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ラヴ7 すぐに確かめ合いたい彼女

 バタバタした。愛海瑠の家に行くかと尋ねたら、今日は遅いから友達の家に止まったことにして、明日一緒に説得して欲しいと言われた。そこで、愛海瑠が家に連絡している間に、彼女の部屋を用意しようとしたのだが、途中で来た愛海瑠が


「私、円斗君の傍に居たいから円斗君の部屋に住みたいです!!」


 とか言い放ったまでは良かった。拒否出来ると思ったんだ。しかし、


「円斗さんなら問題ないわね」


 と、母上様の鶴の一声で愛海瑠の念願は叶ってしまったのだ。色々な意味でまずいと思いませんか!?息子を信用し過ぎだと思いますぞ!!


「間違いが起きたら責任をちゃんと取る子ですものね?」


 思ってたのと違う理由で信用されていた!?しかし、いくら母の意見が強いと言っても、これでは俺の安眠が脅かされる!だからこそ、必死に抵抗をしようと思った!思ったんだが…


「良かったぁ…ずっと一緒に居られるね♪」


「あ、ああ…」


 ものすっごい幸せそうな笑顔で先制された俺は、あっさり白旗を振ってしまった。いや、分かっているんだよ?安眠が…とか、倫理的に…とか、色々頭にはあるんだ。しかし、彼女のこの笑顔に勝てるがしない…男みょうりに尽きるってものだろ?逃げだって?何とでも言うが良い!


 しかし、明日は愛海瑠のご両親に挨拶か…あれ?これってもうほぼほぼ外堀埋まる事にならないか?一緒に住む=同棲するって事じゃん?同棲までしたのに結婚しないなど許されると思っているのか?って言われないこれ?・・・もう俺の結婚って確定事項じゃないか?これ…


「どうかしたの?」


「ええとまあ…俺たちの結婚はもう確定しているような気がして…な?」


「えへへへへへへ♪あ!不束者ですが、よろしくお願いします♪」


「ああ…こちらこそ」


 くそぅ…可愛すぎて何も言えねぇ!あんな、笑顔を堪えきれません!みたいに笑った後、こちらも満面の笑みで挨拶されたらもうね?どうやって否定出来ると言うんだよ!!する奴がいたら俺が許さん!!


「愛海瑠さん」


「あ、お義母さん」


「早速、家事を手伝って貰いたいのだけれど?」


「あ!はい!・・・家事をするには離れなければいけないんだよね…」


「愛海瑠?さっきも言ったけど、家事は家事でしっかりやるんだぞ?自分で言いだしたことだ、きっちりやらないとな?」


「分かってるんだけど…」


「ほら、そんな顔するなよ?ぎゅっと…これでしばらく大丈夫だろ?」


「もうちょっと…」


「あ、ああ…」


 これ、いつものパターンならちょっとじゃ済まないだろ?さて、どうしたものか…


「愛海瑠さん、余り遅くなると円斗さんのお腹が鳴ってしまうわよ?」


「あ!そうですね!・・・名残惜しいけど…」


 そう言って愛海瑠は離れた。思いっきり辛そうな顔してんな…どれだけ俺に依存してんだ?本人も意外だと言っていたが、これは本当に今後が心配になるレベルだよなぁ…


「何度も言うが、そんな顔するなよ?…これからは、ずっと一緒に居られるんだぞ?離れると言っても同じ家の中にいるんだし、どうしても我慢出来なくなったら俺の所に来い。いつでも抱きしめてやるから」


