16話 合流
足を引きずり北に向かう
階段を降り
一階に着く頃には
ある程度、痛みは治まっていた
全力で走ることなどは出来ないが、まだマシ、といったところか……
(泉!!!)
急に小声を掛けられる
振り向いた先には西棟北側女子トイレ
そこから顔を覗かせて居たのは桜子だ!
「桜子! 大丈夫なん!?」
「うんうん、泉は!?」
「ん、大丈夫! ちょいコケて全身痛いけど、とりま問題ないん♪」
視線を交わしてホッとしたら涙が出てきた
二人でソレを流し
抱きしめた
「桜子、龍斗は? 一緒じゃなかったん?」
「うん、食い止めるから逃げろって……」
「そっか……」
「アレ、何? 先生…… 藤田先生……」
「解らん…… なんなんアレ……」
「助けて…… 助けて泉!」
「ウチかて助かりたいわ……」
「でも、だって… 泉は救えるでしょ! だって泉なら……」
え?
そっか……
そうゆう事か……
「よくわからんけど、とりま冷静になり!」
私は桜子の肩をポンポンと叩く
「まずは、トイレに隠れよ!」
そう言った矢先だった
「てんめぇーーー!!!!!」
怒号が聞こえる
この声は
修だ!
「桜子、走れる!?」
「うん! 今の修だもん!」
「せやね! 行こ! 東棟教室の二階辺りや!」
私は桜子の手を取り走る
全身の痛みなんてこんな時に感じていられない!
また声が!?
「てめぇがラスボスかぁーーー!!!!!!」
続いた声は
「追えよ!!!」
龍斗の声だ!
え!?
修は誰と!?
二人は誰を追ってる!?
いや、ならば……
相手は藤田先生か!
私達は二階に駆け上がる
階段を曲がった所で、随分と先に人影が見えた
修の姿だ
考えるよりも先に
「修!!!」
私は叫ぶ
こちらを見た修は戻り、走り寄った
「大丈夫か!? 桜子! 泉!」
そう言うと修は桜子の肩を抱いた
「うん…… うん……」
桜子が修の胸で何度も頷く
ひとしきり泣いた桜子が顔を上げ、涙を拭き、修に向き直った
「さっき、ラスボスって…… それに藤田先生は……?」
「あ、あぁ……」
少し視線を外す修
「ラスボスって、親玉の事でしょ!? 誰なの!? こんな事してるの誰なの!? 何よコレ!? 何なの!? 何なのぉ……!?」
また、桜子は涙を流した
「今は、まだ…… 待ってくれ……」
そう言うと、修は私を見る
「龍斗は? 追えよって聞こえたけど…… 誰を追って行ったん……!?」
私の問い掛けに何と言って良いか解らない表情
そんな感じに取れる
修は、ひとしきり泣き、少し落ち着いた感じの桜子を少し離し、淡々と話始めた
「決着付けてくる……」
「誰と!?」
修の腕を離さない桜子
「まだ、言えない…… ここでは言えない……」
修は、そう桜子に伝えると、また私を見た
どうゆう事だろう
いや……
私はその理由を知っているのかもしれない
その時だった
ボバギャァァァアァァァン!!!!!
辺りが真昼の様に明るくなる
明るいんじゃ無い
燃えている!
爆発!?
火事!?
コレは……
理科室か!?
転んだ時に……
椅子か!
ガス栓を傷つけたのかも!?
そんな事は知らない修が叫んだ
「そこか!! てめぇ!!!!」
理科室に向けて走って行く
廊下を駆け、角を曲がる時に一瞬止まった
「爆発は理科室、三階だ! 火と煙は上に行く! 一階体育館のトイレに逃げろ!!!」
そう言ったのも束の間、走り去り……
視界から消えた
修は速い
もう追えない……
そう判断した私は
「一階体育館トイレ、か…… 行こ! 桜子!」
修の残像でも見ているのか、桜子は視線を真っ直ぐ廊下の先に向けたまま
「うん……」
と、答えた




