表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/13

捕虜フリル・ククリの場合②

「話は聞かせてもらった!人類は滅亡する。」


フリルの牢に押し入り、開口一番そういうと、

その勢いに驚いたのか、びくっ、と体をすくめたフリルは

オレの言葉の意味がわからないのか戸惑いの声をあげる。

オレも意味がわからない、ただの勢いだ。


「え?あ、あの。」

「なんだ?驚いて。やましい事をでもしていたのか」


「…いいえ、そんな。特に何も。ただ少し…考え事をしていました。」



そういい、目をふせる。


やや乱れた薄いピンクの髪に、青い瞳。

ピンク髪は

異世界である事を認識できる色合いではあるが違和感は感じない。


はかない、という印象はあまりない。

腰はやや細いが、

肉付きはよく、でるところはでている。抱き心地はよさそうだ。

ガンダルフが目をつけるのもよくわかる。


よだれものである。



「お前の名前はフリルというそうだな。」

「あ、はい。そうです。フリル・ククリと申します。」


動きやすいのだろうか?

ひざ上までのスカートはポイントが高い。

ベットに腰掛けているとふとももがあらわになる。


しばらく視姦していると居心地の悪さを感じたのか。

スカートの上に手をおき、太ももを隠し、声をかけてきた。



「あの、このべっと大きくてふかふかですごいですよね?

 高級宿屋か、貴族、王族でもないと持ってないと思います。

 私なんてこんな大きなベットみたこともないです。」


「そうか?」



「ええ、すごいです。あの、お名前をきいても?」

「………スグルだ。」


「スグル様は貴族様でいらっしゃるのでしょうか?」

「なぜそう思う?」


「その、見慣れぬ服装ですし。魔術に精通しているようにもみえます。」


捕らえたときの魔法生物スライムの事をいっているのだろうか?

ダンジョンなら大抵いるが。

ああ、ここがダンジョンだと認識していないのか。


つまり、人の生活している所に勝手に押し入ってしまったという

負い目があるのか。

下手にでている理由がわかった。


モブ女シャルの方はこのあたりを自分達が支配していているといっていたし、

ここらに長くいるのなら、

数日前まではここに誰も生活していなかったのはわかっているはずだ。

こちらが不法侵入者という認識が強いのだろう。



「ところで魔術が使えると貴族なのか?」

「え、と。そういうわけではないですが。」


フリルは戸惑いの声をあげる。少なくともフリルの中では

一般的には貴族の条件の一つに魔術がつかえるというのがあるようだ。


「冒険者でもつかっているものはいるぞ?」

「では、スグル様は冒険者様でいらっしゃるのですか?」

「いや、違うが。」


あまり話すと、ぼろがでそうだ。

強引に話題を変える。


「先刻、お前はなんでもすると命乞いをしたよな。何が出来るんだ?」

「え、……………その、………掃除とか。」


「今、オレのしもべが、食べ物をとってくる手筈になっている。

 料理はできるか?肉はさばけるのか?」

「…すいません、簡単なものしか。肉はさばいたことありません。」


うつむいて申し訳なさそうにあやまる。


「そうか。」


オレも自炊は、あまりやったことがない。

せいぜい両親が帰ってこないときに炊飯器で米をたいていたくらいだ。

後は、ラーメン、レトルトカレーくらいか。


モブ盗賊カインドなら肉をさばいたりもできると思うが、

料理人でもあるまいし味は期待できないだろう。

そもそも食の豊かな現代日本人の舌を満足させるものがそうできるとは思えない。



オレの言葉に失望の色合いを強く含んでいる事にきづいたのか。

急に顔を上げ、がばっ!とオレの腕をつかんでくる。



「で、でも料理はこれから覚えます。

 肉だって、怖いですけどさばけるようになります。

 なんだってします。

 ですので、ど、どうか。ここにおいてください!」



必死な様子でアピールしてくる。

胸が腕におし当たっているが、

意識してやっているのか天然なのか判断がつかない。



なかなかの破壊力だ。


(解放してください、ではなくここにおいてください…か。)



前に来たときは命乞いをしてきた。

まだそう、時間はたっていない。

見知らぬオレの気分しだいで、自身をどうとでもできる状況において、

脱出を考えるどころか、ここでの生活を望んでいるようだ。


何かされるとは考えないのだろうか?覚悟の上か?

