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猫の頭と共に

相変わらずの見切り発車ですー

いつもの日常、いつもの朝。いつものように猫に起こされ目覚めたら異世界に召喚されていた。


「……おはようございま……いやぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」


当然ながらパニックになった少女、船津瑠海はとりあえず挨拶をしておこうと思い、おはようございます。そう言おうとした。


しかし目の前にあった猫の首だけの姿に驚き、叫んだ。

猫は首だけの姿でコロコロ転がっている。断面はなぜだか不明ではあるが全く見えない。


「ルイ!?ルイなの!?!?大丈夫??大丈夫じゃないよね!!!でも生きてる……生きて……る!?!?生きてるのね!!!良かった!!!いや、良くないわ!!!あんた達私のルイになんてことしてくれるの!?!?タヒね!!!!タヒんで詫びろ!!!いや、元に戻す方法を教えろ!!!っていうかそもそも、ここどこ!?!??もういやあああああああああああああああ!!!」


愛しい猫の変わった姿に少女は周りの男達にむけて叫んだ。猫は転がるのをやめ、宙に浮き少女のことを呆れた目で見つめた。


「あんたのそういう目は変わってないのね!!!もっと悲観的になりなよ!!!いや、私が絶対何とかするから悲観的ならなくてはいいけどさ!!心配もなにも要らないけど……要らないんだけど!!複雑っ!!そして浮けるのね!!便利!!!そういう問題じゃないけど!!」


猫の変わらない目と落ち着いた様子に安心し、深呼吸をして瑠海は周りの男達に向けて真顔で尋ねた。


「これは一体どういうことですか?」


その冷たい声と表情に男達は怯んだが答えないわけにはいかない。男達の中で一番身分の高そうな金髪の青年が答えた。


「……貴女は聖女として召喚されたのだ。その、そこの生きも「ルイくんです!!」……ルイくん殿は巻き込まれてしまったのだと思う。胴は向こうの世界にあるはずだ。魔女に頼べばなんとかしてくれるかもしれない。聖女なら自分でなんとかできるはずだ」


召喚してきたのは男達の勝手なのになんにもしてくれないことを察し、瑠美は怒鳴った。


「なんとかできるはずだ!!ってなんですか!!こっちの都合も聞かずに勝手に呼び出したのはあんた達でしょ!?!?

タダでさえ知らないところに無理やり呼び出されたって言うのになんのフォローもないわけ!?聖女って何!???自分たちの宗教に関することなら勝手にそっちでやっててよ!!巻き込まないで!?!?

挙句の果てにルイまで巻き込んで!!こんな、こんな頭だけの姿になっちゃって……胴体も含んでルイなのに…!!!頭だけ……頭だけなんて!!!!胴体あっちに置いてくるなんて!!!!頭…頭だけでも可愛いなぁオイっ!!!ルイくん胴体置いてきちゃったのに可愛さは忘れず持ってきたのか!!!可愛いなぁ!!!ルイくんのお鼻!!おはな可愛い。ルイくんのお耳、お耳もキュートだねぇ!!ルイくんのお口、お口も赤くて可愛いねぇ〜……ルイくんのあんよがないっ!!!!尾っぽも!!!!なんてこった!!!許さねぇ……」


途中話が脱線していたがやっぱり怒りを抑えられない瑠海をみてルイは呆れた。可愛がられてるのも愛されているのも嬉しいのだが、ちょっと過剰過ぎやしないかと猫なりのため息をつき、


飼い主を落ち着かせるために肩に乗り、頭をすりっと顔に擦り付けた。


「なぁあぅ〜ぁ〜」


独特の可愛い変な声。そして滅多に味わえない顔のふわふわした触感に瑠海は悶えながら気絶した。



猫の頭とともに召喚された飼い主の話

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