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第2話

意識をなくしていたのは、どれくらいだろうか。いや、今は意識があるのだろうか。目の前が真っ暗で自分がどういう状態か全く認識できない。

 そんな俺の脳裏に不意に文字が現れた。「エラーが発生しました。接続しているノードを切り離します。」


 (おいおい。エラーってこれ・・・)

徐々に俺の意識レベルも上がってきてゲーム中にエラーが発生したことを理解した。

 (そっか、死に戻りの途中でエラーか。メニューも出ないし待ちか。ひさしぶりのエラーだな。そのうち運営から復旧連絡でもあるだろ)

 以前にエラーは何度か経験していたことから焦らずに、復旧を待つことにした。すると・・・

 「ノードの切り離しに失敗しました。ノードを強制的に切り離しました。」

 「接続されたノードの意識接続の復旧に失敗しました。システムを再起動します。」

 (おいおいなんかやば・・・)

とそこまで考えてまた意識がなくなった。


またまた、暗いな・・・今度は意識が戻ったことがわかった。その理由は単純だ。

かび臭い匂いを感じたからだ。

「エラーで強制ログアウトってところか。。。それにしても王の間で待ち伏せって・・・いつからルール改定したんだよ。王の間は主だけってルールだろが!」とひとりごちながら、俺はVRマシンを頭から外そうとした。

 (あれ・・・)

あるべきVRマシンはそこにはなく、俺の手はひんやりした石のような感触を伝えてきた。どうやら俺の目の前に石の壁があるようだ。

(おいおい。俺の部屋に石の壁なんかあったか?)

 俺は若干混乱しながら、手足を動かす。すると手だけではなく足からも硬い感触が伝わって来る。


 (これは!?石の箱の中に閉じ込められた!?)

 (誰が!いつ!なんのために!俺を石に閉じ込めるんだ!会社でもいい感じに空気扱いになっているし、いじめられているわけでもない!更に俺の家を知っているやつもいない!何なんだこれは!)と焦りが募っていく。

 (そうだ!誰かいるかもしれない!)

「誰か!いないか!ここから出してくれ!」と大声で叫んだ。叫んでも誰も来ない・・・

 (くそ!どういうことだ!このままわけもわからず、閉じ込められたまま餓死するのか?いや、酸欠が先か。そういえば、心なしか空気が薄くなって来た気がするな)

 「嫌だ!死にたくない!」

と叫び思いっきり目の前の壁を叩いた。すると目の前の石の壁が壊れ(?)視界が開けた。

 「あ・・・あれ?」

以外とあっさりと壁がなくなったことに拍子ぬけしながら、足元を見る。

すると、粉々に砕けた大小様々な石が転がっていた。

 「これ今俺が殴って、壁が崩れて・・・随分もろい石なんだな」

と落ちている石を握りつぶしながら一人ごちる。


 それにしてもここはどこなんだろうか。周りを改めて見回しても暗くて全体は見れえない。端っこがみえないことから、かなり広い空間が広がっていると思われた。天井の高さは3Mくらいだろうか。天井の高さがわかったのは天井には青白く光るコケのようなモノが群生しており、うっすらと周りを照らしているからだ。薄暗くかびの匂いが充満した部屋に俺が入れられていた石の箱が壁に立てかけられていた。


(う~ん。全くもってここがどこかわからんな。とりあえず外に出たいな。出口を探そう。ちなみに、まだゲームのなかって訳はないよなあ。匂いとか雰囲気とか 妙にリアルだしな。)と自分の置かれた状況とここがどこなのかを探るため周囲 の探索を開始した。

 とりあず迷路の基本壁を触りながら、周囲を歩き始める。(あれこれってスタートから触ってないと意味ないんだっけ?)と自分でも呆れるほどのんきなことを考えながら、あたりを歩き回った。

 そして歩くこと20分。迷路を想定した探索は意味がなかったことが証明された。周囲の状況は大体こんな感じだ。

・この部屋は一片が400M程度の四角いへやであること。

・部屋には扉がないこと。

・俺がはいっていた箱?は石棺でだいぶ年代モノであること。

・食べ物は落ちていないこと。

・ところどころから黒い煙が吹き込んでいること。

・黒い煙を触れると元気になること

くらいだろうか。


(完全に閉じ込められた感じだ。これは本格的にやばいな。このままだと餓死まっしぐらだ。幸い空気はどこかからかはいって来ているみたいだから窒息はないか。)といくらか冷静になった頭で考える。

