表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RPGの世界で生き残れ! 恋愛下手のバトルフィールド  作者: 甘人カナメ
第四章 設定・小話まとめ 【第三章の時期のおはなし】
90/132

90.ゲームの話をしよう

今回長いです。作中作の説明回。

後ほど次の話を投稿。



「細かいピースを洗い出す前にな、一度お前の知るゲームのストーリーを書き起こした方がいいと思うんだ」


 国境会議場からメーヴ城へと戻ってくる道すがら、ロイが私にアドバイスをくれた。


「ミワが情報持ってるって上層部に知れ渡っただろ? 何かある度に同じ話をしろってのも面倒だ」

「そうだね。実際、何度もあらすじを話すのは正直疲れる」


 スムーズに話せるようになったとはいえ、短い話でもない。


「さっきの会議でも口頭で説明してたが、フェイファー側は『シヴァと皇帝がやられる』の時点で頭飛んでるやつがいそうだ。もう一度教えるにしても、文字になっていた方が手間がないだろ?」


 ロイの言う通りだ。メーヴ城に戻ったら最初に取りかかろう。




 ******




「まずはシリーズ一作目、ブルイチ」


 主人公はフェイファー国境近くの山の麓、森の中の祠近くで目覚める。一緒にいた少年ケインが名前を教えてくれる(名前入力:ラルド)が、何も覚えていない。彼曰く、自分たちは友人で、共に親を亡くしてここまで逃げてきた。とにかく人里へ行こう、と森を出る。

 近くの村へ向かう途中、傭兵のロイと出会い、事情を話す。身寄りも記憶もないならこの領の軍へ身を寄せたらどうかと提案され(領名入力:ラヴィソフィ)(軍名入力:クルスト)、共にメーヴ城へ向かう。

 傭兵隊長だったロイに連れられ、領主レオナルドへと挨拶に行く。まずは城下町での雑用を命じられる。


 何かと気にかけてくれるロイに連れられ、領内の様々な町を巡って情報を仕入れる。ビエスタ国ラヴィソフィ領とフェイファー神聖国との戦争が間近だと知る。

 ロイと別行動中に城内で領騎士セリアと出会う。初対面は反目し合って終わり。

 夜、中庭でエマと出会う。彼女の相談事を聞いて、解決になればと一緒に行動することを提案。共に外で様々な雑用をこなしていく。


 しばし後、予想以上の働きだと軍の斥候工作員へ取り立てられる。同時に、斥候補佐としてロイとセリアが共に動くことになる。それを知ったエマが「自分も加わりたい」と言い出す。ここでエマがレオナルドの娘だと判明、渋々許可される。

 いくつかの町で情報を仕入れたところ、首都方面でキナ臭い動きがあると判明。五人は先遣隊として首都へと向かい、更に情報を得る。

 一部貴族の私兵が動くと分かったことで、クルスト軍から小隊が派遣される。戦争パートのチュートリアル戦。


 その後城へ戻り、しばらく。

 国からの援軍がクルスト軍へ合流する。フェイファーとの全面対決となる。メインの戦争パート。

 一定箇所まで駒を進める(ラルドたちが進む)と、イベントへ。ラルドが大怪我を負い、それを救おうとエマが大きな回復魔術を使ってしまう。

 それによりエマが聖女だと知れ渡り、聖女を欲していたフェイファーへ連れ去られてしまう。

 ラルドとケインが城へ戻りエマのことを話す。部屋にケインが残り、レオナルドに重大な事実を打ち明ける。


 この地には邪神が封印されている。かつてこの地にあった国、ラヴィソフィ国。この国は邪神復活とある貴族のクーデターで滅んだ。

 邪神へ対抗するには「聖女」と「神の契約者」が必要。

 ラルドはラヴィソフィ国の王家……クルスト王家の生き残りで「神の契約者」、自分はその家臣。大魔術師シャインにより、ラルドの記憶と自分の魔力で作った『青い鳥』を対価に、次の邪神復活まで眠らされた。

 我々が目覚めた、聖女も目覚めた。つまり邪神復活が近い。ラルドとエマが手を取り合わなければ世界は滅ぶ。


 この事情を知ったレオナルドは、正面切っての戦闘の他、フェイファー神聖国皇都アルバーノへ暗殺部隊を派遣することにする。それにラルド、ケイン、ロイ、セリアが選ばれる。

