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修羅場
修羅場の語源をご存じだろうか。阿修羅とインドラの喧嘩した場所
見事な果実が満月を浴びて艶やかな形状のシルエットを描き、芳醇な香りを部屋に充満させている。
「よかろう?」
「どちらにする?」
わずかに朱を帯びた頬を見せつけるように二人の美女が布団の中に潜り込んできていた。
「ッ、まずは離れて。それからちゃんと服を、その寝巻を着崩さないで、よかろうも悪かろうも、どっちも こっちもそっちもあっちも棚に上げるので、各々の寝所で安らかにお休みください」
妖に化かされているわけでもないのに金縛りになっているのは身体だけであり、そのせいか口だけが熟達した和菓子職人の手さばき並みですばやく動いていた。
すると。
けたたましくふすまが開けられた。
修羅がいた。もとい修羅場になった。
隣人で幼馴染の志伊那爽果が野々宮の体にひっついたままの美女ツワモノとナイトを見下ろしていた。
「爽果姉! 助かった!」
仁王が光矢の眼光を放った。
もう一度言おう。修羅場はあくまで二神の争いの場、ここにはもう一人仁王がいるのである。




