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【詩】ねぎまになれなくてごめん

作者: 綾俊



「二人一組をつくってください」

その言葉がこわかった


中学時代、僕はいつもひとりぼっちで、あぶれてて

先生とペアを組む、なんていう

あってないようなセーフティネットにいっつも引っかかってた


ぼくはねぎまになれなかった


みそっかすのだるだるお肉は、

どうしたって美味しくて見栄えのいいねぎまにはなれなかった


時間薬が解決してくれるものかと思っていたけれど

それは大人と言われる歳になってからも同じだった


どうしたって副作用が強すぎた



ねぎまになるのが幸せで、

ねぎまになるのが当たり前で


ねぎまになれなければ不幸せで、

ねぎまになれなければ、人間として何らかの欠陥があって


そういう価値観て、

なんだかんだ強いよね


表向き

ねぎまになれなくても、かろうじて生きていける世界になったから


自称マイノリティが尊重されるようになって

等身大の多様な価値観とやらが認められるようになって


中身の無い娯楽が増えて、多様性の無い趣味が細分化して

愚かさとテクノロジーの進歩が二人三脚で孤独は薄れて


お見合いなんていういびつなシステムを使って

むりやり二人一組をつくらなくても、

多数派から逸脱して、自意識を激減させて

そうやって生きていけば、幸せになれる世界になったから



勘違いしている奴らも大勢いるけど

「知らねーよ、お前らの共依存をこっちに押し付けないでくれよ」

そう笑い飛ばせられたらどれだけ楽だろうかと思うけれど


ぼくはそんな簡単には割り切れない

世間の目も、価値観も、本音も建て前も

ぜんぶ大っ嫌いだ



ねぎまの、ま、はマグロのま、らしいよ


笑っちゃうよね、世界のガバガバさ加減に


世界はもっと静謐で、美しくあってほしいのに




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