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捕虜モブ(♂)(カインズ)の場合②

「ふむ、じゃあレズ一家とは全部で8人なのか?」

「そうだ。ああ、最近また2人きたから10人か。」

「それでも小さいな。」

「少し前に討伐隊を組まれて、バウンド親分が討たれたからな。」

「死んだのか?」

「そうだ、今は妹のシャーリーがまとめているが、あまり向いているとは思えないな。」


「レズ一家はここらいったいを支配しているのか?」

「どうだろうな?以前はしてたかもしれないな。

 今はガンダレフの盗賊団の方が支配してるといったほうがしっくりくる気がするがな。」


「初めて聞いたな。そちらは何人なんだ?」

「わからん。どんどん増えている。今では40人はいるんじゃないか?」


「圧倒的じゃないか。」

「そうだな、ガンダレフはもとバウンド親分の右腕だったがな。

 バウンド親分は慕われていたのに対し、ガンダレフは凶暴な性格で仲間からも恐れられていた。

 だが、カリスマはあった気がする。」


虚言を吐けなくなったモブ男、カインズから、話をきいている。

名前があがった盗賊の頭というガンダレフとシャーリー。

ガンダレフは間違いなくネーム持ちだろうな。


モブにも名前と背景あるんで、ネーム持ちとか関係なくなってきてるがな。

ゲームだとモブは顔辺りがぼやけて輪郭しかわからないのだが、

こいつなんてモブなのに眼帯してやがるしな。


「お前は片目の視力が無いのか?」

「いや?」


はっ?


「その眼帯はなんなんだ?飾りか?」

「ただつけてるだけだ、別に視力はわるくないぞ。」



なんだこいつ?中二病か?



「バウンド親分がつけていたものだ、死ぬ間際にくれたので、つけている。」

「形見か?」

「一応な。だが、ちゃんと役に立つものだからつけている。」

「役に立つ?片目を隠してどう役に立つんだ?遠近感がつかめないだろう?」


「まぁその点では不便だがな。この眼帯は魔具でな。特殊な力があるんだ。」

「なんだと!?」


魔具、

神秘力の高いダンジョンでまれにでるアイテム。

マジックアイテムとも呼ばれる。魔力の付与された道具だ。

不思議な力を持つ。

役に立たない力も多いが警戒が必要だ。


オレからすると冒険者をつるための高級な餌なわけだが。

オレも時間をかければ能力的にはつくれるのだろうが、魔力がたらない。



魔具は、値段がつけづらい。

価値はかなりあるが、効果がわからないものが多く、

妥当な価格で売るのは意外と難しい、偽者でない魔具を買うのはさらに難しい。




あわててスマホを開き、詳細をみる

捕虜の装備品はオレのもの、つまりダンジョンの所有物

さがしてみると、確かにあった。



バウンドの眼帯…レッドベアーの血と魔力を長年しみこませてできたもの、

        一定時間眼帯で覆っていると、一時的に相手をすくませる眼力を放つ事ができる。



本当にマジックアイテムだった。モブの癖に魔具だと!?

女の子二人を捕まえてうかれていたためか、戦利品を確認していなかった。



「お前の余裕ある態度はこのアイテムのためか?」

「いや?これはそんな便利な魔具ではないよ?」


確かに相手をすくませる力が、この状況で役立つとは思えない。

縛られていては眼帯をはずす事もできないしな。



「これはおれの性格だからな。

 妙な首輪もつけられるし、余裕は全くないよ。」



余裕しゃくしゃくにみえるのだが。

まぁ嘘はつけないはずだし、本当なのだろう。

そもそもまだ何か隠した力をもってたら、それはもうモブではないだろ。

ネーム持ちとはもっとすごい何かをもっているのだろうか?



