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…うん。題名のとおりなんだ。すまない。

…うん。題名のとおりなんだ。すまない。


でも、異世界と聞いて、君は、きっと言葉では言い表せない

「ときめき」みたいなものを感じてくれた思う。


殺伐とした世の中で、そういう気持ちは大事だと思うんだ。

じゃあ、これから起こることを淡々と語っていこうと思う。

------------------------------------------

特に深く考えたものではありません。

よくある異世界もの。

15禁程度




事は一日前にさかのぼる。


大地震がおこった→外に非難しなきゃ→どこ?ここ?


…うん。これだけなんだ。

説明下手ですまない。ただ、まだ心の整理がついてないことを

考慮してほしい。


事実のみを端的に述べると真に珍妙不可思議な事だが、

家の玄関をでたら外は薄暗い洞穴の中だった。



そして、家にもどり、窓をみると、ちゃんと普段どおりオレの家の庭がみえる。

再び、その庭にでるべく玄関を開けると、目の前にあるのは、先の見えない洞窟である。

何を言っているかわからないと思うが、オレ自身全くもってわからない。


窓から庭にでようとしてみるが、窓があかない。

地震のせいで、たてつけが悪くなったのかもしれない。


だが、非常事態とばかり、いすを窓にぶんなげても全く割れる気配が無い。

イスを思いっきりぶつけて窓が割れないなんて事があるのだろうか?



…あるのかもしれない。

なにぶんそんな経験が無いもので、自分の家の窓の強度なんてしらない。


ただ、窓からみえる普段の景色と、玄関をでて見える景色が全く違うのは

おかしいと思うんだ。

そのくらい動転しているオレでもわかる。



じっとしていても仕方ない。

オレはこの状況を打破するため、

家から懐中電灯をもち、洞窟を探索することにした。



…………などというわけもなく、

オレはこたつにくるまり、スマホをいじくる事にした。



現実逃避である。


コタツの中は暖かい。幸い電気はまだ通っているようだ。



ただテレビはつかないし、スマホはネットには繋がらない。

電波が悪いのだろうか?


