第4話
「ど、どうも・・・」
俺はとっさに挨拶をしたが、相手を見れば見るほど混乱していく。
『なんで鎧?コスプレ?いや、金属鎧が明らかに本物だ。あんなの普通のレイヤーは重くて着られないよな?明らかに日本人じゃないのに日本語で会話してんだ?』
そんな固まった時間が1分ほど経っただろうか。
「総員戦闘態勢!包囲せよ!」
革鎧の少年が指示を出す。
その指示にはっとしたように金属鎧の男も我に返る。2人だと思っていたが2人の後ろから数人の男が飛び出してきて俺を包囲する。
「まっ!待って!俺は敵じゃない!」
「そんな話を信じるやつがどこにいる!魔族や亜人が立てこもる城にそんなカッコをしているやつがいたら明らかに指揮官だろうが!」
「えっ!」
俺はそう言われて初めて自分の服装を見てみた。濃紺の詰襟上下に、鮮血を思わせる赤いふちどりの入った濃紺のマント。素材は明らかに高級品だ。
『おっ・・・これって俺がイメージしてたガレリア王国の軍服じゃんか。ゲームにデザイン機能なんてなかったから、似たような装備を探して来てたのに・・・これってゲームじゃない???』
「それでも俺は知らない!気づいたら石棺に入ってて・・・今出てきたところなんだ!」と俺は懸命に説明をする。この人数を相手に襲われたら俺なんて秒殺なのは明らかだ。
「それが指揮官のセリフかよ!死んで行った兵たちに申し訳ないと思わないのかよ!」とごつい金属鎧の男が怒りをあらわに叫ぶ。
『くそ!だめだ!俺のことを敵だと思い込んでるし、なんとか逃げる方法をかんがえなくちゃ・・・』