 (俺がここにいるってことはどこかからか入れたってことだ。入口をあとから塞いでいるとかってことであれば、隣接したところに空間があるはずだ。ここは壁を叩きながら、音の変化で探ってみよう。)

 そう決めるとおれは、手近な壁を軽くノックしてみた。すると、いきなりとコ~ンと薄い壁独特の軽い音が響いてきた。


 あまりにも簡単すぎるので不審に思いながら、次の手を考える。

1.壁を殴る

2.壁をける

3.壁に体当たりをする。


「・・・」


 あまりにも貧困な自分の発想に悲しくなりながら、2.を選択した。

思いっきり、つま先で壁を蹴り上げる。 蹴られた壁の側面は粉々に飛び散り、四つん這いになってすすめるほどの穴が

壁にあいた。


 となりの部屋も今俺がいた空間と同じような雰囲気だったが、俺の注意は目の前に横たわる石棺に注がれている。俺が入っていた石棺と同じものだ。


「・・・」


 やはりここは開けるべきか。開けざるべきか。あけた瞬間ゾンビが・・・なんて映画みたいなパターンを想像し、苦笑する。

むくむくと俺の好奇心が湧いてくるのを意識した。 

(よし!ちょっと開けてみるか。)


俺は意を決して石棺の蓋と思わしき部分を押して見る。その際に蓋の表面に目が行く。 そこには剣と杖が交差し中央に双頭の鷲が描かれていた。

(あれ・・・この紋章ってガレリア王国との紋章と同じだな。なんでここに?)

と首を傾げる。

(まあ、考えてもわからんし、開ければなんかわかるかもしれんしな。)

 と考え蓋を開けるべく体重を載せて蓋と思われる部分を思いっきり押した。

すると対した抵抗もなく、蓋がずれてどど~んと大きなを音をたてて蓋が床に

落ちた。勢いが付いていたため、俺は石棺の中に倒れこんだ。


「いてて。なんでこんなに勢いよく開くんだよ。っつぅ!うわわ!」


 俺が倒れこんだところには、20歳前後の若い白人女性の遺体が横たわっており、その手は胸の前で合わさり、その手にはサビ一つない刃渡り60cmほどの細身の剣が握られていた。その剣に触れたためか、俺の手に5cmほどの傷ができていた。

 なんで遺体ってわかったかって?そりゃ顔色が青白いのと、呼吸をしていないからだよ。

 俺は手の痛みも忘れ、しばし横たわる女性の顔に目を奪われた。

なんというか芸術作品のような美しさがそこにはあり、神々しさを感じるほどであった。

 2分ほど顔を見つめていただろうか。ふと我に返り改めて遺体を観察する。先ほども言ったとおり剣を握っているが、その体には濃紺の鎧をまとい石棺に刻まれていた紋章が右胸の部分に刻まれていた。


「ふむ。鎧の色もゲームと一緒か。」


これはあれか・・・ゲームの世界へトリップか!?だとすると俺はチート的な能力をもっていて、美人のヒロインとそのライバルが俺に言い寄って・・・

と妄想の世界に入りかけた時に、俺が先ほどくずした壁とは別の壁が崩れた。


壁が崩れて空いた穴からは、身長190cmはあろうかという金属鎧をまとった男と、身長は160cmくらいの革鎧をまとった小柄な男が入ってきた。それぞれ胸には何かの紋章が刻まれている。


「こら!いきなり壁を崩すなんて!崩した先に魔物が溜まってたらどうするんだよ!全く!これだから脳筋は・・・」

と小柄な男・・・(声からするとまだ少年と呼んでもいい年齢のようだ。)が大柄な男に向かって文句を言っている。


「うるせ~!そもそも、壁の向こうに空間があるって言ったのはお前じゃねぇか!扉がない以上ブチ破るしかねぇだろ!」


俺はあまりにも急展開過ぎて、あっけにとられて固まっていた。

言い合っていた男たちも俺がいることに気づき、言い合いをやめる。

気まずい沈黙があり、

「ど、どうも・・・」


と俺は、片手を上げて挨拶をした。


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