「お前の仲間フリル・ククリをどう思う。」

「かわいいよね。」


「質問が悪かった。知っている事を話せ。」

「わかった。聞いた話だと、たしか…。」


カインズがいうのをまとめると、


元この近場の村の出であること。

その村はガンダレフ一味に、たびたび脅され金を巻き上げられていたが、

日に日に要求がひどくなり、

つい最近では、月に一人、女を要求してきた事。


それに猛反対したフリルの両親が無残に殺された事。

反抗したむくいとして、最初の月にフリルを差し出す事を

ガンダレフが要求してきた事

消極的ながら村の長老がそれに賛同した事。

村人も表立って反対しなくなった事。


そして、フリルは身の安全を守るためと、

両親の敵をうつため村を去り、

ガンダレフと冷戦状態にあるレズ一家のほうに

単身身をよせたのがつい先日の事らしい。



…人に歴史ありというか、波乱万丈というか。

結構なものを背負っているんだな。

かかわる気はないが

今度みにいくとき、ちょっとやさしくしてやろう。


従順な態度を装っていたのは、

死ねない理由、復讐があるためなのだろうか?



「あと、処女だな。」


しんみりした空気が一瞬でなくなった。

カインズはよこしまな笑みを浮かべている。

とりあえず聞き返す。


「オレもそうじゃないかと思うがなぜ断定口調なんだ?」

「まだ試してないのか?」


男同士でエロ話をするときの、いやらしい顔をうかべ、

カインズが聞き返してくる。こいつ本当に大物だな。


「試してはいないな。」

「なら試してみればいい。倫理コードが働いているぞ。」

「倫理コード?」


変な言葉がでてきたぞ?


「知らないのか?」

「知らない。話せ。」


意外なものをみるような視線を向けてくる。

カインズの反応を見るに、こちらの世界では常識らしい。



「倫理コードは処女が持つ絶対領域、防壁だよ。

 例えば、フリルに悪意を持って胸やお尻に触れようとする。

 それにフリルが拒絶の意思を示せば、はじかれる。」



騙そうとしてないだろうか?

首輪をしてるので騙せないはずだがにわかには信じがたい。

実験が必要だ。

じっくりフリルで試してみなくてはならない。



「冒険者など、荒事に腕力で男に劣る女が多いのも

 この倫理コードがあるからだな。絶対領域をうまく利用すれば

 比類なき防御力を誇る。盾なんていらなくなる。」



冒険者は処女と、メモメモ。


だが本当ならやっかいだな。

ゲーム中は、捕獲するには、HPを10未満にしなければならない。

そこからは、体力が1さがることに10%ずつ捕獲率があがる。


しかし【手加減攻撃】という能力がないと、

罠で与えるダメージのふり幅が大きく

ほとんど攻撃が通らなかったり、かといってあっさり死んでしまったりという

捕獲が非常に難しい仕様になっていた。


その理由として、こういう設定があったのだろうか?


「そういえば二人は生きているのか?」

「お前、聞くのが大分遅いな?」


「我が身が一番大切だしな。二人を心配する余裕なんてなかったんだよ。」


今はあるのだろうか?


「二人は生きている。」

「よかったよ、これで帰ったときシャーリーにどやされずにすむ。」



シャーリーとはレズ一家の現頭目だったか。

まだ帰れるつもりでいるのだろうか?

裏切られる心配はないはずだが、

奴属の首輪をつけたというのに、未だにこの男の事がよくわからない。



「シャルの方はどうなんだ?」

「ああ、シャルも処女だよ。」

「え?」


普通にさわれたぞ?あれだけ反抗的な口調しておいて

じつはあのシチュエーションを拒絶しない

どMなのか?


「シャルってM属性だったりするのか?」

「気が強いのは知ってるが性癖まではしらないな。」


さすがに、ないと思う。


と、すれば、オレには倫理コードは通用しないという事か?

確かに、ゲーム中捕虜フェイズで

倫理コードなどきいたこともないが。


……検証の余地があるな。

貴重な奴属の首輪を使ってしまった事もあり、この男の心配はもういらない。


3人がたべれるものをとってくることを

命令として与え。


再び二人の下に戻る事にした。



「まだまだこの世界を知る必要がある。」


オレの声は心なしかはずんでいた。


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