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夢の隙間

もともとは夢見がちなちょイタイ女子。それが私。

青春時代はやや厨二ちっくでしたが現在33歳の現実的な社畜。

桜井流生(さくらいるい) それが私の名前。

街の総合病院に勤めるワーカーホリックな医者だ。

平均労働時間33時間。

睡眠が何よりのご褒美です。


内科系を目指していたのに何故か1番訴訟の被害に合う産婦人科医になり早数年。

時間を選ばないお産と戦う毎日を送っている。


自分のケアにはなかなか時間を避けずややプリンになった髪をまとめて誤魔化し、自宅で過ごす時間は週3日でほぼ睡眠という不摂生に生活を送っていた。

体は資本だが資本に投資が出来ずに夢にばかりストレス発散を求めている。

夢を自在に操れたら、小さい頃は誰もが思う願望をストレスによって叶えた悲しい女である。


仮眠ばかりの毎日で眠りも浅く夢を見るには丁度良かった。


特にこの数ヶ月は周囲の産婦人科がなくなり、総合病院に患者が集中してアホみたいな忙しさになった。

おかけで毎日寝不足だが、ストレス発散が夢を見ることであり、横になれば必ず寝てしまい不眠とは無縁である。数少ない特技だ。


こんな生活をしているがため、現在結婚はせず自由気ままな独身者。

恋人すらおらず枯れジョである。


ストレスフルの毎日を送る私が何故この仕事を続けられるのか。

正直やめたくて仕方ない。

でも、好きに生きるためには金が必要であり、金は仕事からしか得られない。

つまりは生きるためだ。


まぁ赤ちゃんは好きだし人が亡くなる場面よりは人が誕生する場面のが多く出会えるし、今では産婦人科医で良かったと思っている。

忙しさだけは予想以上だけどね。



そんな現実的な私が最近見る日夢はかなりファンタジックであった。

世界(ゆめ) を思うがままに動かす術を持ち、自由に世界を創っていた。

まるで、神。

若き頃の厨二が存分に発揮されていた。

現実が、現実的過ぎてファンタジーに傾いたんだろうな。


だから当然先ほどの夢も納得出来る。

今まで人は人間しかで出ていなかったが、ついに異形を登場させたのだ。

夢のクオリティが上がってきた。

ふふふ。

この後の展開を考えるとムラ…じゃないワクワクする。


ともあれまずは起きて仕事(おさん) に行かねば。

遠くで私のアラームが鳴っている、ような気がする。


視界がやや光を感じ、私はゆっくり目を覚ました。

使い方を学び中。試験運用。

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