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幽霊騎士のトゥテラリィ  作者: 桃犬猿雉
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第一話 騎士任命(強制)

どうも皆さん、桃犬猿雉ももいぬえんじと申します。

こちらの作品は異世界物の剣と魔法のファンタジー物となっております。

コツコツと頑張ってまいりますので今後ともよろしくお願いします(o*。_。)oペコッ

どこまでも続く闇の中を一つの人魂がふよふよと浮いている。


その人魂は青い火の尾を引いてどこかへと誘われるかのように一直線にどこかへと向かっている。


そして、赤い光が一瞬光った後に跡形もなく消えた。



「ここは、、、、、俺は、、、、、、死んだはずだ」



そう言い放った本人、いや人魂は青白い火の玉から向こう側が透けて見える青白い人型へと変わるとそう口を開いた。



「話せる、、、なぜか、感覚はある、、、、、」



青白い人型は自分がなぜこの場にいるのか理解が出来ていなかったが、目の前の少女気が付くとなぜか目を離すことが出来なくなった。


少女はこちらへと恐れることなく近付くと、何かを口ずさみ、その手を人型の中へと突き入れた。



「君は、、、何を、、、、、」



人型は体の中の何かを触れられる嫌悪感に顔を歪めるが、それでも少女から目を離すことはなかった。


少女は人型に手を突き入れたまま呪文のように言葉を綴り、人型の問いには答えることはない。


人型は体の内側から温かい何かを感じ目を細めるがその温かみがだんだんと燃えるような暑さへと変わり身をよじる。


燃えるような熱さを感じるが、実際体は燃えることはなく終わりのない痛みに意識を手放す。


意識を手放す前に最後に見た少女の顔は美しく、いつか見た守れなかった少女を思い起こさせた。


人型は少女の口から聞こえた気がした。



「これであなたは私の騎士よ」



人型は目を覚ますと体を襲う重力に目を細める。


いや細めることは出来なかった。


体は重くまるで鎧をまとっているような感覚。


不思議に思い手を見るとそこには堅牢そうな籠手があった。


全身を見渡すとフルプレートの鎧に包まれていた。



「ようやく適合したようね いい? あなたは私の命令には絶対服従よ」



いきなりの言葉にそちらを向くと、あの少女がこちらを指さしていた。


少女は吸い込まれるような黒い髪をサイドテールにして変わった服を着ていた。


たしか、学園の生徒がきる制服のような形状で胸の部分に校章なのか花のレリーフが刻んであった。


人型を改め鎧は彼女の言うことに逆らおうという気にはなれなかった。


彼女の鈴のような声は鎧中までしみわたり心地よい響きを奏でる。


その声で彼女は言い放つ。



「あなたの魂はこの鎧に定着させたわ もうあなたは彷徨える霊魂ゴーストじゃないリビングアーマーなの」



鎧はおぼろげな記憶から探した。


リビングアーマー


戦いにて死んだスピリットが鎧に乗り移り動き出したという魔物だ。


自分が何者かわからない状態だったが鎧はなぜかその知識を思い出すことが出来た。



「いい? 霊魂ゴーストとして召喚したあなたを私が魔力を加えてリビングアーマーとして存在進化させたの 召喚主のわたしには逆らえないの」



少女は鎧に言い放つと、言葉を紡いだ。



『主たるエミリアが命じる 跪きなさい』



その声とともに、まるでその言葉に従うことが当たり前かのような思考となり、鎧は少女に片膝をつき跪付く。


その光景は騎士が王に忠誠の儀を行っているかのようだ。


少女が口を開く。



「命令は時間がかかるし使い勝手が悪いからあまり多用したくはないの でも今のであなたが私からは逃げられないことはわかったでしょ? 安心しなさい別にそこまでひどいことをさせるつもりはないわ 私を守り 私のために剣を取ればいいの」



