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エピローグ

 プロローグがエピローグになっていますが仕様ですのでお気になさらず。



 ◆エピローグ



 雲一つ無い晴れた日に薄汚れた床に夕陽のような赤が広がった。


 真っ白な外壁と真っ白な門が見える、 少しばかりの木が生えた荒野に巨大なそれはあった。


 それは魔王城、そこに君臨するのもまた……勇者が創った物語の被害者。

 ここは、その魔王の君臨する王室。


「フハハっ、もうじき毒がまわる。貴様もこれで終わりだ」

 魔王が言う、どうやら勇者は負けたようだ。

 魔王は笑う、もう楯突く者はいないから。


「フフっ……確かに僕はここで死ぬ、でも終わりじゃない」

 勇者は言う、そうなるのは当たり前。

 勇者は笑う、だって僕が考えたのだからと。

「お前だって時期に殺されるさ」


 そう言って勇者は笑う。


 勇者はずっと笑ってる、だって勇者の死は魔王が倒されるまでの物語の一つだから。


「僕の死はただのプロローグ、今から始まるんだ……お前を倒す物語が」

 血まみれの勇者は笑う、自分は何も出来ない……咳き込むだけで口から赤が溢れ出てくる。

 勇者の周りはもう自身の深い赤で染まっている。

 けれど勇者は笑う、だって未来はもう知ってる、自分が死んで魔王も死ぬ。


「聞きたい事がある、何故人間嫌いなお前が」「この世界を救うのか? でしょ?」


 聞かれる事も分かってる、ここに書いたから。

 魔王は右に行ったり左に行ったり、落ち着かない。

「仲間か? それとも約束か?」

 勇者は黙って首を横に振る。

 勇者はそんなくだらない事で命をかけない。


 一人目の勇者は優しさが足りない、だってモデルは自分自身なんだから。


「僕が創った世界だ……僕が守ったっていいだろ?」


 勇者は呟く、力の無い声で。

「最初からお前の負けなんだ!」

 振り絞って叫ぶ、最初から魔王の負けは決まってる。


 時間はかかるけどねと勇者。


「あい……む……ブロック……いず……マイファンタジー!」

 I'am block is my fantasy.


 滅茶苦茶な言葉、けれども勇者は守った訳だ、自分の世界を自分の……。


「僕、は……きみを……君を救えた?……」


 笑いながら勇者は死んだ、滅茶苦茶幸せそうな顔で。


 ……自分の死をもってして。


「……死んだ……か」

 そう呟いた魔王の足元には水たまり。


 勇者の書いた最初の物語は、自らの死。 でもそれは、全ての物語と繋がっていて最後にはハッピーエンドに……

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