 でた、女の前でカッコつけマン。これ、俺の病気かもしれん…


「約束だよ!絶対だからね!!抱きしめてくれなかったらお義母さんに言いつけるからね!!」


「あら?円斗さん、約束は守ってあげるのよ?」


「は、はい!もちろん、約束は守るから問題ない!」


 問題あるけど、抱きしめる時間くらい決めておけばよかった…空いた時間ずっと抱きしめてるとかないよな?さすがに、理性との格闘時間が増えそうなので怖いんだが…


「じゃあ、家事頑張ってくるね!」


「ああ、頑張って来い!!」


「ふふ、晩御飯は期待していてね?」


「母上の料理はいつも美味しいですよ!!」


「あらあら?私まで口説こうとしているのかしら?」


「何でそうなる!?」


「円斗君…?」


「実の母にまで嫉妬しないで貰えますか!?」


「ふふ、本当に若いって良いわねぇ」


 それから、ごめんなさい?のハグをされられた後、やっと夕食作りに向かって行った。去り際、これでもかって程手を振っていたけど…キッチンへ行くだけだからな?何かもう、愛海瑠に愛され過ぎて怖くなる。


「明日起きたら冷めてましたとかなったら、シャレにならないなこれ…」


 俺もかなり愛海瑠を好きになってると思う。いや、ここまで好かれて好きにならないわけがないか。特に、俺は好きな相手が居たわけじゃないからなぁ…。あ、考えたら、愛海瑠と付き合う事になってからずっとくっついていたから、一人で考えられる時間がやっと出来たとのか?


 余りに怒涛と言う言葉が当てはまる濃い時間を過ごしていたせいか、一人になると寂しいのもあるが、ゆっくり考える時間が出来たと思ってしまった。


「でもまあ、これから一緒に住むんじゃ余りこういう時間はないと思わないといけないわけか…」


 まあ、あんなに可愛い子と居られる対価と考えれば、そこまでではないとか思ってしまうあたり、俺もかなり彼女にメロメロってやつなのだろうなぁ。


「しかし、この世に彼女より積極的な娘が果たして存在するのか?ってほど凄まじかったな…」


 付き合いだしてすぐに腕を組み。しかも、それを離す気がない。そして、教室で俺の彼女宣言に、手を出すな宣言。買い物デートもそぞろに、一緒に住みます宣言。・・・これ、もう俺の逃げ道はないな。逃げる気はないのが救いだが…


 どれくらい時間が経っただろう?と、時計を見ると20分も経ってなかった。一人の時間ってこんなに時間が遅かったっけ?などと、感慨深く思っていると…


「円斗君!」


「あれ?愛海瑠?もう終わったのか?」


「ん!約束!!」


「は?・・・マジか?」


 そう言いつつ、手を広げて待つ彼女を抱きしめた。マジか…料理の時間も持たない感じなのか?いや、抱きしめる事に不満はないが、柔らかすぎて平時はどれくらいが丁度良いか未だに分かってないんだよな、ガサツな俺は…


「じゃあ、また頑張って来ます!」


「ああ、いってらっしゃい…」


 少しして充電完了?したのか、愛海瑠は再び戦場(キッチン)へと向かって行った。・・・やべ、さっき少し離れると寂しいとか思っていたせいか、抱きしめていた時俺も結構幸せとか思ってしまったぞ!?いや、今まで思っていたわけじゃないんだが…何かこう…分かりません?


 しかし、これは困った…これからは、彼女のスキンシップが当たり前で俺も嬉しい事になっていきそうな気がするな。何が困るかって?君、男子高校生のリビドーを舐めて貰っちゃ困りますよ?それを出さずにいるのが試練になりそうだと言う事ですよ…幸せ税?なにそれ?美味しいの?



 それからしばらくして夕食が出来たと言われてリビングへ行くと、いつもより豪勢な晩餐会か!?と思われる程の料理が待っていた。いや、今日は何のお祝いですか?何となく分かるけど…


「円斗さんの婚約記念日だから奮発しちゃったわ♪」


 とは、母の談である。愛海瑠さんは何と言ったかと言うと…


「円斗君への愛情を全力で込めました♪」


 と言われました。全力って何?後、俺だけが食べるわけじゃないからね?こんな量、食えんわ!!


