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ラヴ3 彼女の気持ちに応えるのが男!

 援護はない!逃げ道もない!!ならば…行くしかないだろう!円斗!男なら行くんだ!!


 俺はもう、後先の事は考えるのは止めて自分の言った事に責任を果たすべく彼女に…キスをした。


 すぐに離れるとか考えていたけど、愛海瑠が抱き着いて来たので抱き返してしまった。そのお陰で…またもタイミングを失ってしまった。


 初めてのキスの感想は…ただただ柔らかくて暖かくて何と言うか…強く、この娘を守っていきたいと言う願いが湧き上がって来た。いや、正直何と表現して良いのか分かってないだけかもしれないが…とにかく、冗談交じりでやる事になったが、絶対に冗談のせいにして逃げる事はしないとここに誓おう。


 ・・・やべぇ!呼吸の仕方が分からん!・・・限界デス!自然と離れられるかチャレンジさせてください!!


 願いが通じてか、自然と顔を離すことが出来た。だけど、抱き合ったままなので距離は近い。しかも、愛海瑠は潤んだ瞳で俺を見つめてくる。その瞳は、もう一回と強請っているように見えるけど…気のせいだと思いたい。だって…無限ループって怖くない?


「…もう一回…して?」


 わーい!俺の勘はあたったよ!もう一回を強請られちゃったぜ♪って、言ってる場合か!?ぐ…彼女の瞳から逃げられない!?ええい!ままよ!!


 そして、勢いのままに二回目のキス…流されっぱなし、翻弄されっぱなしだな…。でも、一度目より落ち着いているせいなのか、他の要因によるものなのか…抱きしめる手に少し力が入ってしまった。まあ、当たり前のように愛海瑠からの抱きしめも強化されましたが…やばい、今度は心臓が持たない…キスしてる最中に意識失うとか失礼にも程がありますよね…


 そして、何と言う事か!?二度目は本当に意識せずに離れられた!?とは言え、まだ見つめ合ってるんだけども…え?マジで無限ループじゃないですよね?愛海瑠さん?


「…もうい」

「いよね!!いきなりのラヴシーンに固まっちゃったけど、ここ教室だからね!人もいるからね!?」


「…喜美子、後何回やった後正気になるか見たかったのに…何で止めちゃったの?」


「流石那々瑠さん、予想の斜め上の発言だよね…」


「喜美子ほどじゃないよ?」


「それは全力で否定させてもらうよ!?」


「・・・残念だけど、雰囲気が壊されちゃったから続きは後にしよっか?」


「ああ…後で続きするつもりなんですね…嫌じゃないけども、俺たち、今日付き合ったばかりだよな?」


「え?そうだよ?それが何か問題なの?」


「あ…うん、俺が悪かった…」


 マジで少しも臆することなく、それがどうしたの?と返されるともう…俺が間違ってる気がして来るんだが…


「ちょっと!何負けてるの?円斗!君にちゃんと愛海瑠の手綱を握って貰わないと困るんだけど!確信したよ!私たちじゃ、この子の暴走は止められない!彼氏の円斗だけだよ!頑張れ!!」


「マジか…」


「失礼なもの言いだね?私は、別に暴走何てしてないよ?愛し合う男女なら当たり前の事でしょ?ねぇ?円斗君♪」


「あ…うん、そうだよ…な?」


「そうだよ♪」


「そ、そうだよな!」


「うんうん♪」


「よわぁ…円斗、弱すぎない?君?」


「言ってやるな、喜美子君。円斗の坊やにそれを求めるのは酷と言うものだよ」


「…那々瑠のキャラが未だに掴めないんだけど?」


「…俺たちも参加した方が良いのか?」


「そうかもしれんが、どうやっても撃沈する未来しか視えないんだが?」


「だなぁ…」


「「恐るべし!眠い系ロリっ子那々瑠ちゃん!!」」


「那々瑠、何か二人の男子に恐れられてるけど?」


「ェー?こんなに可愛良(かわよ)い私を捕まえて何を言ってるの?」


「アンタこそ何言ってるの?本当に、未だにキャラを掴めない子だよね…」


「愛海瑠?参加しなくて良いのか?」


「今、さっきのキスの余韻に浸ってるからもう少し待ってね?」


「そ、そうか…唇に人差し指を添えながらこっちを見るのは、あざといと分かってても撃沈しちゃうから卑怯だと思うんですよ、ええ…」


 一回で良い…俺に勝利を与え給え!!


「とにかく!愛海瑠?流石に教室でキスシーン…しかも、独り身の友人を前にして存在を忘れたようにするのはどうかと思うよ?」


「うん、ごめんね?でも…円斗君が積極的に誘って来るから止まれなくなるの♪」


「・・・全然反省してないね、これ…円斗ぉ?」


「ぐ…冗談でも過激発言はしないように心がけます…」


「よろしい!本当に、お願いよ?」


「ああ…」


 やべ!喜美子のジト目が結構可愛かったぜ!!


「…円斗君?変な事を考えてないよね?」


「へ、変な事?俺はいつだって愛海瑠の事しか考えていないよ?」


 愛海瑠の女の勘と言う不意打ちを食らった俺は、慌てて反撃に出た!正直、のらくらでかわせるほど愛海瑠の攻撃は甘くはないと俺は判断している!!