倫理コードとやらがあるための打算か。


そういえば検証しなければ、

としがみついてくる体制を利用。


腕をまわし、彼女のお尻をスカートの上からまさぐった。


びくっ、と一瞬はねるが。そのまま抵抗らしい抵抗はない。

身をよじり、顔をみられたくないのか、

顔をおれの上着におしつける。



抵抗のない事をいいことに形のよいお尻を

今度はゆっくりとなぞる。



さわさわ…


「あぅ。」


彼女の表情はみえないが、耳が真っ赤になっている。



(さわれる)



倫理コード絶対領域が働いていないのか、拒絶していないのか。

拒絶したくとも、できない状況下のようなきがする。

検証にはならない。


なるほど、

絶対領域とやらが本当にあるならだが

女を貢物として求めるガンダレフの方法は賢い


貢物として女をだせば、村を襲わないと約束する。

女には絶対領域によって拒絶すると、

契約違反のため、村を襲うぞと脅せる。


哀れ少女は生まれ育った村のため、純潔を散らすのだ。


からめてにより女を得られるしいちいち襲う手間もはぶける。

そして継続的にガンダルフ一味は女や食料を村からしぼりとり、

村に寄生し生きているのである。



ダンジョン運営は、

冒険者の命を奪い、魔力をしぼりとり、装備品や所持金を剥奪、

奪う事により大きく成長していく。


だが冒険者はそんな頻繁にやってくるだろうか?

簡単に3人を捕虜にできたように、ゲームと違う部分もある。


今回きた3人は偶然であった。

その縁をたどり、芋ずる式にあと数人は捕まえられるだろうが、、

その縁が切れた後、誰かくるものはいるのか?



ダンジョンであることは3人ともわかっていないようだった。

人通りが少ない立地だと、

今後何年も誰も来ない事態もありえる。


魔力枯渇により、消滅してしまう恐れもでてくる。

生かさず殺さずの精神を学ぶ必要があるかもしれない。

奪う事により生活の糧をえている盗賊から学ぶ事も多そうだ。



ガンダレフに弟子入りでもするか?


形のいいお尻を堪能しつつ、考える。

ふとみると

フリルが顔をまっかに蒸気させ上目遣いにこちらの様子を伺っていた。



(かわいい)


この女を当面、自由に出来るのだ。

食事には目を瞑るべきであろう。


女の両親は他界し、村を方々のていで跳び出

縁者はいないも同然だ。

ネーム持ちとはいえ、特に遠慮する必要もなさそうだ。


手篭めにしたことをしられればガンダレフを敵に回すかもしれないが―。



とそこまで考えたとき、この少女の思考が読めた。


レズ一家とガンダレフ一味は冷戦状態にあるといっていた。

フリルとしては両親の敵を討ちたいはずだ。

話を聞く限り人数差は歴然だ。

レズ一家はまずガンダレフ一味に手を出さないだろう。


戦力的にガンダレフ一味と事を荒立てたくないレズ一家としては、

友好をはかろうと水面下ではかなり下手にでているかもしれない。


フリルをよこすようガンダルフが要求したら

仲間として日の浅い彼女をはたしてレス一家は守るだろうか?



(この女……案外強かか?)


スカートの中に手を伸ばし、下着の上から強くもみしだく。


「…やぁ。」


小さい悲鳴を上げる。抵抗はない。



ぱっとみここは、ただの洞穴だ、

フリルがここにいると知れたら、

間違いなく交渉の余地無しにガンダレフは攻めてくるだろう。


彼女にとってオレの戦力は未知数。

しかし、迎撃用の落とし穴を使い、3人の盗賊を殺すことなくあっさり捕らえた、

とらえた先には見たこともない豪華なダブルベット


彼女の目には、力のある優秀でお金の有り余った偏屈魔術師が

気まぐれに、すんでいるようにみえるではないだろうか?


つまりフリルは自分を囮に

ガンダレフの一味とオレをぶつけたいのではないだろうか。

体を許す事は織り込み済みか?


オレはこの小動物にみえるフリルという女の印象をあらためた。

そして、そういう事なら容赦する必要もない。


「なんでもしてくれるなら

 ペットにでもなってもらおうかな。

 前から猫とか飼いたかったし。」


「ほへ?」


フリルにとっては想定外のことであったらしい、

あほのようにほうけた顔をさらしていた。


フリル・ククリ

称号【不幸体質】…いぢめてオーラを発する。本人は強く否定。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