「随分豪華な夕飯になったものだなぁ…みんな、席についてくれ」


 いつものように、親父が食事の挨拶を最初にするようだ。まあ、俺に任せられても困るから全然いいけどな!!


「では、いただきます」


「「「いただきます」」」


 何か言わされるかと思ったが、我が父は分かってらっしゃる。食事を前にグダグダいうのは俺も好きじゃないからな!何より、冷めちゃうじゃないか!料理に失礼だ!!なお、これは俺の個人的意見であって、立食パーティなどを否定するものではないと、予め言っておこう!!


「で、愛海瑠さんや…俺と腕を組みながらの食事は大変じゃないかい?」


「大丈夫!私、右手も左手も変わらずに使えるから問題ないよ?」


「いや…でも、片手で食事は…はあ、愛海瑠が良いなら良いや」


 俺も片手になるから食事しにくいと言いたかったが、何かもやっぱり勝てん!


「それに…はい!あーん♪」


「やるのか?やっぱりやるのか?」


「うん♪あ~ん♪」


「あ、あ~ん…」


 おおう!?思わず声を出したが、俺は言わなくて良かったはずだよな!?口の中のものを咀嚼しながらそんなどうでも良い事を考えている俺。浅いな…


「美味しい?」


「愛海瑠の愛の籠った料理が美味しくないわけがない!美味しいです!!」


「良かったぁ…♪どんどん食べてね?はい、あ~ん♪」


「あれ?全部こうやって食べさせられちゃう感じ?」


「あ~ん♪」


 拒否権はなかった…凄くラブラブで長い食事になったとだけ言っておこう。味はちゃんと美味しかったぞ?緊張で味が分からないとかなかったな!俺って結構図太いんだぜ?



 食事の後、二人で並んで皿洗いをしている現在。何故こうなったかと言うと…


「じゃあ、後片付けは俺がするわ。俺の担当だし」


「あ、じゃあ私も手伝う!!」


「え?狭いし俺一人で…」


「二人で並んで皿洗い!仲の良い夫婦の定番のイメージがあって憧れていたんだよね♪」


「ああ…じゃあ、二人でやるか」


 あんなにキラキラした目で憧れていたとか言われたら否定出来るわけがない。全戦全敗?可愛いは正義!正義は勝つ!!・・・そう言う事にしておいてください…


「ふんふんふ~ん♪」


「…ただの皿洗いなのに楽しそうだな?」


「うん♪円斗君と一緒ならどこでも楽しいよ?」


「う…真っ直ぐな瞳が眩しい!?ごめんなさい、俺から振っておいてなんだが、さっさと終わらせよう」


「は~い♪」


 本当に楽しそうだなぁ…


 それから、皿洗いが終わってしばらくは俺の部屋(彼女の部屋でもある?)で数学を教わっていた。何か、円斗君が出来ないとか思われてるのは悔しいから真面目に教えるね!と、愛海瑠さんは気合いが入っていた。まあ、俺の左腕は相変わらずだけども…


「ここはね、こっちから先にこの公式を当てはめて計算すると…」


「なるほど!分かりやすいな!」


 愛海瑠さんに教わるとあら不思議、俺が理解できる部分が増えた!・・・愛海瑠さんは教師とか向いているじゃないですかね?



 そうやって、しばらく真面目に勉強会を実施していると…


「円斗さん、お風呂が空きましたよ」


「分かった!」


 下からお風呂が空いたと母上の声がしたので返事をしたので返事をして風呂に行こうと立ち上がってふと左手を見る。


 にっこりと笑う愛海瑠さんがいた…離れる様子はない…これはもしかしなくても…?


「愛海瑠、お風呂に行こうと思うんだが…」


「はい♪お背中流しますね♪」


「敢えて聞かなくても分かっちゃったが…一緒に入る気ですか?」


「もちろんです♪」


「デスヨネー…」


 どうするんだよこれ!?さすにが、こんな可愛い娘と一緒に風呂に入ったら理性が持たんぞ!?

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