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65. 王妃の死

 ラヤド王国王家の方々をお招きしての晩餐会は、キャロルの大失態により、到底成功とは言い難い結果に終わった。けれどその後のセルウィン前公爵のフォローにより、どうにか最悪の事態は免れた。彼らのサリーヴ王家に対する不信感を払拭することはできなかったが、クロード様や私、セルウィン公爵家との交流はどうにか続けていただけそうだった。

 それでもあの最悪な晩餐会は、国内の貴族たちの国王夫妻に対する、溜まりに溜まった不満を爆発させるには充分すぎる出来事だった。フルヴィオ陛下を玉座から引きずり降ろそうという乱暴な動きが水面下で着実に進行する中、ついにキャロルが産気づいたとの連絡があった。


 セルウィン前公爵の指示により、キャロルの出産はごく限られた立ち会い人の元、極秘で行われた。

 その場にいたのは王家お抱えのベテラン老齢医師が二人、侍女長、王国騎士団長、さらにセルウィン前公爵とその側近のみだった。


 そして、出産から一週間後。


 出産時の大量出血によりキャロルが亡くなったこと、そして、生まれた男児も産後すぐに死亡したことが、王国全土に伝えられたのだった────







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