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ゴブリンの大群を始末して1週間。

あれから何度かゴブリンがやって来て、私が戦う事になった。

しかもアイツら頭のいい事に、私がいるという事を理解して弓を装備した奴やホブゴブリンメインだったりと対策を立てて攻撃してくる。

所詮ゴブリンと思ってたけど…馬鹿の知恵も中々。

それに私はゴブリンをいよいよ馬鹿にできなくなって来た。

その大きな理由は、ホブゴブリンが沢山攻めてきたこと。

ホブゴブリンってゴブリンの進化種だから数が少ないものだと思ってた。

でも現実は違い、普通に数十とか百とかの規模で攻めて来やがる。

つまり、あれ以上が居る。

ラノベとかの知識から持ってくるならゴブリンジェネラルとか、ゴブリンキングとか、或いはクイーン?

そういう奴が居て、それらは私より強い。

この1週間でレベルが上がったけど、それでまだレッドムーンベアには届かない。

仮にキングやクイーンがアイツよりも強いなら私に勝ち目なんか無いからね。


…とは言え、そんな連中が何故私を狙うのか?

この1週間、色々考えながらゴブリンの相手をしたりしているとある1つの説が浮かび上がってきた。

ここ周辺が、ゴブリンの狩場説。

よく考えてみれば、この周辺に私の脅威になる奴らって居ないんたよね。

ブラックウルフは別として…大抵野生動物か、大して強くないモンスターしか居ない。

例外としたブラックウルフも、群れていなければゴブリンの偵察部隊でも対処できるくらいの弱さ。

だからこの辺りはゴブリン達が狩場に使っていてもおかしくない。

そんな狩り場にゴブリン軍団を蹴散らせる強さを持つモンスター―――私が現れた。

原始的とは言え文明を持つゴブリンにしてみれば、私は大層邪魔な存在だろう。

狩りを主軸とする狩猟民族にとって、私ほど邪魔な奴は居ないだろうからね。


…と、言うわけで敵情視察です。

どうせ近々本格的な討伐隊が向けられるだろうし、その前に敵がどの程度か見ておこう。

そして、やれそうなら戦力を削っちゃおう。

そんな思惑から、私はゴブリンが来た方向に走ってついにゴブリンの巣を見つけた。

……巣と言うか、もはや村を通り越して街。

何だったら国と言われても疑わないくらいデカかった。

探知できるだけで4桁を超える数のゴブリン。

しかも、探知範囲外に居るにも関わらずその居場所を把握できる強者の気配がちらほら。

その中でもダントツで強い気配。

私はその気配を遠くから追いつつ、遠くからギリギリ視界に入った瞬間に鑑定してみた。


名前 無し

種族 ゴブリンキング

レベル 63/100


HP 19500/19500

MP 12000/19500

筋力 11203

防御 14491

精神 9172

防魔 13856

素早さ 11549


スキル 『上級棒術Lv3』『上級剣術Lv4』『上級格闘術Lv5』『大地魔法Lv4』『嵐風魔法Lv2』『気配探知Lv6』『魔力感知Lv5』『隠密Lv3』『筋力大強化Lv2』『防御大強化Lv1』『精神強化Lv6』『防魔大強化Lv1』『素早さ大強化Lv2』『HP回復速度上昇Lv6』『MP回復速度上昇Lv5』『物理攻撃耐性Lv5』『毒無効』『麻痺大耐性Lv3』

スキルポイント89


◆加護『転生の恩恵・モンスター図鑑』発動

『ゴブリンキング

 高難度亜人型モンスターの1種。ゴブリンの進化個体であり、高い戦闘力と少なくとも千を超える数の下位ゴブリンを従えているため、非常に危険な存在。知能も高く、討伐には国が動くこともある』


なに…あの化け物は?

平均して一万超えのステータスって…私が勝てないレッドムーンベアを鼻歌歌いながら縊り殺せるくらいの化け物じゃん…

しかもスキルもヤバイし…これ、見つかってるかも。

狙われる前に急いで逃げよう。


今はまだ、近くにそこそこ強いモンスターがフラッと現れたくらいの認識のはず。

そこから敵と認識される前にさっさと逃げてしまう。

追っ手は来なかったけど、確実に認識されてる。

確証はないけど、アレに私が探知できないとは思えない。

早急に…ウサギ家族を連れて逃げよう。

とにかく逃げる事だけを考え、私は何とか巣に帰ってくることが出来た。

そして、何とかウサギ達を逃がそうと色々頑張り、何とか母ウサギを説得することに成功。

子ウサギ達は母ウサギに付いてきて動くので、問題なし。

私が先頭に立ち、周囲の警戒をしながら歩く。

特に当てがあるわけでは無いけど…とにかく遠くに。

あの化け物が率いるゴブリン達の狩場から離れた場所に移る。

日が暮れるまで歩き続け、これ以上の移動は困難と見て一旦野宿。

母ウサギも子ウサギも私の体にその小さくてモフモフな身を寄せ、それを私が飾りのような翼で隠す。

私は一晩中寝ているようで起きているような状況で夜を過ごした。


朝になり、子ウサギ達に周囲の草と言う朝食を食べさせると、私はまだ眠い目を前脚でこすり、歩き出す。

日が天高く昇る頃、木々があまり生えていない開けた土地を見つけた。

特に野生動物の臭いがする訳でも、鑑定によって寄生樹みたいなヤバ気な植物が生えている訳でもない土地。

母ウサギにここはどうかと見定めをしてもらうと、しばらく歩き回って何かを確認した後、穴を掘り始めた。

私もようやく一息つくことができ、気が付けば眠ってしまっていた。


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