鎧は別に逃げようと考えたわけではないが、彼女に仕え守り剣を取ることには不思議と嫌な気がしなかった。


まるで昔、誰かを守っていたようなそんな気がしてならなかった。


何かを思い出せそうな気がしていたが、ついには思い出すには至らなかった。


少女に仕えることが決まってから一日が経つ。


鎧の体は睡眠を必要としなかった。


体を動かすのにも筋肉はいらない。


鎧にしみこんだ魔力を操作して手足を動かしている。


視覚も眼球がないにもかかわらず、はっきりと見えている。


視覚だけでなく五感全てが感じられる。


主の少女、エミリアが起床してくる時間まで彼女の部屋の前に控えている間自分の記憶について整理をしていたが、前世の記憶がよみがえることはなかった。


仕方がないので前世のことを思い出すのはあきらめて自分の体の感触を確かめるように鎧は動き出す。


その光景は一見するとホラーだが、誰も指摘することはしない。


この屋敷ではそれが普通であるからだ。


人間がいないわけではないが、棒人間のような姿をした洗濯をする人形、それが数体視界に入る。


鎧は、自分の手を見ると指を動かし、拳を作る。


不思議なことに何の違和感もなく鉄製の文字通りの鉄拳が作り出された。


それを虚空に振るう。


突き出された拳は空を切り、パンッと乾いた音を立てた。


肉体の動きは人間のそれと変わらないが、少し引っかかりのような感覚がある。


おそらくそれは、鎧が魔力を使って体を動かすことに慣れていないせいだろう。


鎧は魔力による肉体操作に慣れるために鍛錬をすることにした。


日はいまだ沈んだままだが、鎧にとっては視界の明暗はあまり関係ない。


物を見る際は光の反射によってそれを認識するが鎧は魔力の波動によって感知することが出来るため夜目が利く。


欠点としては色彩の認識が弱くなる。


鎧は記憶を思い出せずとも、体がというより魂がと言った方が正しいだろうか。


鍛錬のやり方を理解できていた。


鎧は肉の体が無いにもかかわらず鍛錬を続ける。


体の魔力による操作に慣れるため、もしかしたらこの鍛錬を続けることによって記憶が戻るかもしれないと考えつつ鍛錬を続けた。


次に鎧は腰に提げてある剣を手に取る。


飾り気のない質素な剣は不思議と手になじみ、両刃の刃はよく手入れをされていたのか刃こぼれ一つなかった。


両手で握り、縦一線。


そして鎧を不思議な感覚が襲う。


まるで剣が自分の体の一部となったように手に吸い付く。


まるで剣が何かを言っているかのように鎧に語り掛けているようだ。


次の瞬間鎧の脳裏に様々な光景が流れ込んできた。


それは一人の剣士の記憶。


その剣士は日々鍛錬を欠かさず、驕ることなく自らの剣の腕を磨いた。


そして騎士へとなった。


だが、その愚直なまでに真面目な性格が仇となり上から疎まれ、地方へと飛ばされた。


だが、剣士は鍛錬を続けた。


地方の街では伴侶に恵まれ、仕えるべき主も得ることが出来た。


そして、剣士は老いるまで主への忠誠を貫き続けていた。


主が死ぬまでは。


主が亡きあとは、その子供たちにも主と変わらぬ忠誠を尽くそうと剣士は決める。


だが、老いた今剣を振るう腕も重く戦いで忠誠を示すことも難しい。


剣士はその日より執事となる。


その光景はそこで途絶える。


背後から気配がし、鎧は振り向く。



「おやおや、気付かれてしまいましたか やはり老いには勝てませんなぁ」



鎧の前に立つ老執事。


鎧は悟った。


彼が、この剣の持ち主だったのだと。


だが、今の鎧に言葉を発することはできない。


だが、その手には剣を持ち、老執事の手にも同様に剣が握られていた。


老執事は鎧が自分の使える主にふさわしいか試しに来たのだ。


言葉には出さずとも、老執事の目がそう語っている。


執事の体を薄っすらと光が覆っている。


恐らく魔力で肉体を強化しているのだと鎧は理解した。



「では、参りますぞ」



そう執事が言い放つと、執事の姿がぶれ、鎧に肉薄する。


老いてもなおその剣筋は鋭く、刃に触れてしまえば鉄の鎧といえど斬られてしまうだろう。


鎧は鋭い剣筋を躱し、時に剣を使っていなす。


自分でも驚くほどの技術がこの歴戦の戦士である執事の猛攻を防いでいた。


だからこそ分かった。


目の前の戦士が放つ剣戟は囮であると。


剣戟の中に、相手の隙を窺う猛禽の目があることに気が付いた。


そして鎧はその隙をわざと作りだす。


剣を強めに払い、その隙を狙い執事が剣を差し込んでくる。


その突きは今までの剣戟のどれよりも速く鋭い。


だが、来るとわかっていれば対処もできる。


鎧は自らの剣を手放しそのまま突きが来る方へと踏み込む。


そのまま執事の突き出す剣をわきに通したまま、剣の柄を執事の腕ごと掴み、突きの勢いを殺さずに投げる。


執事も後ろによけるのでなく前に進み出てくるとは考えていなかったのか、目を開くが突きを引くことも追いつかず、鎧に投げられた。


投げられた執事はそのまままっすぐに飛ばされ、庭の木に叩きつけられ気を失った。


驚いたことに、気絶した後も剣を握ったまま離さなかった。


少しして、執事が目を覚ます。



「ははは、お強いですな いきなり試すようなことをして申し訳ない」



執事はスクッと何事もなかったかのように立ち上がると、そう口を開いた。



「私はシルヴァ 僭越ながらこの伯爵家の家令を務めております なぜ私が貴方様を試すようなことをしたかをお話しさせていただきたい」



老執事シルヴァは語った。


シルヴァは前の主、つまりはあの少女、エミリアの父親の代からこのシュピ―リア伯爵家に仕える執事で、元々はシュピーリア騎士団長を務めていたこと。


剣の見せた光景通りの情報だと鎧は思った。


シルヴァは顔を曇らせて話を続けた。


この伯爵家は弱っていると。


お読みいただきありがとうございました。

もう一つの小説の方も含めて頑張ってまいりますので今後ともよろしくお願いします。(o*。_。)oペコッ


補足ですが、主人公は前世に関する知識の内、戦闘技術や知識、言語や常識といったもの以外の記憶が思い出せない状況となっています。

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