家の外が洞窟だというなら、そうなのだろう。

携帯電話も、ダウンロードしたゲームアプリとかはできるが、肝心の通話はできない。



だから最近ダウンロードゲーム

【ダンジョン(D)・ディフェンス(D)そしてエロ(E)】



通称DDEをプレイする事にした。



【DDE】は



神より与えられたダンジョンを、改装、増築し、

ダンジョン最奥にある宝石のように輝くダンジョンコアを奪おうとやってくる、

欲望にまみれた冒険者達を

魔物たちと協力して撃退し、神罰を与え更生させるという。

ダンジョン経営型のエロゲーだ。



どの変がエロゲーかというと、ご想像道理、

欲に目がくらんだ冒険者を捕らえ、

真人間にすべく、エッチなおしおきができるのである。



最奥部にあるダンジョンコアを盗られたり、破壊されると

プレイヤーは死亡、ゲームオーバーとなる。


つい先日もゲームオーバーとなってしまった。

また最初からのプレイとなるが飽きはこない。



理由はいくつかある


一つは、与えられるダンジョンの初期位置、ダンジョンタイプが毎回ランダムであること。

一つは、プレイヤーの種族がランダムかつ、

プレイヤーに与えられるユニークスキルがこれまた多種多様である事。


一つは、初期に与えられるナビゲーター役がこれまたランダムである事


最初からパターンがいくつも枝分かれしており、

冒険者を撃退するという大枠は同じだが、

ゲームの進行も毎回微妙に異なる。


最後に、ゲームオーバー後、

アイテムをダンジョンLVに応じていくつか持ち越せるのである。


オレはゲームオーバー画面から


いつもどおり、

アイテムボックスと、公式ダンジョン運営免許証、お守りを持ち越す事にする。




▼アイテムの持越しを行えます。項目から選んでください。



ふむ、まだ文字が消えないという事は

どうやらもう一つ持ち越せるようだ。


こんな状況だというのに、

いままでよりも進んだという実感に思わず頬をゆるませる。



アイテムによっては初期に大分有利な展開にもっていける。


ゲームオーバー画面から出てくる

保有していたアイテムを睨みつつ、何を持ち越そうかとうんうん悩む。



ゲームオーバー場面は今も含め、何度と無くみているが、

ゲームのクリア場面は、オレはおろか、未だプレイヤーの誰もが見たことないようだ。


というのもこのゲーム、デフォルメされた、ゆるキャラ絵の割りに

随分とシビアなゲーム設定で


食糧不足でせっかく育てた魔物が餓死したり、

疫病や食中毒で、魔物が戦線離脱したり、

魔力不足でダンジョンの維持ができなくなったり、

予期せぬ自然災害によって、大被害をこうむったりと、


操作の簡易さのわりに、

一昔前のマゾゲーマーすら満足させる仕様となっている。


ある程度慣れてきて、ダンジョン運営できてきても

序盤〜中盤で運悪く、上位クラスの冒険者がでてきてしまうと、簡単に詰むのである。



俗に廃人と呼ばれるゲームに大量の時間とお金をそそぎ込む人種ですらも、

ゲームがでてまだ半年たっていないことも有るだろうが、

攻略にはいたっていないのである。


もっともクリアされていない最大の理由は

現実の時間とリンクした放置型のゲームであるという事もあるが。


ダンジョンをつくり、

後はひたすら冒険者が来るのを待つだけどいうただそれだけのゲーム。


そのわりにかなりのギミックが施されている名作なのだが、

携帯アプリのゲームは、エロに厳しいらしく、

注目されるや、すぐさま規制がかかりサービス終了となってしまった。


当然アップデートもできないが、

製作者いわく、既にクリアはできるようになっているらしい。



ちなみに話題になった理由は、

最初にクリアしたものに、現金100万円を贈呈などと、

製作者がツイッターでつぶやいてしまった事による。

初期の課金アイテム販売で想像以上にもうかったことによるお礼で、

今後ともよろしく、てきな意味合いがあったらしいが


そのせいで雑誌に取り上げられ、脚光をあび、

規制で強制終了とは、なんとも皮肉なものである。




▼アイテムボックスLV38(制限38個/380kg)

アイテムを保有し、自由に持ち運ぶ事ができる。

LVに応じて、保有できるアイテム数、量も変わる。

なお、中身は持ち越す事はできない。



▼公式ダンジョン運営免許証(GOLD)

ダンジョン運営者たちによるコミュニティへの参加。

登録者には、毎月、ダンジョンカタログが送られ、商品の購入が可能となる。

一般会員・ブロンズ会員・シルバー会員・ゴールド会員・プラチナ会員があり、

階級に応じてのサービスが受けられる。



▼お守りLV25

幸運を呼ぶお守り。LUCKによる補正値は 1+(LV×0.05)



このほかにオレは悩みに悩んだ挙句



▼奴属の首輪LV30(LV30以下の人型を強制的に従わせる)


を選んだ。

レア武器しようかぎりぎりまで悩んだ。

奴属の首輪は、値が張るものの、ダンジョンカタログで普通に売っている。

しかし序盤ではそうそう手が届かないし、一人自立思考型が味方にいると居ないでは、

序盤の生存率が大きく変わる。


迷宮で召還した魔物は、命令に忠実な代わり、何も語らないし、

簡単な命令以外何も出来ない。


アイテムを選んだ後は、ゲームが再開される明日の朝6:00を待つばかりである。




大地震が起ろうとも、特に津波に気をつける必要もない

内陸部に家のあるオレは、休日なのに働いている両親の安否を気にしながらも、


理解不能の非現実からは、目を背け、今度は違うアプリを開き、

いつものようにゲームに没頭するのであった。



はつとうこう

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