 自分を除け者にケイン一人でレオナルドと話し合いをしていたことに、ラルドは僅かな疑念を抱く。

 アルバーノ城下町への潜入成功後、情報を集め、エマと合流し、アルバーノ大神殿でフェイファー皇帝を討つ。軍同士の戦いもクルスト軍勝利で終わる。




 ******




「ここから話がブルニへ移る」


 聖女にはティアラが捧げられるとの情報から、アルバーノ大神殿を捜索しティアラを入手する。

 そこへ、大神殿へと戻ってきたフェイファー神聖国軍総司令官シヴァとその副官ハーミッドと鉢合わせる。邪神の確認を急ぐシヴァにより、戦闘には至らず。それにより五人はフェイファーに邪神が封じられていることを知る。


 一方のシヴァは、過去を回想する。

 自分が側室腹だと疎まれてきたこと、誰も近くへ寄りつかなかったこと。唯一の例外がパッとしない幼馴染みで、彼以外は誰も信じられなかったこと。そんな自分を認めさせるために猛勉強をし、そして「聖女を神聖国に取り戻すべし」と軍を率いたこと。

 書庫へ到着したシヴァは、また別の回想に移る。

 幼い頃に邪神の存在を知ったこと。過去の邪神は賢者シャインと聖女によって二つに分かたれて封印されたこと。そして実際に目にした今回の聖女。

 書庫で古文書を棚に戻したシヴァは、部屋を出る。待っていたハーミッドと共に歩み去る。


 ラルドたちは大神殿を出てメーヴへと向かおうとする。

 その途上、国境近くでシヴァとハーミッドに待ち伏せされた。シヴァ戦。ここでシヴァとハーミッドは負ける。


 メーヴへ戻った五人は、フェイファー神聖国の解体とビエスタ国への合併の動きを知らされる。

 国境会議場での話し合いに五人も参加する。しかし会議場で奇襲を受ける。

 奇襲の主犯はフェイファー神官の過激派だと判明。このままでは合併が難しいと話は一旦保留となる。

 再度メーヴに戻ってきた五人は、ティアラによって聖女の力が更に増すことを知り、ユタル神殿へと向かう。そこでティアラの力が解放される。

 復活系の魔術も使えるようになったことから、首都のシャインの元へ向かうことをケインが提案。ここで『青い鳥』の話が四人へ知らされる。『青い鳥』を取り戻さないままなら、二人の余命は五年ほど。それだけの負荷がかかっているものを戻すのであれば、聖女の力が不可欠だと。

 そんな大事な話を当事者である自分にずっと知らせてくれなかったことに、ラルドは強い不快感を表す。ラルドとケインの間がギクシャクし始める。


 ビエスタ国首都ラーナでラルド、ケイン、エマがシャインと面会する。『青い鳥』を受け取ると、ケインは意識をなくす。ラルドは更に酷く、頭を抱え口から血を吐いて倒れてしまう。エマが強力な回復魔術を使い、二人は一命を取り留める。

 だが、すぐに元通りにはならないと聞かされる。ケインの魔力は徐々に戻るし、ラルドの記憶も最初は混濁した状態だという。

 それでもとにかく先に進もう、と、ロイとセリアの元へ戻る。


 邪神の話や合併の話もあり、情報を求めフェイファー各地の神殿を巡ることになる。

 その後、クルスト軍からの小部隊と過激派神官部隊との戦争パートに移る。これに勝利し、フェイファー合併へと至る。


 まだ記憶が馴染まずケインとのギスギスした雰囲気が残るラルド。セリアがケインを庇い、エマはラルドを支え、と意見が割れたことで、一旦距離を置くことになった。

 ロイは双方を取り持ち、それぞれに客観的意見を述べる。そして、二人が目覚めた祠へ行ってみることを勧めた。

 目覚めた地で顔を合わせた五人は、一晩そこでキャンプを張る。一度全部しっかり話せとロイに促され、ケインによる過去の回想に入る。

 当時の王家の話。自分の家の話。自分の家の分家であるフェイファー家がクーデターをしでかした話。宰相だった自分の父親が、ラルドとケインを逃がしてシャインの元へ向かわせた話。シャインに話をしていた最中、邪神の復活だと叫び声が届いた話。状況を聞いて王家の生き残りがラルドだけだと瞬時に判断したシャインにより、二人の時間を止める提案をされたこと。そしてこの場所まで来て、時間を止められたこと。

