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いまは緑色の芝生  作者: 三号


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ワールド・ミニスカート

 それから俺のところへ転がり込んできた亀公は言ったのである。「貴公の振る舞いには甚だ承服しかねるところが見受けられる。ふむ、ふむ、そういえば以前からそういった部分が無きにしも非ずの呈だった気がしないでもないが、はてさてその時の貴公に貴公が貴公自身として気付いたかどうかは最も重要な点なかりしも、それでもって全てが解決されるというわけでもなかろうが」と。亀公の言葉に驚いて布団から跳ね起きた俺が手にしたものは電車の私鉄の電車のこれってどこかで見たようなことがあるなあ俺って電車の模型とか好きだった子供だったかしらとか、母上は俺に電車の模型などを買い与えてくれたりはしなかったのだけれど、いつだったか、暑い日だったのは覚えているけれどそれ以外の記憶となったら俺の心奥の中にもどれだけ残っているのかわかったものじゃあない。兎に角、蝉と道路を走る、それも時たまなのだけれど、走る、ああそういえば走っていた車は白い色をしていたような気がする。俺が懸命になって自転車のペダルを漕いでいたのに、ちっとも自転車は進まなくて、進まなくて、否、進まないのではなくて、自転車は進んでいたのだけど同時に回りの景色も進んでいやがったものだから進んだようには一向に感じられないままだったのである、えへん。その割には前の方から道路の先の方から何かが近づいてくるなあって俺が思っていたら、大きな山のような、肌色の物体がのそりのそりせりあがってきたものだから俺、うひゃあと自転車から転がり落ちて、そのとき地面に顔を叩きつけて顔の半分が泥だらけになったのだ。やがて泥は俺の顔の全部を覆いはじめて口から鼻から目から毛穴から俺の中に入ってきたのだ。惨めな惨めな、俺の身体の中に入ってこようとする泥は何をもってして入ってこようなどと考えたの乎。目の前には肌色の山はますますもって巨大になっていった。それは恰もさながら人間の臀部のように見えてしまった俺が鼻から息を漏らすと泥たちは一斉になって俺の中から出て行って、それでいて俺の中に入りたそうな顔をして俺の周りをうろついていやがるものだから、俺は周章てて「離れやがれ離れやがれ」と一喝したら奴ら俺の周りから離れていった。自転車を起こして、俺は跨ったのである。

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