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オタクか、あるいは否か。

タイトル落ち感。今回は特にテンプレみが深みですが、同時に分かりみが深みと思う方もいるかもしれません。


両方オタクすぎ。私もだけど。

「篠目くんは…鉄道好きですか?」




「…へ?」


あっやばい。早々にバレた。いやいややめてやめてやめて。2日目にしてオタバレとかシャレになんないから。オタバレRTAしてるわけじゃねえんだぞ。

とりあえずごまかすか。俺には通学という盾がある。名古屋住みはバレるが、オタバレに比べたらまだなんとかなりそうだ。


「ああ、あんなところにいたらそう思いますよね。私は通学で新幹線を使っているのですが、もしかしてあなたもですか?」


「え…?えっと…」


なんでテンパってんの?つかそもそも鉄オタか聞くために屋上呼び出すってどういう原理だよ。普通に聞けば良いだろ。いや万が一オタバレしてしまったときのことを考えると屋上の方が融通は利きそう。


「私は…その…なんていうか…」


「実はあなたが鉄道好きだった、みたいな?」


もし同志ならお互い隠れオタだし俺から申告しても良いのかもしれない。ここなら他の奴はいないし。…いや甘いか?


「…です」


「失礼、もう一度よろしいでしょうか」


「当たり…です」



わお。え、どうする?俺からもオタって申告する?いやなんかそれもそれだな。



「あのっ…このこと言わないでくれますか…?」


「いやまあ…私も鉄オタ(そっちサイド)なので全然良いですよ」


「…え?」


あっ…やべえ。流れで言ってしまった。テンション上がりすぎてた。It's 判断力足らんかったってのはまさにこういうときだ。まずい。


「じゃあさっきのは嘘…」


「いや名古屋から来てるのは本当」


「???」


さっきから驚かせてばかりだ。なんかごめんなさい。


「えっとまあ、とりあえず整理しよう。高岳さん、あなたは鉄道オタクである」

「…はい」

「そんで俺も鉄オタで、名古屋から新幹線通学している」

「…はい」

「以上、意外とシンプルだった」

「どこが!?」

「要するにお互いオタだったってわけで」

「んまあそうだけど…」


いつの間にか敬語消えてた。


「ちなみにどんなのが好きなの」

「撮るのが好き…かな」


ふむ。撮りか。俺も一応撮るし、話は合いそうだな。


「ていうかさ」

「うん」

「俺の顔と名前よく一致したね」

「これでも私、人の名前覚えるの得意なんだよ!どやっ」


シンプルにかわいい。


「バレないように手紙入れるの大変だったんだよ〜?」


上目遣いで覗き込んでくる。理性飛ぶんだが?


「別にそこまでしなくても良かったのに…」


「結果的に篠目くんと知り合えて良かったけどね〜」


「あはは、そう言ってくれると嬉しいな。俺もだよ」




優しい世界(やさいせいかつ)

まさか開幕2日にして同志が見つかるとは思わなかった。

とりあえず平和的に終了したのは良かったと言える。


さて…この先どうするか。段々と雰囲気が気まずくなってきた。お互いオタクということもあってか、解散の仕方が分からない。



ここは男を見せるときだ、篠目行築。



「えっと…それじゃその…帰ろっか?」


カタコトか俺。


「え…?えっ…?えっとその…はい…」


めっちゃ驚かれた。いやまあそりゃそうだよな。初対面の異性と話した後一緒に帰るなんて普通成立しないもん。嫌だよね。

嫌なのに無理やりさせるのは好きでないし…うーん聞くか。


「あーさすがに初対面でこれは嫌か。ごめんごめん」


「その…急に言われてビックリしただけ…です。嫌じゃない…」


やったぜ。


「あー良かった。初めて異性を帰りに誘ったからめっちゃ緊張した」


「分かる!私も手紙とかこういうのとか初めて!」


また元の調子に戻ったな。オタクならではの分かりみ深み現象発生。高岳さん、多分だけど結構末期のオタクだな。


「でもねでもね!高校からは頑張って陽キャになるからね!」


話が弾んできた。かわいい。


「さて、隠れオタで頑張る高岳さんに1つだけ良いことを教えよう」


こういう発言で出る「良いこと」とは完全に主観的な良いことであるが。


「なあに?」


陽キャ(あいつら)はそもそも陽キャ陰キャとかいう区別しないぞ」


「えっ…」


マジのショック受けてんぞこの人。いやまあ中には俺陽キャだぜーって言ってる本物の陽キャいるかもしんないけどさ。


「あと昨日何人と話した?」


「え?昨日って誰かに話しかける機会あった?」


「高岳さん、実はね、俺も陽キャみたいになろうと頑張る気でいたんだよ。でもね、今分かった。俺らには無理だ」


「待って待って!希望捨てちゃだめ!頑張って陽キャになろう…?」


「いやだってさ、マジモンの陽キャはあの環境から無理くりにでも話してくるぞ?それにTwi○terかL○NEか知らんが既に複数人友達を作っている。塾か中学が一緒だったって線も濃厚だな」


「そんな…」


「クラスカースト戦争はな、入学前からすでに始まってるんだよ」


ドヤ顔の俺。

高岳さんの目から光が消える。なんだ、こう、すげえ申し訳ない。


「うぅ…篠目くんだってカースト戦争出遅れたくせに…」


何も言えねえ。


「あっ…そろそろ帰ろっか」

「うむ」


----------


帰り道。


「そうだ、昨日と同じなら帰りは品川駅まで一緒だね」

「そういや高岳さんってどこなの?」

「むー…女の子に住所を聞くのはルール違反ですっ!」

「あーごめん、女子との距離感が分からんもんで」

「あーうそうそ!ちょっと冗談言ってみただけ!武蔵小杉だよ!」


からかわれたのか俺。なんかもやっとする。


「武蔵小杉か…やっぱ朝は混雑すごい?」

「これでも相鉄直通ができてからだいぶマシになったよ〜」

「やっぱすげえな東京」


実は横浜に住んでいたこともあるので東京圏の混雑は知らないことも無いのだが、それはまた別のお話。


かれこれ鉄道談義をして田町駅に到着。久々に話の合う人ができて楽しかった。


「せっかくだし高輪ゲートウェイで撮影する?」

「もうこんな時間だし日当たんないっしょ」

「それもそっか…」


時間はすでに17時近く。夏ならともかく4月の頭ならもう日は当たらないだろう。高岳さんがどれくらいガチの人なのか分からんので、順光とか気にしない可能性も否定はできない。でも多分結構末期のはず。


「E231がいないっていうのが未だ慣れない」


入ってきたE235を見てふと呟く。


「かれこれいなくなってから何年か経つからね〜。名古屋って車両の置き換えどんな感じなの?」


「最近で言えば名鉄1700(ドゥワァ!!)くらいかな。あとは国鉄車とキハ85と311が余命宣告されてるくらいで、そいつらもまだ廃車は発生してない」


「1700系を言うときにドゥワァ!!って言う人初めて見たよ」


「だってドゥワァじゃん」


「そうだけど…」


深くは語らん。おそらく非鉄でも知ってる人はいるであろう。



ドゥワァ!!センナナヒャクゥ!!

ドゥワァ!!センナナヒャク!!の勢いで押し切った感が否めませんね。ともかく更新できてよかったです。ちなみに今回も千葉から更新…というわけではありません。さすがに金消える。


一応次話も作ってはいますし、モチベも消えていないので、そう遠くないうちに更新できるかなあと思っています。完全に希望的観測ですが。


ではでは。

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