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虫の呪い 

作者: 神名代洸

何てこったい。まさかこんな事になるなんて思わなかったんだ。だけど後悔しても始まらない。何とかしなきゃ。

だけどそれがどうなるかなんてわからないまま僕はダチと一緒にお墓に向かった。

夜も10時だ。人っ子一人いないことはこの鬱陶しい虫が飛んでいることからわかる。小さな虫だ。

田舎では好く見る虫。

ただ振り払うも寄ってくる。

そんな時に限って良くないことを考えるのは悪いことなんだな、これが。

手に持っていたカバンを漁ると出てきたのは小さなライター。僕は未成年だからタバコは吸わないけど、こういうところに来たら焼香とかしたりするからいつも持ち歩いてたんだよね〜。

それを取り出して飛んでる虫の側まで近づくとライターの火をつけた。小さな飛んでる虫は燃えながら地面に落下していく。可哀想なんて考え微塵もなかった。

たかが虫だよ?

それも人間に害なす虫だ。見なくなったら清々するに違いない。そう思いながら笑いながらダチと一緒になって燃やし続けた。

あらかた虫の影を見なくなるとつまんなくなってその場を離れた。

その日の夜、僕はなにかにうなされて布団から飛び起きていた。夜中の2時だ。

まだ眠いのだがどうしても寝られない。


その日は雨が降って少し寒かった。

だから布団を首まで被って寝てたんだ。

だけどなんか急に暑くなって布団を蹴飛ばしていた。

汗かいてたんだ。

目が覚めてしたことといえば扇風機をフルに使ったことかなぁ〜。フルパワーにしたもんで、少しは涼しかった。

でもまだ暑いから冷蔵庫からアイスクリームを出してガツガツ食べた。お腹壊さないかと心配になったが、暑さの方が強かったのでまっいっかと最後まで食べきったよ。

でもこんなに暑いのはいつ以来か?と思ったが、部屋の温度系はそんなに暑くなさそうだ。

なんで?

僕はこんだけ暑かったのに、……温度計…壊れてないか?と思ったよ。


考えても思いつかなかった。

まさかあの小さな虫たちの断末魔が耳の奥でこべりついてたなんて…。

とはいえまだ誰かに相談できる時間ではなく、深夜の暗い中朝まで何をして過ごそうかと考えるしかなかった。

朝までまだ2時間ほどある。なら何してよう?


そうだ、ネット検索をかけてみよう。

Twitterとか2ちゃんねるに何かヒントがあるかもしれない。そう考えたら直ぐに行動に動いた。

うちにはあいにくとパソコンは無い為携帯で検索をかける。

ネットにはそれらしい事は書かれて無さそうだ。

漠然としたものだからな。

【部屋が暑い】、【うなされる】、なんてオカルトめいてないか?

ならとTwitterで呟いてみた。

【部屋が暑い】、【うなされる】、そして【虫】と入れていた。なぜ虫なんか書いたのか僕自身わかってなかった。

でもそしたらさ、ネットがざわついた。


「それって、虫の呪いとか?」

「え?虫の?」

「うん、多分だけど…虫と書いてるなら虫が関係したことなにかしたのかも…って思ったから。」

言われてはじめてある日の事を思い出していた。そう、お墓で虫を焼き殺した事を。

もしかしてやばかったのかもと直ぐに書き込みしたが、案の定みなのカキコは「「「それだ!!」」」だった。

「お墓でなんで虫殺すのさ。死者の怒りを買ったんじゃないのか?」

「お墓に行ってゴメンなさいしてきた方がいいんじゃないのか?」「でも何処に謝りに行けばいいんだ?そこの墓、無人だよ?」「なら入り口に花と供物を持って行って置いておけばいいんじゃないか?よくわかんないけど。メモなんか書いて置いとけば誰かが来てもわかるしさ。」

「じゃあダチにも言わないといけないよな?一緒にやってたし。」「そりゃそうだ。やらないと呪われるぞ。呪いがなんなのか分からないから同じ目に…って祈ってたりなんかして。まぁ、虫の気持ちはわかんないけどさ。」


こんな朝早い時間ダチはきっと寝てると思い、LINEしたら返事がすぐ帰ってきてビックリした。

どうやらダチに何かあったようだ。

聞いてみた。

「なぁ、こんな時間いつも寝てないか?なんで起きてた?」

「はぁ、はぁ、はぁ、か、火事だ。家が火事にあった。」

「火事?だ、大丈夫か?お前。」

「俺らは大丈夫。無事だ。俺もあと一歩気づくのが遅かったらやばかった。お前は大丈夫か?」

「ああ、僕は大丈夫。たださ、……。」僕はさっきまでのTwitterのやり取りをLINEしたらダチも驚いてた。

「まさかそんなことがあるのか?呪い?マジか。」

「そうなんだ。だから朝イチに店行って買って持ってこうかなって思ってたところだったんだ。」

「それがいいかもな。俺も今回の事で気持ちが変わったよ。一寸の虫にも五分の魂ってやつ?」

「使い方合ってるかわかんないけどそうじゃね?」



かくして僕らはTwitterで書かれていた通り花とお供え物をお墓の入り口にメモとともに置いてお参りして帰ってきた。

それ以降火遊びもやめ虫が飛んできたらはらうだけにした。


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