ラヴ9 いつもの日常…になるわけないよなぁ
頑張ってはいるのですが、ちょっと短めです(汗
「おはよう、愛海瑠」
「お、おはようございます、円斗君…」
明け方、もう寝るのを諦めていた俺が、愛海瑠の髪を撫でていたら目が開いたので朝の挨拶をした。したのだが…
「どうかしたのか?」
「うん…目覚めた時に、一番に大好きな人の顔が見えるのって…すっごく幸せだなぁって思って…」
そう言って彼女は、幸せです!って表情でこちらを見つめて来た。寝起きから可愛すぎるぞ、この娘!
「そうか…俺も、可愛い彼女の寝顔を見られて幸せだよ」
ここでもいつもの病気が発動する俺。照れ隠しでもあるんだよ、うん…
「えっへへ♪あれ?もしかして、円斗君は寝てないの?」
「こんなに可愛い彼女を抱きしめながら寝るのは無理があるのだよ、愛海瑠さんや」
「そっか…ごめんね?でも、起きない程度に触ったりはした?」
「するか!俺を何だと思っているんだ!」
「リビドーの塊の男子高生?」
「正解です!でも、触ってないから!触ってないからな!!」
「別に、触っても良いよ?でも、私を起こしたら…責任は取って貰うけど♪」
「マジで全く触ってないから!そんなことしたら理性何て吹っ飛ぶから!!」
「ぶぅ…そんなに魅力ないかなぁ?」
「何度も言うが、魅力あるから!ギリギリだって言ってるでしょうが!?」
「分かった!寝ている所を襲うのは問題あると思ったんだね?じゃあ、眠れなくしたお詫びに…どうぞ…♪」
「聞かなくても分かっちゃったけど一応聞こう、何がどうぞなんだ?」
「だから…寝込みを襲うのは気が引けただけなら、今ならその分をぶつけても構いませんよ?と手を広げて待っているんです♪やだ、何言わせるの恥ずかしい…♪」
「恥ずかしいならやめてくれませんかね!?据え膳耐えるのはきついんですよ、こちとら!?」
「だから、どうぞ♪」
「朝から理不尽な押し問答するのは勘弁してください…」
「円斗君が理性を捨てればすぐに解決するよ?」
「理性は人間に備わっている素晴らしい能力何です!捨てるなんてとんでもない!!」
「こうなったら仕方ない…実力行使です!」
「何故そうなった!?と言うか、ノー!!ぶらー!!」
「分かっててやってます♪」
「鬼なの!?理性が飛んだ相手が優しくしてくれると思うなよ!?」
「それはそれで…ぽっ♪」
「どうしろっちゅうねん!?」
柔らかすぎてどうして良いか分からんっての!?どうすればいいのだよ!教えて?ママン!!
「あら?お取込み中だった?」
祈りが通じたのかママン登場!助かった!!
「help!mommy!!」
「ええ!?何で発音が良いの!?」
「火事場のクソ力的な?」
「訳の分からない方向性だね…」
「じゃあ、お邪魔みたいだし」
「違います!この暴走娘を止めて!!」
「良いではないか♪良いではないか♪」
「愛海瑠さん、キャラ崩壊してますよ!?」
「愛海瑠だよ?」
「急に素に戻らないで下さい!?」
「さて、衛輔さんを起こしに行きましょうかね」
「見捨てないで母上!?」
「そんな事を言われても、布団の中でいちゃついている息子カップルを私にどうしろと言うのかしら?」
「お構いなく♪」
「止めて!この暴走してる娘を止めて下さい!?」
「・・・はぁ、ヘタレな息子でごめんなさいね」
「違いますよ!円斗君はただただ優しいだけです!まあ、その優しさに邪魔されているのは困りものなんですけど…」
「愛海瑠、そこまで分かってるなら引いてくれない?」
「いやぁ♪」
「おおい!?」
「仕方ないわね。愛海瑠さん、朝食の準備を手伝ってくれないかしら?」
「お義母さん?」
「円斗さんの胃袋から篭絡した方が早いかもしれないわよ?」
「!?分かりました!頑張ります!!」
「本人を前に言う事じゃねぇな…」
「円斗君!頑張るから篭絡されてね?」
「宣言してどうするんだよ!?する気ならせめて俺が分からないようにやって下さい!?」
「円斗君にはありのままの私を見て欲しいの♪」
「物は言いようだなぁ…」
「さて、イチャイチャするのはそれくらいにして行きましょう?と言いたいところだけど、着替えてからいらっしゃいな」
「あ!忘れてました♪」
「何故そう言いながらさらに抱き着く!?」
「恥ずかしいから?」
「恥ずかしいなら抱き着く必要ないよね!?布団手繰り寄せるとかあるよね!?」
「羞恥心より好奇心?」
「何故疑問形なのだよ!?って、我が母がすでにおらんではないか!?」
「これは続きをどうぞって言う合図?」
「絶対違うわ!ほら、俺を胃袋から篭絡するんだろ?さっさと着替えて手伝いに行け!」
「あん♪円斗君てば冷たいんだから♪」
「何とでも言え…って、何で俺の目の前で脱ごうとしてるんだよ!?」
「え?別に今更だよね?」
「全然今更じゃないからな!?今更であっても、羞恥心って大事だと思いませんか!?」
「私だって恥ずかしいんだよ?頑張ってるんだから、ちゃんと見て下さい!」
「何その理屈!?って、脱ごうとするなぁ!?」
いきなり脱ごうとしたので止めようとしたら飛びかかる様な体勢になり、よくあるラヴコメ展開的な押し倒しになってしまった!?
「…覚悟はできてます…!」
「出来てなくて良いから!事故!事故だからね!?」
「事故と言う割には…?」
「へ?・・・!!?」
愛海瑠の視線を追うと…道理で右手が何か幸せ♪って!?
「わわわ、わるい!!?」
「悪くないよ?触られたところから円斗君の温もりが広がっていく感じ…何か我慢出来ないかも!!」
「ちょっ!?」
「あん♪意外に素早い…円斗君のいけず!!」
「危なかったぁ…」
どうやら、さっきの事で愛海瑠に火が付いたらしく、俺を押し倒そうと?飛びかかって来そうな気配を感じだので飛びのいて回避したのだ!九死に一生を得た…大げさじゃないはず?
「もう!でも、今回はこれくらいにしておいてあげようかな?ふふっ♪」
そう言って、妖艶に微笑む愛海瑠さん。やべぇ…めっちゃ色っぽい!落ち着け俺!一緒に高校に通うためだろ!?煩悩退散!!
そんな俺の葛藤を無視して脱ぎだす愛海瑠さん。もちろん、俺に止めに行く度胸はもうないわけだが、視線を逸らすことが出来ないどうしようもない俺!・・・綺麗ですね♪サイテーって言葉が聞こえるぜ…
そして、愛海瑠は俺の方を見てもう一度ほほ笑んでから階下に降りて行った。・・・あれって、見てたの分かってるからね?的なやつですよね?・・・後で何かありそうだなこれ…
「・・・俺も着替えるか…」
しかし、徹夜のせいもあるんだろうが、朝食を食べる前にすっかり疲れてしまったぞ。俺、今日一日持つんだろうか…?