91.これまでのあらすじ
本日二話目です。
渡辺美和は、自分の好きなRPGゲームの世界へ異世界トリップを果たす。そこは、剣と魔術が存在する世界、ゲーム中で戦争の舞台となるラヴィソフィ地方であった。
身を守る術のないミワは、自分の知るストーリーに従い、ゲームで重要な拠点となるメーヴ城へ匿ってもらうことに成功する。
自分が世界へ与える影響について悩みながらも、無事に衣食住を得て、一避難民と同等の生活を始めるミワ。更に快適な生活を目指す過程で作ったアロマオイルにより、多くの交友関係を築く。
ミワの知るゲーム内では、ボスとして邪神が存在する。この世界でも同様に存在しており、邪神対策を行っていた旧国の話が関係者に伝わっている。
自分が知るゲームのストーリーと現実に相違点があることに気付き、対策を練るために軍上層部へと進言。その結果、ミワ自身も軍に所属することとなる。
ゲームと違う「邪神の情報を知る人間が多い」「聖女が二人いる可能性」などの情報。そこで、現実とゲームの情報を照らし合わせて共通点探しを行うよう指示される。
また、趣味で始めたアロマオイル製作が本格的な商業品として取り上げられ、言い出しっぺの彼女はなし崩し的にその仕事にも携わることになる。
そんな忙しい生活の最中、マークとロイ、二人の男性に好意を寄せられていることを知るミワ。色恋事に疎い彼女は混乱する。どちらとも仲が良く一緒に過ごすと胸が高鳴るため、なかなか決断が下せない。
同僚にヒントをもらって気付いたのは、そもそもずっと前からロイが好きだったという事実。兄貴だと思って避けていたのは逃げていただけで、本当は彼こそが一番甘えられる相手だったと納得する。
一方、同時に同じ世界へ転移していた、ミワの友人、朝霞紫音。彼女はゲーム中の敵対国フェイファーで、聖女という重要な役職に就いていた。
国の皇子シヴァと恋仲になった彼女は、心配するシヴァを言いくるめ、戦場へと付いてくる。
戦場で頑なに戦闘回避を訴えるシオンにシヴァが折れ、国から造反しラヴィソフィに対して和平交渉を申し出る。
同様に戦闘回避を望んでいたラヴィソフィは、これを即座に受け、交渉が開始される。
交渉の場で思わぬ再会を果たしたミワとシオン。彼女たちが近況を報告し合っている間に、両陣営の和平協定が結ばれる。
ラヴィソフィとフェイファーの思惑は「対邪神」という点で一致していた。そのための和平でもある。両陣営首脳陣が集まったこのタイミングで、ミワのゲーム情報が共有される。
フェイファー側の反発を抑えてシヴァが情報共有に合意し、シオンやシヴァを始めとするフェイファー軍の数名がメーヴ城へと赴く。以降はメーヴ城を拠点として邪神対策にあたることとなる。
マークとロイのどちらを選ぶか。ミワの選択を知ったマークは、その報告を受けた場でミワの異動を伝える。この異動によりミワは全ての情報に直接触れられる身分となる。
未だ十分な読み書き能力のないミワは、自身の護衛であるロイに助けられつつ仕事を開始する。
最初に指示された仕事は、喫緊の予定である聖地訪問に関する情報まとめ。
自身も聖地訪問の使節団に入ったミワは、そこで思わぬ事実を告げられる――