 そんな話を聞いても、ラルドはまだ王族としての自覚が持てない。四人はまたそれぞれの感情を持て余しつつ眠りにつく。


 次の朝、近くの村に伝令が待っていた。邪神が復活した。

 すぐに邪神が封じられている廃神殿へと向かう。地下ダンジョンは瘴気で溢れかえり魔物が湧き出てくる。

 邪神戦。戦闘で倒すとイベントへ移行し、エマが『浄化』魔術で邪神を再封印。戦闘終了。

 メーヴに戻った五人。ラルドとケインは、それぞれ「このままでいいのか」と悩む。




 ******




「で、完結編のブルサン」


 ビエスタ国首都ラーナ近辺でフェイファー合併に伴う内乱が発生。

 ラルドはクルスト軍の指揮を任され、クルスト軍とビエスタ国軍で複数貴族の軍と戦う。戦争パート。

 その後、内乱による混乱が続く各地を巡る。途上、ラルドの記憶は断片的に戻り始める。

 ある町で、ショックによる記憶喪失となった女の子と出会う。彼女との会話の中で、ケインは目覚めてからの振る舞いを省みる。


 メーヴに戻ると、城奥へと招かれる。その書庫で、古い記録を見つける。

 第三者視点で前回の邪神戦が回想される。

 前回の邪神戦はフェイファー家クーデターの混乱の中、聖女と魔術師シャインによって行われた。彼の手にはクルスト王家に伝わる王杖。しかし使いこなせなかった。二つに分かれた邪神は、フェイファー廃神殿と、リューク湖に沈んだ。


 邪神は二体。まだもう一体がすぐ近くに残っている。新しく知った事実に五人が顔を見合わせる。

 記録から、邪神戦には王杖が必要だと判明する。前回使っていたシャインに確認すると、ビエスタ国王が保管していると教えられる。

 謁見して王杖について話すと、杖と王族、双方が本物かどうか分からなければ意味がなかろうと言い返される。言い淀むラルドに、王杖を使って近衛兵との一騎打ちをさせようと王が提案する。

 一騎打ちイベントでは負け確定。そこでケインが、たくさん読み漁った記録の中にあったある文言を思い出す。すなわち『契約者の血は神の結晶に』。

 ラルドが指を切り出てきた血を王杖の宝玉に与えると、杖が片手剣と盾へと変化する。再度一騎打ちを行うと、ラルドの動きに良く馴染み、危なげなく勝利。

 ラルドとケインの間の緊張が少し緩み、ようやく腹を割って話すことができる。


 王杖を手に入れたことで、ビエスタ邪神の打倒へと向かう。

 周囲に結界を張り湖を強制的に涸らすことで移動手段を確保する。そのまま結界を維持してもらいメーヴへの被害を抑える。

 邪神戦。これがラスボス。

 勝利後に、ラーナへ報告に向かう。その途上、ラルドは王としての決意を語る。

 その決意と邪神撃破をもって、ラルドはビエスタ国王に旧国の王位継承を認められる。それにより、ビエスタ国王とラヴィソフィ国王ラルドとの間で、新国建国への話し合いが持たれることとなる。


 エピローグ。

 記憶喪失から戻った少女が、離れ離れになっていた家族と再会する。

 街道から少し入った場所にある、赤のピアスが飾られた小さな墓。

 外からの歓声が溢れる酒場で酒を飲むロイ。その外、ケインとセリアの結婚式。

 そして、新しい国の首都となったメーヴ城を背景に、ラヴィソフィ国王ラルドと聖女エマの結婚式。




 ******




「これでもだいぶ端折ったんだけどなぁ」


 ロイが作ってくれた書類の束を見て、私は溜息を吐いた。


「だろうな。マークの名前なんて一つも出てこなかったぞ」

「頻繁に出てくるし言葉も交わすんだけどね、あらすじには反映しにくい部分だとか、戦争パートだとか、その辺りの活躍が多くてね。

 そういう意味ではキャスパー王子も省いているし、ソニア様だって一応出演してはいたけど全く書かれてないし」


 出演って言い方もどうかと思うけど、まあ、言いたいことは伝わるでしょ。


「ま、本題はこっからだからな。ピースを拾い上げるのには更に詳しい情報がいるだろ」

「………………うん」


 あーもう、脳内の情報が勝手に印刷されればいいのにな!!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