違和感
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「どうゆうことだ…?」
ゴザ領を出てから夜営4日目のこと、熊耳の騎士さんが不思議そうに呟いた。
「どうかされたんですか?」
食事の用意をしながら加代はたずねる。
「おかしいんだ。この辺りはAランクの魔物が出てもおかしくないエリアなのに魔物が一匹も現れないなんておかしいんだ。」
「確かに。普段はここでは夜営なんて出来ないもんなぁ。」
パグの耳を持った騎士も食器を運びながら同意する。
「結構、移動してますけど普段はどの辺りで夜営されるんですか?」
夜営をしないという騎士の言葉に疑問を持った加代が再び声をかける。ゴザ領から出てかなりの距離を移動したが、休憩なしで移動できる距離とは到底思えない。
「普段は空間魔法が得意な奴がヤバめな魔物がが出る度に空間移動を繋いで移動するからもっと早くファーゴ領に着くんだ。だから普通に宿に泊まる。」
加代の質問にパグの耳を持った騎士が答えてくれる。
「今回はされないんですか?」
「空間魔法はすごく魔力を消耗するんだよ。ましてやこの人数をいっぺんに運ぶんだ。一回空間魔法を使ったやつは2日は使い物にならない。」
「リスクも大きいんですね。」
「そうゆうこと。使わなくていいなら時間がかかっても馬で移動した方がいい。」
「因みにこのペースでいくとファーゴにはどのくらいで着くのでしょう?」
「明日には着くよ。」
「あ、団長様!」
夜営地回りの見廻りを終えた団長が加代達の会話に混ざってきた。
「空間魔法を使ってもそう消耗しないところまで来たからね。明日は日暮れ前までは馬で移動して夜になる前に空間移動で一気にファーゴに入るよ。」
「そうなんですね!」
「団長、回りはどうでした?」
熊耳の騎士が団長に声をかける。
「静かなもんさ。加代の浄化と守護の魔法のおかげかな。」
「お役にたてて良かったです。」
柔らかく団長に微笑まれて加代は顔の温度が上昇するのを感じながら、誉められて嬉しくなった。
「でも、守護の魔法は上級魔物には効かないって…Aランクって上級にはいらないんですか?」
ABCのランク分けの概念は地球と違うのかなとか、考えながら出来たご飯をお皿によそっていると周りの騎士達の動きが止まったことに気がついた。
「カヨ、だから俺はおかしいってさっきから言ってるんだ。Aランクってのは上級魔物の分類だ。普通は効かないから魔物が現れても仕方がないはずなんだ。なのにこの四日間俺たちは一匹も遭遇せずにここまで来た。」
「こんなことは本当に初めてだよ。」
「実はカヨ、守護の魔法じゃなくて加護の魔法とか使ってない?あ、でも魔方陣は守護の魔法のだったな。」
騎士二人が加代の魔法の話題でどんどん盛り上がっていく。
「前も聞きましたけど私の魔法ってそんなにみなさんと違うんですか?」
いつの間にか加代の隣に立っていた団長に加代は確認する。
「そうだねぇ、この騎士団の中には誰1人としてできない効力は発揮してるかな。」
「団長様でも?」
「うん、僕でも。」
ちょっとだけ困ったように眉毛を下げて、それでもイケメンな顔で団長は加代の言葉に頷いた。




