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大物狩り

ドラゴンの襲撃を受けた翌日。

私はさらなる強さを求めて仮に出ることにした。

もちろん狙うのは確実に勝てる弱い奴じゃない。

勝率は五分五分くらいの強敵、あるいは私の方が不利くらいの大物を狙う。

理由は簡単かつ単純明快で、その方が多くの経験値が手に入り、強くなりやすいから。

あと、代わったこととして魔法も習得した。

あのドラゴンが魔法を持ってたからね。

魔法って精神ステに威力が左右されるから、精神ステが低い私が持ってても意味ないんじゃと思ったけど…ドラゴンを見て思った。

このままじゃダメだと。

だってあいつ空を飛んでたんだよ?

空を飛ぶモンスターが居るという前例が出来た以上、他にも空を飛ぶ奴が居てもおかしくない。

だからそれ用に対策として、あと近接戦に持ち込むまでのダメージソースや逃げられそうになった時の追撃、ヒット&アウェイ戦法をしてくる奴への牽制とか…まあ、色々な理由からやっぱり取得することにした。

そして取得したのが『物理魔法』という魔法。

魔法なのか物理なのかいまいちわかんない魔法だけど…要は無属性魔法って事だ。

ダメージ計算における威力を決める数値は精神ステ依存だし、攻撃を受ける側の計算は防魔ステの高さで決まる。

しかし、耐性に関しては『物理攻撃耐性』で計算されるっぽい。

だからこのスキルを持っている相手には近接で攻めた方が効率はいい。

んで、話を戻して習得したのはいいけど今私が使える魔法は二つ。

『マジックボール』と『マジックアロー』の二つだ。

マジックボールは…某ドラゴンなボールの気弾を想像したらわかりやすい。まんまそれだ。

マジックアローに関しては、黄色っぽいというかオレンジっぽいというか…まあそれくらいの色の光の矢が飛んで行ってダメージを与えてくれる。

特徴として、マジックボールは速度がそんなに早くないけど威力が高い。

マジックアローは威力は低いけど私でも避けられるか分かんないくらい早い。

ちょこまか動き回るやつにはマジックアローを、足が遅い奴はマジックボールで攻撃すればいい。

実にシンプルな使い分け。

この二つの新しい武器を使って、私は格上との戦闘に臨むことにした。

そして私が見つけたのは―――


名前 無し

種族 エビルモンキー

レベル 13/50


HP 1340/1340

MP 440/440

筋力 1209

防御 1158

精神 664

防魔 1137

素早さ 1302


スキル 『気配感知Lv5』『隠密Lv2』『筋力強化Lv4』『防御強化Lv4』『防魔強化Lv4』『素早さ強化Lv4』『物理攻撃耐性Lv2』『毒耐性LV2』

スキルポイント53


エビルモンキーという…名前からして邪悪な猿だった。

見た目もなんか邪悪そうだし…顔がエグイ。

めっちゃ悪い顔してるもん。

一応情報は見ておくか、大体予想着くけど。


◆加護『転生の恩恵・モンスター図鑑』発動

『エビルモンキー

 中何と猿型モンスターの一種。名前やその見た目とは裏腹に、非常に温厚で仲間思いなモンスター。しかし群れで行動することは少なく、攻撃をされればあらゆる手段を用いて攻撃してきた相手を必ず屠る』


…なんか、思ってたのと違う。

私の想像だと、とんでもない内容が掛かれてるんだろうと思ってたけど…優しいとは言えないし、でも邪悪とも言えない情報だった。

ま、まあまあそんな事はさておき、私がこいつに勝てるかだけど…ステータスでは結構劣ってる。

これだけの差があれば、負けてもおかしくないくらいだけど…体格では圧倒的に私が勝ってる。

キングスネークの例で、体格はステータス上に表示されない隠しステータス的な強さがあることが分かってから、実質五分五分だ。

なら勝てる。


私は先制攻撃としてマジックアローを飛ばす。

鑑定をしながら攻撃が当たるところを見てたけど…そこそこ強い。

ダメージ量は86ダメ。

まあ、レベル1の魔法にしてはまずまずの火力だ。

何せ私の本領は近接戦。

圧倒的対格差から来る火力で倒す!…前に一つ検証。

それは、炎の吐息がどんなものなのか試すこと。

ドラゴンが使ってきた上位スキルである炎の息吹はめっちゃ強かったけど…こいつはどうかな?

スキルを使おうとすると自然と魔力が口というか喉というか、まあそのあたりに集まって急激に温度が上がる。

そして口が赤く発光しだし、いつでも撃てるって事が感覚でわかった。

溜め時間は一秒にも満たない…なかなか早いね。

そして肝心の火力についてだけど…くらえ!!

怒りに満ちた鬼の形相で突っ込んでくるエビルモンキーにブレス攻撃を仕掛ける。

灼熱の炎が結構は速さで放たれ、目の前のエビルモンキーを包み込む。

炎に包まれたエビルモンキーはじわじわとHPを削られ、炎に当たっているあいだ持続的にダメージがあることが分かった。

しかも、じわじわと言ったけど毎秒200くらい削れてる。

6秒撃てば倒れる計算になるけど…そこまで打ち続けられない。

なにせ私も反動ダメージを多少受ける上に、結構MPの消耗が激しい。

500あった私のMPは一気に300まで減った。

火力は本物だけど、消耗が激しいね。

それに撃てば撃つほど私へのダメージが大きくなっているように感じた。

一旦冷やさないと、やけどで戦いどころじゃなくなる。

最終的に632のダメージを与えることに成功し、マジックアローと合わせてHPを半分以上削れた。

後は近接戦で勝つだけだ。


「グガアアアア!!!」


全身が大やけどの状態でも構わず突っ込んでくるエビルモンキー。

素早さが高いだけあってあっという間に懐に潜り込まれ、強烈なパンチを食らう。

人間の中学生くらいの身長しかないくせに、そのパワーはとんでもない。

でも、やっぱり体格の差は戦闘においてかなり顕著に表れる。

懐に潜り込まれたけど、私の手が届きやすくて助かる。

エビルモンキーを捕らえてしまえばこっちのもの。

全力で地面に叩きつけることで残っていたHPの半分を削り、さらにもう一度叩きつけることでもう瀕死。

後は確実に倒せるよう首を噛み千切ってはいおしまい。

こうして圧倒的な暴力のもとにエビルモンキーを倒し、私は次の獲物を探して歩き出した。


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