「しょうがないな~?今回は、それで許してあげるよ♪」


 そう言って俺の腕にしがみ付いてくる愛海瑠さん。どうやら、俺は許されたらしい…正直、短い時間とは言え彼女の視線が怖かった…睨まれているわけじゃないのに、何か心臓を鷲掴みにされているが如く…いや、気のせいだと思いたい…


「でも、どうしよう?愛海瑠には那々瑠を送って貰いたかったんだけど…円斗君と二人で帰りたいんだよね?」


「違うよ?これから、円斗君とデートするんだよ♪でも、そうだね…那々瑠の事をすっかり忘れてた…どうしよ?」


「ん?どういうことだ?」


「えっとね、今までは私か、喜美子のどちらかが那々瑠を家まで送っていたんだよ。…見て分かる通り、ちょっと一人で帰らせると不安だからね…」


 そう言った愛海瑠の視線を辿って見ると、またも船をこぎ出した那々瑠がいましたとさ。これは確かに一人で帰すのは不安だな…


「大丈夫…私も…子供じゃないから…」


「現在進行形で大航海に乗り出している子が何を言うか…でも、私も部活さぼるのはちょっとなぁ…」


「ん?喜美子って何か部活やってるのか?」


「一応、陸上期待のホープだよ?まあ、自己申告だけど!」


「自己申告のホープってなんだよ…」


「あははっ♪そう言う円斗は何もやってないの?」


「うむ!帰宅部期待のホープだ!!」


「うわぁ…いやなホープもあったものだよねぇ?」


「なにおう!?」


「円斗君が帰宅部で本当に良かった♪」


「あはは…もう、愛海瑠は円斗に関してはポンコツ決定かもね?」


「なにおう!?」


「円斗の真似?似てないよ…」


「え!?そうかな…?」


「あ…うん、がんばれ?」


「がんばる♪」


 くそぅ!意味が分からないのに可愛いとか本当に反則だろ!?


「はぁ…これはもう何言ってもダメだね…砂糖吐きそう…」


「「激しく同意だ!!」」


「あ!こいつらに那々瑠を送って貰うって言うのはどうだ?」


「え?二人とも帰宅部なの?」


「うむ期待のホープだ!」


「右に同じだ!」


「二番煎じは頂けないなぁ?」


「しまった!?」


「乗り遅れたか!?」


「良いから、送るのか送らないのか?」


「「眠り姫の護衛は任せろ!!」」


「・・・めちゃくちゃ不安なんだが?」


「「なにおう!?」」


「あ、結構似てるかも?」


「なにおう!?」


「なにおう!?」


「夫婦漫才しないで良いから…」


「夫婦って言われちゃったね♪」


「ああ、うん。嬉しいのは分かったから!近い!近いから!!」


 抱き着いて嬉しさを表現するのは幸せの感触…じゃない、嬉しいんだが、顔が近過ぎて色々やばい!もうね、さっきのキスが頭から離れないのは俺も何ですからな!?言えないけど…


「ああもう…この二人はどうしてくれようか…」


「どうにもならないと思う」


「あ、眠り姫が起きた?」


「寝てないし…」


「うん、そうだね~?」


「流すなし」


「で、眠り姫様?護衛騎士に二人が立候補してるけど…どう?」


「・・・送り狼?」


「「そ」」


「あ、こいつらにそんな度胸ないから安心していいぞ」


「おいぃ!?少しは乗らせろや!?」


「そうだぞ!俺らをぞんざいにするなや!?」


「それじゃ、行くよ?家来AB」


「「お供しますお嬢様!!」」


「ええ!?本当に行きやがったよあの二人…」


「うちの姫様もね…」


 マイペースに歩き出した那々瑠を送るべく、マジであの二人行きやがったよ…これからも、振り回されそうだなぁ…でも、嬉しそうだなぁ…合掌。


「それじゃあ、私も部活に行こうかな?何か、精神的に疲れちゃったけど…」


「何か…すまん」


「良いって!円斗のせいじゃないでしょ?どちらかと言うと、お隣の誰かさんのせいだし」


「え?私?」


「他に誰がいるの…?」


「えっと…私、何かしたっけ?」


「俺に真剣に問われても困りますぞ…すまん、惚れた弱みってやつで見逃してくれ…」


「うん、言わなくても分かってるから!もうご馳走様だよ!!それじゃあ、何があっても君の姫君は守るんだよ!」


「この命に代えましても!!」


「円斗君…カッコイイ♪」


「恋する乙女フィルター最強だよね…もうお腹いっぱい!じゃあ、また明日ね♪」


「お、おう!またな!」


「あ、頑張ってね!」


 喜美子は元気に手を振りながら去って行った。いや…それにしても俺がカッコイイね…マジで恋する乙女フィルターってあったのか…


「それにしても、マジで全く離してくれないのな…」


「何か、離すと不安になりそうなんだよね…」


「ああもう!そんな顔すんな!ほれ、行くぞ!!」


「うん♪」


 だから、一々可愛すぎるんですってば!!俺を萌えカスにするつもりですかね!?


 そんな感じで、結局愛海瑠に腕を引かれるように近くのショッピングモールに向かうのだった。俺の物凄く濃い一日はまだまだ終わりそうにない…

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