以上で生まれなかったが、彼の兄や姉そして妹は3つ子と言う話だ。
純粋の東和皇国人ではあまり考えられないことだが、獣人の家系で特に犬族それも多産な遺伝子を持っている場合は最高で134人兄弟という記録さえある。
「へ~すごいね」
2人はそう答える以外に返答のし様がなかった。
【アスラ・ミスイ様アスラ・ミスイ様お客様がフロントでお待ちです】
「あれ?誰だろう?ちょっとフロントまで行ってくるね」
「うん 待ってるね」
「彼の名はアスラ・ミスイって言うんですね、もしかしてミスイ教授の親族かな?」
「そうかも知れない、あたしもあまり詳しくは聞いてないのよね、でも遠い親戚に有名な人がいるって聞いてるから」
「ソーリー そう言えばユーの名前はまだ聞いてなかったね」
「うふふ 始めまして私の名はミサ・コシナ、私もこの大学で勉強することになっているの、よろしくね。」




